4人組ロック・バンド、
クリープハイプの新作EP『
仮のまま定着したような愛情で』に収録されている「痛々しいラヴ」。
尾崎世界観が親交のあった漫画家・
魚喃キリコへの追悼の思いを込めて書き下ろした一曲。1997年に発売された魚喃キリコの代表作のひとつである短編漫画集『痛々しいラヴ』と同名となる本楽曲は、切なさを帯びたサウンドと繊細な歌詞のなかに、魚喃キリコへの敬愛を静かに映し出した作品となっています。
この楽曲を軸に、漫画家・魚喃キリコ追悼企画「痛々しいラヴ:クリープハイプ×魚喃キリコ」が展開されています。
本企画は、魚喃キリコのイラスト作品が文庫カバーに使用された、尾崎世界観と作家・千早茜による共作小説『犬も食わない』以来となる共同プロジェクト。
楽曲「痛々しいラヴ」への千早茜による特別寄稿「Water」を公開したほか、8月3日(月)には福岡・六本松 蔦屋書店にて、新作EP『仮のまま定着したような愛情で』購入者を対象とした限定イベントを開催予定。対談ゲストとして、千早茜が出演することが発表されています。
そして、本企画の締めくくりとなるコンテンツとして、短編漫画集『痛々しいラヴ』を使用したMMV(マンガミュージックビデオ)をクリープハイプ・オフィシャルYouTubeチャンネルにて公開しています。
[コメント]こんなことをしていいのだろうかと迷った末、痛々しいラヴという曲を作りました。
結局は自分のためだったのかもしれない。それでも書かずにはいられませんでした。
「書く」と「描く」は、いつもかけ離れているけれど、それを歌うことで、少しでも近づきたいと思いました。今回、千早さんが新たに作品を書き下ろしてくださって、自分のあの頃が溢れたそれに、とても救われました。
だから、結局は自分のためだったのかもしれない。
それでも、あなたにだけは届きますように。そしていつか描けますように。
それまでおやすみ愛してる。――尾崎世界観魚喃キリコさんの作品は、自分の二十代を思いかえす上でなくてはならないもののひとつです。
彼女が亡くなってしまってもその事実は変わりません。
けれど、もう魚喃さんの新作は読めないという事実に打ちのめされてもいて、彼女の死をどう悼めばいいのかわからなくなってい
ました。
今回、尾崎さんが「痛々しいラヴ」という曲を作り、文章を書いて欲しいと声をかけてくださり、私はようやく自分の気持ちに向き合うことができた気がします。
魚喃さんの作品に描かれる、人間のどうしようもなさが、恋愛のままならなさが、それを見守る優しさが大好きでした。
そして、もっと、ずっと、作品を読みたかった。
彼女の作品を読むと、濁っても、腐っても流れ続ける都会の川が浮かびます。
そんな情景を短い物語にしてみました。――千早茜