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ラッパー・Itaq、信仰とヒップホップの境界を描いたニュー・アルバム『TYGTA -退下駄-』リリース

Itaq   2026/09/17 19:02掲載
ラッパー・Itaq、信仰とヒップホップの境界を描いたニュー・アルバム『TYGTA -退下駄-』リリース
 ラッパーのItaqが、ソロ名義としては4作目となるコンセプト・アルバム『TYGTA -退下駄-』を9月18日(金)にリリース。

 本作のテーマは「対立と統合」。宗教2世として育ったItaq自身の赤裸々な独白を軸に、ジョージ・オーウェル『1984年』やイスラム教の聖典『クルアーン』などから受けた影響を織り込みながら、「ヒップホップの新旧」「虚構と現実」「信仰と堕落」といった相反する要素を横断します。それらを単純な対立として描くのではなく、互いに相容れないものの狭間に立ち、その両方を内包する「特異点」として、一つの回答を提示する作品となっています。

 『TYGTA -退下駄-』は、宗教2世としての生い立ちを語る作品であると同時に、分断されてしまった現在の日本のヒップホップ・シーンを、再び一つの音楽として捉え直す試みでもあります。緻密に編まれた押韻と、徹底的に磨き上げられたフロウによって、日本語ラップが長年培ってきた魂と言葉の密度を受け継ぎながら、現在進行形のサウンドやスタイルまでを一つの世界観に取り込んでいます。

 音楽性は、Forty Fourによる往年の日本語ラップの輝きを感じさせるブームバップから、BEや:Plueといった盟友によるNew Jazz、Pluggの影響を感じさせるビート、Tyga IchinoseによるLo-fiなギターサウンド、プロハンバーガーによるソウルフルなアンビエント、Galan BeatzによるエネルギッシュなTrap、Raylien Freakyによる感動的なReggaeton、さらにはレガリアのタイプビートまで多岐にわたります。ジャンルや世代の異なるサウンドを横断しながら、それらをItaqの声とリリックによって一つのアルバムとしてまとめ上げています。

 全編のミックス・マスタリングは、Itaqの盟友である:Plueが担当。濃密で挑発的な内容を持つ本作を、清涼感があり、すっと耳に入ってくる音像へと結晶化させました。多様なサウンドと超精密なリリックがひしめくアルバムを破綻なく成立させる、その手腕は極めて精緻です。

 本作の構想には、yanagamiyukiとの交流や、2025年に開催されたItaq初のワンマン・ライヴも影響を与えています。使命感を胸に宗教団体をレペゼンしながらヒップホップ・シーンに挑み続けてきたItaqにとって、そこで得た経験や、異なる価値観を持つ他者との交流は、自身がこれまで歩んできた道と、分かり合えない外部との間にある断絶を見つめ直す契機となりました。

 アルバム・タイトル『TYGTA』は、おうし座の方向に位置するプレアデス星団(すばる)を構成する恒星の一つ「Taygeta」に由来します。その背景には、Itaqが幼少期から信じてきた宗教的世界観と、あるスピリチュアル作家から聞かされた「自身の宇宙人としての前世」という物語があり、本作全体を貫く神話的な背骨となっています。

 一方で、本作においてItaqが信仰を選んだのか、あるいは信仰を捨てたのか、その答えは明確には示されません。信じることと疑うこと、帰依することと離脱すること、過去を否定することと、その過去を自らの一部として引き受けること。その二面性を保持したまま、宗教2世としての経験を一つの思想と音楽へ変換しています。

 その結果として生まれた『TYGTA -退下駄-』は、「聴くトラウマ体験」であると同時に、縦横無尽なサウンドと超精密なリリックによって構成された「思想の曼荼羅」でもあります。

 アートワークの3DCGは、Itaqの実弟、Dirty Kiyomiyaが担当。窮屈な黄金の鎧を纏ったItaqの姿を描き、本作における信仰、使命、束縛、自己像といったテーマを視覚的に表現しています。

 伝統的なヒップホップ精神と現在進行形のサウンド、その両方を一つのラップとして成立させること。本作は、Itaqがこれまで歩んできた信仰とヒップホップの交差点から生まれた、4作目の作品です。

■2026年9月18日(金)配信開始
Itaq
『TYGTA -退下駄-』

ultravybe.lnk.to/tygta
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