SHAZNAが毎年10月に東京・赤羽ReNY alphaで2日間にわたって開催している〈SHAZNA Presents 歌姫降臨~Beautiful Halloween Party~〉が、今年も10月17日~18日に開催。1日目は、SHAZNA×
MUCCによるツー・マン。2日目はSHAZNA、YUKI-Starring Raphael、
BugLug、
KINGの4バンドが集結したイベント・スタイルにて行なわれました。
今回、〈SHAZNA Presents 歌姫降臨~Beautiful Halloween Party III~〉と題し、Halloween Partyらしく両バンドのメンバーとも仮装姿でのライヴを楽しんだ1日目と、個性の異なる4タイプの“怪物”が集結した2日目、それぞれフロアを熱狂させた二夜の模様を伝えるレポートが到着しています。
[ライヴ・レポート]1日目 SHAZNA×MUCC 2マン公演■MUCC 先手を担ったのが、MUCC。『ホムラウタ』(SE)が流れるのに合わせて、場内から熱いクラップと声が上がり出す。SEが激しさを増すのに合わせて、セーラー服や学生服姿に仮装したメンバーが姿を現した。
重厚なダンスビートに乗せて轟音を轟かせ、MUCCのライヴは『Sir』から幕を開けた。全身にズーンと響く衝撃を携えて、演奏が駆けだした。一音一打が、身体をハンマーで叩くような衝撃を持って全身を打ち続ける。荒れ狂うヘヴィなダンスビートに身を預け、意識をすべて消し去り、気持ちが騒ぐままに飛び跳ねれば、それでいい。MUCCは冒頭から超刺激的な轟音と衝撃をぶちかまし、満員の観客たちの意識を狂わせていった。
「楽しもうぜ」の言葉に続き、YUKKEのベースが、さらに重々しい音を響かせれば、ミヤのギターがヒステリカルなフレーズを掻き鳴らす。逹瑯に煽られるままに、満員の観客たちが身体を揺らしだす。そこへ「あなたが大嫌いです」の声を合図に、爆走した演奏に乗せて『大嫌い』が炸裂した。「キライキライ~」と感情を蹴飛ばして連呼する逹瑯。駆ける演奏が意識の螺子をねじ曲げる。グルーヴが増幅するごとに、意識がぶっ飛んでいくようだ。だから、フロアからも「キライキライ」と大きな声が上がっていた。そこへ…。
印象的なギターの旋律が流れ出すと、フロアが沸き立った。逹瑯の吹くハープの音色と、荒々しくグルーヴした演奏が胸を騒がせる『ファズ』だ。跳ねたビートに乗せて、フロア中の人たちが、感情の留め金を壊して踊りだした。逹瑯の歌うメロディと掛け合うように、「Wow-wow-oh」と叫びながら、両手を高く上げて、高く、とにかく高く跳ね続ける。MUCCの演奏に乗せて、熱狂の極楽までぶっ飛んでいけばいい。気持ちが騒ぐまま、彼らと一緒に叫びながら思いきり狂えば、それでいい。
気持ちをさらに掻き立てるように、MUCCは『最終列車』を叩きつけた。ミヤの刻むシャキシャキッとしたビートを推進力にして走るように、観客たちもヘヴィでエモーショナルなリズムに合わせて身体を刻み(揺らし)、エモい歌にずっと胸を高ぶらせ、心を打ち震わせていた。逹瑯の歌声が、胸にずっとドラマを描き続けていたのも嬉しかった。
「踊ろうか、赤羽」の声を合図に、『夜風』へ。フリーキーでヒステリカルな旋律も響く、躍動感のある演奏の上で、逹瑯が早口で、胸を踊らせるメロディーに乗せ、観客たちを煽り続ける。お立ち台に上がって演奏をするYUKKE。エモさと疾風のように駆ける演奏を重ねながら、彼らはさらに醒めない熱狂を描き続けていった。
そこへ、ねっとりと甘く絡みつく刺激を与えるかのように、MUCCは『LIP STICK』を歌い奏でてきた。どっぷりと溺れてしまいたいのに、でも、触れ続けていると火傷しそうな。そんな扇情的な恍惚が欲しくて、観客たちがあちらこちらで高く掲げた手を揺らしては、歌と演奏に心地よく溺れていった。
この日、唯一のMCコーナーでは、逹瑯が付けまつげをしていたことや、YUKKEがルーズソックスをソックタッチで留めていたものの、すね毛に糊がこびりついてしまったことなどを語って良い意味で親しみやすいギャップを見せていた。
「1曲コピーをやらせてください」と口にして演奏したのが、SHAZNAの『TOPAZ』だった。こういう遊び心を持ってくるところが「歌姫降臨」らしい。MUCCがこの曲を歌うと、よりスリリングさを増して聴こえるのも、コピーといいつつ、彼らがMUCCの色にしっかりと染めていたからだ。IZAMに成りきらず、逹瑯節を響かせて歌うところも、むしろ、らしさが見えていいじゃないか。
そこから、哀愁や刹那に溺れゆく表情へ塗り替えるように『Never Evergreen』へと流れる展開が、心を揺らした。楽曲が一気に駆け出したとき、胸を揺さぶる痛い衝動が走った。緩急や抑揚のある感情に合わせ、表情豊かに演奏を染めながら、楽曲はエモさを抱いたまま駆け続けていった。乱れ、燃え盛る感情的な歌と演奏に身を任せ、一緒に心を掻き乱していれば、それでいい。きっと、それでいいんだと思う。
そこへ『蘭鋳』をぶつけてくる展開に、観客たちの感情も一気にバーストした。YUKKEと一緒に観客たちも「蘭鋳」と叫んでいた。熱情に身悶えながら歌う逹瑯。観客たちも彼と一緒に歌いながら、身体を折り畳み、手を上げて狂っていた。終盤、逹瑯が観客たちをしゃがませ、「3.2.1~」の声に合わせてジャンプをすれば、そのまま騒ぎ狂っていった。
そんなふうに騒ぎ狂う観客たちの感情を、一気に輝きの中へ解き放つように、MUCCは『Day dream Believer』を演奏。一部ダイブする観客たちも出るほどの熱狂の様を作り出していった。気持ちを歓喜へと導く歌で心を乱れ狂わせる。それこそがきっと、MUCCが観客たちに向けた愛情表現であり、熱狂の世界へと連れ出すラブレターだったに違いない。フロアから響く「Day dream Believer」の歌声も、胸をエモく騒がせた。そして…。
「俺たちからお前たちへ、最大限の愛を込めて」の言葉とともに、MUCCは最後に『ラブレター』を、愛おしく狂おしい思いを込めて、一人ひとりの心に届けていった。いや、スケールの大きな歌と演奏で包み込みながら、しっかりと抱きしめていった。
フロアはすでに汗ばむほどの熱気に満ちていた。場所によってはサウナ状態だったろうか。この熱気こそが、早くも第一夜の熱狂ぶりを物語っていた。
■SHAZNA さすが、遊び心満載の「歌姫降臨」らしい冴えた演出と言うべきか、SHAZNAのライブの冒頭を飾ったのは、MUCCの『謡声』を、あえてタイトルを変えて届けた『川越』だった(MUCCにばれないようにセットリストを『川越』と変えていたそうです)。意外性を持った展開に、夢烏(むっかー/MUCCファン)も狂喜し、騒いでいた。もちろん、LOVERS(SHAZNAファン)だって、3人が愛情を込めて届けた歌だからこそ、熱狂に溺れるのは当然だ。軽快に駆ける演奏に乗せて、キャッチーでメロい華やかな楽曲に染め上げるところが、SHAZNAらしい。初見で触れた人たちも、最初から手を振り上げ、心地よく身体を揺らしていた。そうそう、IZAMとA.O.Iが、『Beautiful Halloween Night』のMVに登場した麗しきレディーとジェントルマンの姿で登場したのとは対照的に、今年もNIYは奇抜ながらも彼らしい、ケンタウロスならぬシマウマの仮装姿を見せていたことも伝えておきたい。
そこからの『Melty Love』の展開に胸が躍った。今や国民的なポップチューンとも言える楽曲を、早くもこのタイミングで披露し、3人は、LOVERSはもちろん、夢烏(むっかー)のハートもがっちりとつかんでいった。軽快に弾むビートに身を任せ、ふたたび熱を膨らませ出した空間の中で、彼らと一緒に、とろけそうなほど蜜々しい時間を味わい、その甘さにとろけてしまいたい。2人のメンバーと観客たち、そしてIZAMによる「Melty Love」「離さない 離せない」のやりとりもお馴染みの光景…とわかっていながらも、それでも、みんなで心を一つにしたくなるし、「Melty Love ×3」と、愛おしい思いを重ね合わせた合唱で、会場中を甘い色で染め上げたくなる。身体が火照るその熱が醒めないからこそ、やっぱり今夜も眠れなくなりそうだ。
そこから『das Spiel』へと曲を繋げ、SHAZNAは激しく、でも、華やかさも抱きながら、荒々しく疾走する演奏の魔の手を伸ばし、満員の観客たちを熱狂という興奮の渦の中へ巻き込み、奈落で繰り広げる、お茶目なモンスターたちの宴の中へしっかりと落として逝った。
ここで本家が『TOPAZ』をぶち噛ましてきた。先の流れを受けて触れた理由も加味されたのか、高ぶり、騒ぐ気持ちの衝動を抑えられなかった。いや、抑える必要なんかない。ここは、人里離れた異形が集う、人間の皮を脱ぎ捨て、艶やかな装いで迫るモンスターたちと一緒に、自分も愛らしいモンスターになってはしゃぐ宴の地。だから、気持ちが求めるままに騒げばいい。ルール?唯一あるとしたら、それは、あなたの心に素直に従えって楽しめ…ということだ。
MCでは、NIYの仮装にIZAMが突っ込めば、NIYは「俺が一番Halloweenを楽しんでいる」と力説していた。本当なら、この日は3人とも『Beautiful Halloween Night』のMVの衣装で登場する予定だったらしいが、そこを軽々しく裏切るところもNIYらしい。MCでのIZAMとNIYによる、毒舌で下世話ながらも微笑ましいそのかけあいも、今やライブに欠かせない楽しみだ。
ここからは、今年リリースした曲や、これからリリースする曲を並べ、今のSHAZNAの姿を見せていった。最初に届けたのは、9月に配信リリースした『愛飢エテ尚、キミヲ想フ。』。IZAMの歌から始まり、トリッキーな展開を描き出す楽曲だ。心を甘く、淫らに染め上げる歌に触れていたら、気持ちが冥々な世界へと沈み込み、連れていかれるようにも感じていた。LOVERSも夢烏(むっかー)も、心をとろけさせる演奏に抱きしめられたまま、一緒に迷宮の世界で恋しい思いを重ねあい、交わしあっていた。
次に披露したのが、11月11日に配信リリースされる『桃玉-Tougyoku-』だ。躍動するスリリングな演奏の上で、心地よい緊張感を抱きながらも、SHAZNAらしい甘いメロディーでしっかりと酔わせ、気持ちを引き寄せていく。ライブで触れていると、ロックなダイナミズムを覚えるが、とても胸を潤す美メロな曲だけに、歌詞に綴られた思いがとても気になっていた。きっとこの曲も、ストレートな感情に見せて、SHAZNAらしい、少し歪んだ思いが募る恋の歌なのかもしれない。
そのうえで、甘く、妖しく、触れた人たちを官能で麗美な世界へ誘うように、SHAZNAは7月に配信リリースした『LOVE BANQUET』を歌い奏で、官能的に、サディスティックにとせまっていた。少し強気な姿勢で、淫らな世界へ誘い込む彼らの音の手招きに触れながら、観客たちは身体を揺らしつつも、濡れるように心を乱していた。そのうえで、淡い青春の景色を、一人ひとりの心の中のスクリーンに描くように、8月に配信リリースした『飴色サマーライダー』を持ってくる展開に、ただただ心がとろけていた。
彼らは1曲ごとに、いろんな恋の世界へ観客たちを誘い、さまざまな恋の手練手管で誘いかける。えっ、どれが本当のあなたの恋する顔なの?と突っ込みたくもなるが、人は一つの恋をするごとに、何十、何百という、恋する心の表情を見せていくのも事実だ。曲が変わるごとに、いろんな視点から恋に溺れ、翻弄されていた観客たち。今宵のSHAZNAは恋の万華鏡を通して、いろんな恋の煌めきを見せては、一人ひとりのハートを恋の虜にしてゆく魔法をかけていた。
「参れますか?」「参る~!」のやりとりを合図に、ライブの後半は『SIGNAL』からスタートした。ふたたび攻めの姿勢に気持ちを切り替えた3人は、光降り注ぐような輝きに満ちた世界へ、チクッとしたスリリングな刺激も忍ばせて歌い奏でていた。彼らは人肌の温もりを持った歌声という包帯で、一人ひとりの心と心をきつく結び合わせていた。身体中に幸せが満たされていく。だから、ときめくこの世界で、もっともっとときめいていたくなる。
A.O.Iのギターの演奏が激しく火を吹いた。SHAZNAは『一角獣-モノケロス-』を凛々しく歌い奏で、たくさんの手の花が揺れる景色を作りあげていた。凛々しさと甘い香りが1曲の中で溶け合いながら、触れた人たちの心を乱し、熱狂という甘くて刺激的な宴の中へ導いていく。そのうえで…。
「ラスト参れますか?」「参る~!」と熱い声を交わし合い、気持ちを確かめあえた彼らは、最後に、終わらない夏の景色の中へ解けない魔法で閉じ込め、一緒に素敵な夏の恋を何度も、何度も塗り重ねようと誘うように『夏彩マジック』を歌い奏でていた。SHAZNAがかけるI LOVEの魔法がチクッとした刺激を与えるたびに、ハートがメラメラと燃え上がる。Halloweenという魔力が増した今宵に味わうI LOVEの魔法は、宴の場にいたみんなを、熱狂に燃え盛る気持ちのまま引き留め、喜びと興奮を味わい尽くす素敵な夏の恋人たちにしていった。SHAZNAと一緒に踏み出したひと夏の物語は、今宵も、いつものように眩しかった。
■ラストセッション ここで、MUCCのメンバーを一人ひとりステージに呼び入れた。SHAZNA×MUCCが一緒になって届けたのが、10月に配信リリースしたSHAZNA流Halloweenナンバーの『Beautiful Halloween Night』だ。「ギィ~ッ」ときしむ音の扉を開けた先に広がっていたのは、「Trick or Treat」と呼びかけながら、「みんなに悪戯しちゃうぞ」とはしゃぐモンスターたちが繰り広げた宴だった。6人のモンスターがかける魔法によって、この場にいる全員が無邪気な童心に戻り、彼らと一夜の宴に興じていた。とても華やかだ。でも、どこかスリリングで怪しい香りも漂う宴だ。IZAMと逹瑯が「くれっ!くれっ!」と、みんなのハートの熱を求めるように歌を交わしあい、重ねあう。A.O.Iとミヤも寄り添いながら演奏を繰り広げ、NIYとYUKKEも…と言いたいところだが、すでに体力の限界を迎えていたNIYは、しゃがみ込んだまま演奏していた。NIYに寄り添って演奏をするYUKKE。その関係性も微笑ましい。最後の最後まで彼らは、BeautifulなHalloween Nightを、LOVERSや夢烏(むっかー)と一緒に浮かれながら、はしゃぎ祭っていった。■2日目 KING・BugLug・YUKI-Starring Raphael・SHAZNAイベント■KING ヴォーカルRYOのソロ・プロジェクトとして活動しているKINGが、イベントのトップを飾って登場した。
「派手にいこうぜ、拳上げろ!」と煽るRYOの声に応えるように、フロアから多くの拳が突き上がり、荒ぶる声が上がり続ける。「さぁ、いこうかぁ!!」、その言葉が、衝撃を叩きつける合図だった。全身を音の鉄槌で殴るような衝撃をもって、KINGは『Sol ex machina』をぶち噛ました。RYOの雄々しき声が、魂を蹴り上げる。この場にいる全員をきつく抱きしめるように、RYOは歌っていた。だから、刺々しいながらも確かな愛を感じるその歌声に抱かれたくて、たくさんの手がフロアから上がっていた。
KINGは、さらに熱を抱いた思いできつく、激しく抱きしめるように『相愛感情期待値how?』を届けてくれた。曲を重ねるごとに、ハードエッジでスリリング、しかもアグレッシブなロックンロールの歌と演奏が、身体も気持ちも熱く騒がせる。会場には、早くも熱狂に包まれて一体化した景色が生まれていた。KINGのかけたロックンロールの魔法は、とにかく糞熱かった。だから、胸がずっと奮い立っていた。
次に届けたのは、IZAMからのリクエスト曲『神風ライダー』。RYOがこの曲を歌うのも、数年ぶりのことだった。バイクのチョッパーハンドルのように高く手を掲げ、KINGは最初から法定速度を無視し、スロットルを全開にして、雄々しいロックの衝撃を叩きつけてきた。気持ちが高ぶったなら、RYOと一緒に「神風」と叫びながら、モンスターたちが蠢く世界を、ハンドル(両手)を左右に振りながら、ともに駆け抜ければいい。場内で無数に群れるハンドルさばきの手の揺れる景色が、なんて圧巻だったことか。
気持ちを一気に眩しい太陽が降り注ぐ景色の中へ連れ出すように、スロットルをさらに吹かせ、暴走する勢いで、KINGは『just be myself』を演奏していた。感情を煌めいた世界へ連れ出す、最高に気分をハイにする楽曲だ。だから、RYOと一緒に歌いながら、速いビートに合わせて拳を振り上げて騒いでいたかった。
重いスラップベースの演奏から始まった『NANANA』でもKINGは、フリーキーでクレイジーなロックンロールをぶつけ、この場を「NANANA~」の合唱も起こる、お祭り騒ぎの場に染め上げていった。気持ちが騒ぐなら、荒ぶるビートに合わせ「NANANA~」と歌いながら飛び跳ねればいい。解き放たれた自由と熱狂という楽しさは、もう誰も止められない。
MCでは、「俺らも音楽のプロだけど、みなさんもフロアのプロなんですね」「出会ってすぐに好きになるなんて、もしかして初恋ですか?」と、RYOがノリの良い観客たちを褒めたたえていた。
「燃える世界で君を抱きしめ灰になるまで笑っていよう」と、ノンマイクでRYOが声を高らかに歌いだした。胸を熱く揺さぶり、熱愛した気持ちで心を一つにしていける『WE LOVE』だ。常連だ、初見だなんて関係ない。ただ、沸き立つ気持ちが騒ぐなら、RYOと一緒に高く掲げた手を叩きながら、「Wow Oh Wow Oh」と歌えばいい。音楽は、すぐに心と心を繋げ、途切れない絆で結んでくれる。今夜のような素敵な出会いが、この世界には確かにある。だからこの歌を、全力で思いをぶつけるRYO自身を、熱く騒ぐ心で抱きしめていたかった。
続く『Delight』でRYOは、エモーショナルな思いを詰め込んだ温かな歌声で、一人ひとりのハートを包み込んでいった。なんかすごく嬉しいんだよ。今、ここでKINGの音楽に触れて胸を高ぶらせ、嬉し涙が込み上げてくるような感覚でいられることが、とにかく嬉しかったんだ。
最後にKINGは、ふたたび熱を撒き散らすロックンロールの衝撃の中で一緒に弾け飛ぼうと、『NEVER END CRY』を激しく、高らかに歌い奏でてくれた。気持ちが騒ぐなら、その気持ちのままに騒げばいい。感動したなら、嬉し涙を流せばいい。そんな純粋無垢な気持ちでロックを、音楽の楽しさを、改めてKINGのライブを通して感じていた。
■BugLug さすが、遊び心満載のバンドマンが多く出演する「歌姫降臨」らしいと言うべきか。BugLugが最初に披露したのが、SHAZNAの『Melty Love』だ。一聖が「Melty Love 離さない」と歌い、ギターがお馴染みの旋律を奏でるのを合図に、フロアのあちこちで手の花が大きく揺れだした。原曲よりも少しテンポをアップしたBugLug流の『Melty Love』が、気持ちをきつく抱きしめる。フロアでも大勢の人たちが、情熱を満載にして届けるBugLugのドロドロにとろけそうな愛に、思いきり身を浸していた。
「一瞬で惚れさせてやるよ」と煽る一聖。この会場にいる人たち全員をモンキーダンスしながら上へ、上へ飛び跳ねさせたのが、『猿』だ。強烈なスラップベースの衝撃が、身体を熱く揺さぶる。一瞬で理性のストッパーを壊す、激しく跳ねるダンスロックの衝撃を身体中に浴びたおかげで、騒ぐ気持ちが治まらない。身体が熱を求めるなら、跳ねたビートに飛び乗り、「Oh Oh Oh Oh~」と歌いながら、一つ覚えの猿のようになってモンキーダンスを死ぬまで続ければ、それでいい。それこそが、熱狂ってやつじゃないか。
『THE DEAD MAN'S WALKING』でもBugLugは、さらに激しく唸る音を轟かせて、観客たちの身体を上へ上へと揺さぶり続けていった。ときに艶かしく絡みつくような刺激的な面も見せつつ、この曲でもBugLugは、観客たちから理性を奪い取り、「何度だって何度だって 這い上がるぜ」や「走れ 走れ 前へ走れ」と一緒に歌い叫びながら、荒ぶる衝撃で、フロアをずっと揺らし続けていった。
高く掲げられた両手。その光景に向かって、さらに刺々しい刺激と興奮を一気に注ぎ込むように、彼らは『知らぬが仏』をぶち噛ましてきた。荒々しく躍動する演奏に合わせて、フロアでも、高く掲げられた数多くの手がビートに合わせて勢いよく左右に揺れ続けていた。さぁ、BugLugに煽られるまま、一緒にシンガロングしながら祭り上がればいい。今宵のこの場は、モンスターたちが集う宴の場なのだから。
続く『しこたま』では、一聖の動きとシンクロするように、大勢の人たちが同じ振りをしながら暴れ騒いでいた。サビで起きた横モッシュの光景も圧巻だ。一聖も言っていたが、常連も初見も関係ない。この場に一緒にいるだけで頭の螺子が緩み、BugLugの繰り出す激烈な音の刺激に煽られるまま、全力ではしゃいでいたくなる。それこそが、楽しむという行為の正解だ。フロア中の人たちが感情のキャパをオーバーしながら、両手を高く掲げて左右にモッシュしていた。その光景が、なんて圧巻だったことか。
後半のライブでも、BugLugのライブはさらに熱狂と狂喜を増していく。フリーキーでヒステリカルな旋律も印象的な『BUKIMI』でも、BugLugが叩きつけるロックロールの衝撃を全身に浴びた観客たちが、頭を振り乱し、身体を折り畳み、高く、高く飛び跳ねていた。気づいたら、熱狂のその先のゾーンに気持ちも身体も踏みこんでいた。ほんと、そんな気分だ。
「もっと暴れていこうか」、さらに高速化し、攻撃性を増した激メロナンバーの『ギロチン』を、BugLugはぶち噛ましてきた。誰もが猛り狂う演奏と気持ちを重ね合わせ、狂ったように頭を振り乱していた。BugLugよ、この身体も意識も真っ二つに切り裂くほどの衝撃の魔法をもって、人としての意識をすべて消し去ってくれ。そんな気持ちに染まるほど、熱狂に溺れ、ずっと狂っていたかった。
BugLugは最後にぶつけた『Original Not Found』で、この場にいる全員を狂い騒ぐモンスターに変貌させた。身体を殴りつける演奏に合わせて頭を振り乱し、熱狂に落ちてしまえば、それでいい。BugLugは最後まで熱狂した空気を作り続け、この場を熱の渦巻く空間に高めていった。
■YUKI-Starring Raphael 『シナゴーグ前奏曲イ短調~第一楽章~』がSEとして流れ始めたとたん、時空が歪み、意識があの頃へと一瞬にして揺り戻された。これもHalloweenの一夜にYUKIがかけてくれた、素敵な魔法なのかもしれない。
YUKIのライブは、Raphaelのメジャーデビュー曲『花咲く命ある限り』から幕を開けた。イントロに触れたその瞬間に、涙腺が崩壊した人たちもいただろうか。激烈なギターの音が轟くのを合図に、楽曲は凄まじい勢いで駆けだした。聖母のように美しく、深みがあり、すべての感情を抱きしめて昇華するように響くYUKIの歌声に心を癒やされながら、でも、凄まじい唸りを上げて爆走する演奏に、身体はずっと激しく揺さぶられていた。一つひとつの言葉に深い想いを込めて歌うその声が、身を燃やし尽くしながらも、心をギュッと温かく抱きしめていた。
「盛り上がっていきましょう、みなさん」。YUKIの煽りへ応えるように、フロアからも声が上がり続ける。YUKIは『症状3. XXX 症』でも、爆走する演奏の上で、透明感のある、しかも深みを持った声を響かせ、観客たちを熱狂の渦の中へと巻き込んでいった。一度触れたら虜になって離れられなくなる魔性のローレライのように、YUKIの朗々とした歌声が、観客たちの心をギュッと抱きしめては、嬉しく締めつけていった。途中、メンバー紹介を兼ねたそれぞれのソロ演奏も組み込みつつ、美しい衝撃がずっと心を揺さぶり続けていった。それにしても、なんてドラマチックな楽曲だ。改めて、その完成度の高さに、熱狂しながらも聴き惚れていた。
MCでは、この日のために総額12万円を投じて購入したチャイナドレスを着て、IZAMの仮装をしたことを語っていた。さらにRaphael時代、日本武道館公演の前日に、華月の提案によって、春の季節に合わせたピンクヘアーに染めようと美容室に行ったところ、IZAMとLUNA SEAのSUGIZOと偶然に遭遇した。しかも、みんなピンクヘアーに染めていた想い出も語っていた。
次に届けたのが、Raphael時代も演奏していたとはいえ、カバー曲の『タッチ』が披露されたのは驚きだった。何でもあり、何が飛び出すかわからない今宵だけに、YUKIがIZAMのハートにタッチしようとこの曲を選んだのでは?なんて、つい、うがった見方もしてしまいたくなる。この曲でも攻撃的な演奏が得意な楽器陣が、刺激的な演奏を繰り出し、YUKIと一緒に観客たちのハートに熱狂のタッチならぬ、熱を抱いた掌でハートを鷲掴みにしていった。
「飛ばしていきましょう、みなさん。すべてをさらけだせ!」。さらに攻撃性を増すように、YUKIは『Gebet~祈り~』を叩きつけた。YUKIの煽りに興奮した観客たちが、高く掲げた拳を振り上げる。凄まじい勢いで爆走する演奏の上で、朗々と歌い上げるYUKI。フロアでは、観客たちがずっと身体を小刻みに揺らしていた。今はただ、YUKIと一緒に頭を揺らし、大きく両手の花を咲かせて、舞い狂えば、それでいい。
あっという間に後半だ。『evergreen』の印象深いギターの旋律が響き出したとたん、場内から心が沸き立った火声が上がった。胸をときめかせ、眩しい青春の景色の中へ呼び戻す『evergreen』に触れている間、誰もが無邪気な少女や少年に戻って、ハートを薄紅色に染めていた。YUKIの届ける言葉の一言ひと言が、気持ちを無垢な自分に戻していく。今はただ、YUKIの歌に心を預けたまま、掲げた手を揺らし、熱狂の虜になってしまえばいい。左右に動くYUKIと一緒に、心地よくステップを踏みながら横モッシュして、はしゃげばいい。
『eternal wish~届かぬ君へ~』のイントロの旋律が鳴り響いたときにも、フロアの一部から嬉しい悲鳴のような声が上がっていたのが嬉しい。今宵のこの場は、現世を忘れさせる異空の地。YUKIはこの曲を歌いながら、久しく会っていなかった親友と会えたのだろうか。ここにいる人が、同じ人を思い浮かべていたかもしれないし、その人にとっての大切な君のことを思っていたかもしれない。今宵は、この曲が鎮魂歌のように響きながらも、愛しい人へ向けた、本心を綴った手紙のようにも胸に響いていた。終わりに「目が覚めたなら~」と生声で、しかもYUKIは独唱していた。その愛に満ちた声が、心を濡らしていった。
最後にYUKIは『夢より素敵な』を歌い、ここにいる一人ひとりの心を幸せな笑顔に染め上げ、無邪気にはしゃぐ少女や少年の姿に巻き戻していった。YUKIと一緒に両手を高く振り上げ、咲かせた手の花をずっと揺らしていたい。今はただ、この幸せな時間をお腹いっぱい味わっていたい。この喜びと楽しさと笑顔を、ずっと消えない想い出にして、また明日から始まる現実に向き合おうか。YUKIがRaphaelの歌で満たした心は、当分減ることはないのだから。ほんと、夢より素敵な夢を見せてもらえたひとときだった。
■SHAZNA IZAMの歌声を合図に始まったのが、『愛飢エテ尚、キミヲ想フ。』だ。トリを飾ったSHAZNAのライブは、意外性のある形で幕を開けた。むしろ、復活以降はとくに、少し歪んだ愛でLOVERS(SHAZNAファン)を虜にしてきたSHAZNAらしい始まり方なのかもしれない。そうそう、今宵もSHAZNAは、LOVERSの期待を裏切らない仮装姿で…いや、前夜以上のインパクトを放ちながら登場していた。胸をうずかせるように歌い奏でた『愛飢エテ尚、キミヲ想フ。』を通して迷宮の扉を開けたSHAZNAは、怪しげなHalloweenの一夜へ観客たちを誘っていた。とろけそうな甘さに、チクッとした刺激も加えながら、今宵も3人は、観客たちのハートをギュッとつかんでいった。
そこへ『Melty Love』を持ってきた展開に、胸が躍った。前夜も、今夜も、序盤に『Melty Love』を持ってきたことで、LOVERSはもちろん、他のバンドのファンたちのハートもがっちりとつかみ、しっかりとろけさせていった。IZAMが「離さない 離せない」と歌う声に向けて、場内中でたくさんの手の花が揺れていた。さらに、IZAMと一緒に観客たちが「Melty Love×3」の合唱を重ねていく。いろんな人たちのハートを一瞬にして一つに結びつける。ほんと、心をとろけさせる魔法に満ち満ちた楽曲だ。それにしても、NIYは本当に演奏しづらそうな姿だった。
MCでは、IZAMが出演者たちへの感謝の想いを述べつつ、やはり今宵もIZAMとNIYがコミカルな言葉のやりとりを交わしていた。NIYは、前日はシマウマの格好をしていたが、それをアレンジし、この日は牛になっていた。しかも、模様の一部が北海道の形になっていたところもポイントだ。
次に届けたのが、前日にライブで初披露した、11月11日に配信リリースされる『桃玉-Tougyoku-』だ。とても荒々しく、感情を蹴り上げるような曲調であり、IZAMの吐息のような声も印象に残る楽曲だ。荒々しいジャングルビートに乗せてNIYのベースが低く唸れば、A.O.Iのギターが繊細な旋律を刻みだす。IZAMも、ときに妖しく挑発しつつ、ときに声を唸らせ、高ぶる思いを、荒々しく疾走する演奏に乗せて朗々と歌い上げていた。『桃玉-Tougyoku-』、これからのSHAZNAのライブに熱狂の景色を導き出す楽曲になっていきそうだ。
A.O.Iのクリーンなロングトーンのギターの旋律が、観客たちの意識を甘く酩酊させる。『Sweet Heart Memory』を通してIZAMは、この場にいる人たちが揺らす手を、みずからの歌声の手で恋人繋ぎするように結びながら、甘いひとときに導いていった。この曲では、NIYに寄り添うようにギターを奏でるA.O.Iの姿もあった。演奏が進むごとに、互いの気持ちが深く、深く繋がりあい、永遠にほどけない恋に落ちていきたい気持ちに染まっていた。IZAMが「笑って」と歌いかけるたびに、つい笑みを浮かべてしまうのは、この曲と彼らの魅力に惚れてしまったから?!
そのうえで、ひと夏の素敵な恋の想い出をよみがえらせるように、SHAZNAは『飴色サマーライダー』を通して、甘くて淡い青春の景色へみんなを連れだしてくれた。恋の形はさまざまなれ、彼らがいろんな恋物語を通して心の機微を見せてくれるからこそ、曲ごとに描かれる恋の景色の中で、さまざまな感情に浸り続けていたくなる。たとえ切なく悲しい恋心でも、ロマンチックな恋の想いの景色にして胸に焼きつけるところもSHAZNAらしい。
「参れますかっ!」「参る!」のやりとりを合図に、後半は観客たちを妖しく、激しく、ときに艶かしく刺激するように、ジャジーなビートも胸を躍らせる『LOVE BANQUET』から始まった。少し強気な感情に染め上げたIZAMが、観客たちを刺々しく挑発する。その刺激に溺れ、心を縛られるように身を委ねる人から、攻められながら身体を小刻みに揺らす人もいるなど、反応はさまざまだったが、誰もが汗ばむ身体を3人に預けていた。
ここで、A.O.Iのギターが火を吹いた。SHAZNAは、ここから熱狂の景色を一緒に描きだそうと『一角獣-モノケロス-』を歌い奏で、この場に、たくさんの手が揺れる景色を描いていった。今はただ、熱を増し続けるこの空間の中、荒々しいビートに合わせて身体を揺さぶれば、それでいい。
最後にSHAZNAは、今宵も、この場にいる人たちを夏景色の中に招き入れ、改めて一緒にひと夏の想い出を作ろうと、『夏彩マジック』を通して、止まらない魔法をかけてきた。胸をくすぐり、最強に心をときめかせてくれるサマーチューンだ。この曲に触れるたび、一緒にはしゃぐのはもちろん、解けないILOVEの魔法にずっと浸っていたくなる。だから今宵も、SHAZNAが描きだした夏の景色の中で、胸をときめかせながら、彼らと一緒に笑顔ではしゃぎ続けていた。
■ラストセッション IZAMが、RYO、一聖、YUKIを呼び入れた。ここからはSHAZNAのHalloween Song『Beautiful Halloween Night』をセッションするコーナーへ。IZAMを含む4人の歌姫たちが、観客たちに「Trick or Treat」と魔法の言葉を投げかけた。モンスターのようなホラービートに乗せて歌う4人が「くれっ くれっ」と呼びかけるたびに、薄紅色に染まったハートを捧げたくなる。この日はIZAMの歌を中心に据え、みんなで「くれっと くれっ」と歌い、サビでは歌声を重ね合わせていた。モンスターどころか、ビューティフルな歌い手たちが共演する姿に触れている間、ずっと魔法がかかったように彼らを見つめ、頬を赤らめ続けていた。
ほんと、今年も刺激的で夢にあふれた「歌姫降臨」の宴だった。来年は、どんな仲間たちと、どのような胸をときめかせる宴を繰り広げてくれるのか、今から楽しみにしていたい。photo by Lestat C&M Project
文:長澤智典