高田みづえの「私はピアノ」が再び大ヒット! 『うたコン』復活劇の感動でYouTube、音楽配信等で異例の現象

[コラム]
1977年にデビューし、『NHK紅白歌合戦』にも合計7回出場するも、1985年に惜しまれながら芸能界を引退した高田みづえ。そんな高田が、2026年8月25日にNHKの歌番組『うたコン』で放送された「高田みづえ 一夜限りの復活SP」に出演し、大きく注目を浴びている。
特に、番組内で歌唱した「私はピアノ」(桑田佳祐 作詞・作曲)に大きな反響が見られた。本作は1980年3月にサザンオールスターズがアルバム内で発表し、メンバーの原由子がリードボーカルをつとめたが、同年7月に高田がカバーし当時もオリコン週間シングルランキングで49.3万枚の大ヒットに。そして令和の今なお、46年前の本作が現在のJ-POPと並んでヒットしているのだ。
亡き夫への想いと、笑いと涙の45分間
キッカケとなった『うたコン』の内容を振り返ってみたい。番組では、高田みづえ本人と、彼女と親交の深かった岩崎宏美、同期デビューの榊原郁恵が生放送に出演。当時の『紅白歌合戦』の歌唱シーンや舞台裏、またバラエティー番組から『カックラキン大放送!!』(日本テレビ系)などを振り返り、NHKホールで事前収録した「私はピアノ」「硝子坂」の最新歌唱が披露された。昭和のテレビ番組ならではのコントやパフォーマンスから、今年3月に亡くなった夫(元大関・若嶋津六夫さん)へのあふれる想いまで、笑いあり、涙ありの45分間となった。
YouTubeでは最新J-POPと並ぶトップ級 SNSの反響で音楽配信やカラオケも急上昇
その影響で、動画や音楽配信、カラオケなど各部門で高田みづえの楽曲が急上昇!最も顕著に伸びたのは、YouTubeに期間限定で公開された番組での歌唱動画で、公開からまる1週間で「私はピアノ」が190万回以上、「硝子坂」が125万回以上、合計315万回を超える再生回数に。参考までに、ビルボードジャパンの最新週(集計期間:2026/8/24-8/30)のミュージックビデオ部門で100万回以上再生されているのはわずか6曲、1位の楽曲でも約175万回で、昭和の歌謡曲がランクインするのはほぼ皆無だ。今回の番組での歌唱動画はチャート対象外ではあるものの、それに匹敵するレベルで視聴されており、いかに番組の反響が大きかったかが分かる。
次に、音楽配信でも急上昇。同集計期間によるビルボードジャパンのダウンロード部門で「私はピアノ」が31位、「硝子坂」が76位をマークし、TOP50内にランクインした昭和の楽曲は高田の「私はピアノ」のみだ。特に、放送翌日には「私はピアノ」がレコチョクでのダウンロードがデイリー6位まで上昇。SNSでは「安定の歌声」「変わらない歌声は圧巻」「本当にまた歌ってほしい」といった書き込みが1日で5千件を超えXのトレンド入りを果たしたことで大きく波及したようだ。
また、高田みづえの楽曲が現在183曲配信されているストリーミングサービスのSpotifyでも、高田の月間リスナー(過去4週間で1曲以上聴いた人数)が約18万人と1年前と比べてもほぼ倍増し、その盛り上がりから若い世代からも注目されていることが分かる。
さらに、カラオケにも大きな変化が。1週間での高田みづえ楽曲の歌唱回数を見ると、番組内で歌唱のあった「私はピアノ」と「硝子坂」がそれぞれ前週比約2倍に増加。また『紅白』での歌唱シーンが放送された「秋冬」は前週比約5倍にも急増した(JOYSOUND調べ)。「秋冬」は、司会の森光子に「今年の紅白が忘れられないステージになると思います」と紹介された後、高田本人も「最後の『紅白』となる想いで歌った」そうで、涙ぐみながらも熱唱する姿に、あらためて名曲ぶりを再発見したファンも多いのだろう。
カバーをヒットさせる「確かな歌唱力」、岩崎宏美から「歌いなさい!」
番組で放送された「私はピアノ」「硝子坂」「秋冬」のほか、「そんなヒロシに騙されて」「愛の終りに」「真夜中のギター」など、高田のヒット曲には実にカバーが多い。平成時代にも、徳永英明や中森明菜のアルバムヒットでカバーブームが起こっているが、彼らに共通するのは良い曲を大衆に届けうる魅力的な歌声と確かな歌唱力の持ち主ということだ。
番組終盤に岩崎宏美から「親方がキッカケを作ってくれたのなら…歌いなさい!」、そして榊原郁恵から「先輩に言われたら、逆らえないのよ(笑)」と勇気づけられた高田みづえ。高田自身も、「親方が導いてくれたのかな」「親方も喜んでくれていると思う」と出演を振り返っており、リスナーからの大きな反響を励みにさらに前進されることを心から願っている。
(文:人と音楽をつなげたい音楽マーケッター 臼井孝)
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