ふみのが9月27日(日)に、東京・Zepp Diver Cityにて〈ふみの初のワンマンライブツアー2026~僕のすべてを知ってるような君だから~〉の最終公演を開催しました。
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ちゃんみなが手がけたオーディション番組『No No Girls』に参加し、ファイナリストに選出された彼女は、最終選考から1年後となる今年1月にちゃんみなが主催するセルフプロデュース型レーベル「NO LABEL ARTISTS」の第1弾アーティストとして所属することを発表し、シンガー・ソングライターの“ふみの”として始動。
デビュー曲「favorite song」のミュージック・ビデオは公開1日で100万回再生を突破するほどの大きな注目を集め、テレビの音楽番組やライヴ・イベントに多数出演。6月から8月にかけては〈ふみの全国路上ライブツアー2026~はじまりとはじめまして~〉を開催し、全国3ヵ所で路上ライヴを敢行。本ツアーは、9月14日にリリースされた1stアルバム『僕のすべてを知ってるような君だから』を携えた東名阪Zeppツアーで、ふみのにとっては初のワンマン・ライヴ・ツアーとなっており、ファイナルの地となったZepp Diver Cityには数多くのファンが集結し、熱い声援を送りました。
[ライヴ・レポート] 開演時間を迎えると、場内が暗転し、バンドメンバーに続いて、ふみのがステージ中央の位置につくと満員のフロアからは期待と興奮に満ちた大きな歓声があがった。オープニングを飾ったのは1stアルバム『僕のすべてを知ってるような君だから』の1曲目に収録されていた「18(じゅうはち)」。バックライトに照らされたふみのはアコギのストロークで強弱をつけながら心の奥底に潜めていた本音を吐露するかのように静かに歌い出すと、次第に生々しいエモーションが込められていき、柔らかくも強い芯のある歌声で観客をいきなり圧倒した。ヴォーカリストとしてのポテンシャルの高さをはっきりと見せつけた彼女は、アコギをエレキギターに持ち替え、「今日は来てくれてありがとうございます! 東京、いくよ」と声をあげ、観客がバスドラに合わせた盛大なクラップを打ち鳴らした「生きろ」ではギターソロを披露。続く、「どっちがいい?」では、ふみのの「跳ぶよ!」という言葉に応えた観客がジャンプを繰り出すと、クラップのヴォリュームが一段と大きくなり、ライブは早くもクライマックスのような盛り上がりを見せた。
最初のMCで観客にアルバムの好きな曲を問いかけたあと、「White lie」という声が上がったところで、「わかる。めっちゃいいよね。私がラブソングを歌うのは初めてで。まだ新鮮だから、歌うのがちょっと恥ずかしい」と照れながらも、私のために優しい嘘をつくよりも、もっとあなた自身を見せてほしいという恋心を綴った「White lie」をアコギのアルペジオと温かくチャーミングな歌声で表現。〈好き〉という想いを歌の言葉にしてはっきりと口にした彼女は、アコギに合わせて手拍子が響いた2ndシングル「ホットライン」では、〈君が赤をとるなら青をとるし/地獄に行くなら仕方ないけどついていくよ/なんかそんな感じ〉という親友への想いをストレートに伝え、今年の夏に行ってきた全国路上ライブを再現した弾き語りコーナーに突入。「実は『ホットライン』はVersion2で、伝説のVersion1があるんです。雰囲気もメロディも全然違うんだけど、歌詞のところどころに『ホットライン』の要素が入ってて。今夜限り、特別に歌いたいと思いますので、歌詞に注目してください」と明かし、「友達の唄」というタイトルのデモ曲を披露。
楽曲の誕生からリリースまでに変化していく過程を垣間見せると、ここで改めて、「全員と目を合わせていくので、私といつ目が合ってもいいように、絶対に私から目を離さないでください」とアピール。「私のお母さんがおばあちゃんに対する思いと、私がお母さんに対する思いは似ているけど、どこか噛み合わないと思った時に書いた」という「娘の娘」の後は、「みんなの前でピアノの弾き語りの姿を見せるのはオーディションの最終審査以来で、すごーく緊張してます」と語りながら、キーボードへと移動。「自分が帰りたい場所、帰るべき場所からどこか遠くに飛び立ちたい」という想いを綴った「ただいま」はキーボードの弾き語りで、切なくも伸びやかな歌声を響かせ、路上ライブと同じように観客と積極的にコミュニケーションを交わしながら、弾き語りでデモ曲を3曲をパフォーマンス。ふみの等身大で飾らない魅力を存分に感じられるシーンとなった。
変わってしまうことへの恐れと変わらないでいる自分への苛立ちすぎることへの不安が同居するバラードナンバー「満腹」からライブはいよいよ終盤戦へ。椅子に座わり、ピアノ伴奏だけをバックにハンドマイクで深みのある歌声を放ったふみのは、「私、今日だけはみなさんに自分が信じたいと思ってるものを心から信じて欲しくて。もし、それがうまくいかなくても、ダメだった時はまたこの場に戻ってきてほしい。私は何度でもこの曲を歌います」というエールを送り、ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3』主題歌に起用された3rdシングル「よくあるはなし」ではステージを右に左に移動しながら観客の一人一人と目を合わせるかのように歌唱。再びアコギを手にし、小気味のいいリズムから歌声とバンドアンサンブルによって次第にスケールを拡大していくビッグバラード「うたかた」と聴き手の心を揺さぶるバラードを続けた。自身のリアルな感情を刻み込んだバラードに思いを込めて、柔らかくもダイナミックに歌いあげる姿はふみのの真骨頂と言えるだろう。
ここで、アルバムやツアーのタイトルについて、「デビューして8ヶ月が経ったんですけど、年齢や性別、オーディションに参加していた経歴など、いろんな見方をしていただいているなと感じています。応援していただけることは心から嬉しいことなんですけど、どこか心の隅で、“今の私”を、“今の私の音楽”を純粋にストレートに聴いてほしいという気持ちもあります。そんな思いでこのタイトルを掲げました」と説明。「このアルバムを聴いたら、今の私がもうちょっと深く知ってもらえるんじゃないかなと思って。皆さん、届いてますか?」と呼びかけると、観客からはこの日、いちばんの大きな歓声と拍手が送られた。
そして、ファンやスタッフへの感謝を伝えたふみのは、満員の観客を見渡しながら、自身が人生で初めてライブを見に行ったステージが「Zepp Diver Cityの2階の一番後ろだった」ことを明かし、「私、衝撃を受けて。いつかあっちのステージの上に立ちたいなと思ってたんですけど、ついに立っちゃいました!」と感慨深げに語った。そして、「私、今、Zeppにいる。Zeppに立ってます」とどこか現実を受け入れきれない表情を見せると、「頑張ってきたのかな? 必死になれてるのかな、私? って思うことがあって。みんなには、努力してるよ、頑張ってるよって言っていただくんですけど、その言葉に違和感や疑問を持っていて。最近は時が過ぎるのが早いし、頑張ったことを忘れちゃって、何を頑張ってるのかわからなくなって、なんとなく頑張ることに慣れちゃって。いつか、描いていた夢も急に目の前にあったりする」という困惑を正直に語った。そして、「でも、それでも私はここで生きてます。みんなも必死にここで生きてます。そんな私たちに」と迷いを振り払うように呟き、ドラマ『Tokyo middle 30』の主題歌として書き下ろした4thシングル「東京」へ。光るブレスレットを掲げた観客の手が上がり、左右に大きく揺らして一体感が高められていくと、高揚感を上げるコール&レスポンスから始まった「ロックスター」では観客がタオルを回し、ジャンプも繰り出しながらシンガロングが発生。会場全体が熱気に包まれる中で、ちゃんみながふみのにプレゼントとして贈ったデビュー曲「favorite song」では、ちゃんみなからふみのに向けられた〈こんな日を待っていたんだ/君に私を届ける日を〉というフレーズを観客に向けて歌い、「東京、大好きだ!」と絶叫。観客は手を挙げながら、再び大合唱が沸き起こり、ステージとフロアの距離がグッと縮まった開放的な雰囲気が広がる中でライブ本編を締めくくった。
アンコールの声に呼ばれてステージに戻ってきたふみのは、「新曲を持ってきました!」と声をあげ、TVアニメ「らんま1/2」第3期のオープニングテーマに起用されている新曲「素直未満」を披露。作品からインスピレーションを受けたという彼女が、「誰もが持つ二面性や素直になれないもどかしい気持ちを自分なりに楽曲へ落とし込んだ」という、ふみの史上最速のポップロックで熱量の高いパフォーマンスを繰り広げ、観客のジャンプを誘発。最後は、バンドメンバーと、「ありがとうございました!」とマイクなしで感謝を届けると、「すごく楽しかったね。私のアーティスト人生で初めてのツアーは一回しかいないので、心に留めて、頑張っていきたいと思います。皆さんのことは一生離さないので、またお会いできる日まで待っていてください」と再会の約束を果たし、初の東名阪Zeppワンマンライブツアーは大成功のうちにエンディングを迎えた。デビューからたった9ヶ月で立ったZeppのステージ。「楽しかった」「最高」を繰り返しながら手を振ってステージを後にした彼女の最高の笑顔からは確かな手応えと充実感が伝わってきた。この先のさらなるステップアップが楽しみとなるツアーとなった。ライター: 永堀アツオ