THE QEMISTS インスト・バンドにヴォーカルとMCが加入!新作で打ち出された強いメッセージ

ケミスツ(UK)   2016/05/18掲載
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 2015年にはKOЯNじきじきの指名によりツアー・サポートを務めるなど、ライヴ・バンドとしてさらなる成長を遂げたケミスツが、前作からじつに6年ぶりのアルバム『ウォーリアー・サウンド』をリリースした。ヴォーカルとMCを正式メンバーとして迎え、よりメッセージ性の強くなった楽曲は、いわゆる享楽的なEDMサウンドとは一線を画す仕上がり。日本が誇るメタルコア・バンド、CrossfaithのKenta Koie(vo)が参加したことでも話題を集めている。来日中のオリ(vo)、リアム・ブラック(g)、そしてダン・アーノルド(b)から話を聞いた。
――この6年でEDMが一気に台頭しました。ケミスツとしては、そんなシーンとの距離の取り方に悩まされた部分もあったのではないですか?
リアム 「難しかったよ。EDMの台頭は、ダンス・ミュージック全体にとってはもちろんいいことだと思う。僕らにしても、もともとドラムンベースのようなスタイルから始まっているところがあるし、(EDMから)完全に離れることはできなかった。実際、そういうサウンドを意識しながら曲を書いてみたりもしてみた。でもやっぱり、あまりしっくりこなくてね。自分たちがそれを心からエンジョイしていないことに気づいたというか。スクリレックスのような、本当に才能のあるアーティストたちの音楽を聴いて楽しむぶんには良かったけど、自分たちが深入りすべきではないというのは強く感じたね。今振り返ってみても、それは正解だったよ」
――今作から、新たにヴォーカリストとMCが加入しました。この経緯は?
ダン 「今回のアルバムでは、メッセージ性を強く打ち出したかったんだ。オリとブルーノ(MC)が歌詞を書くことによって、インスト・バンドだったこれまでよりも、言いたいことが明確になったと思う。たとえば曲名を見ただけでも、何を言いたいのかすぐわかるだろう? 以前から僕らは、ポリティカルとまではいかなくても、メッセージ性のあるものが作りたかったんだよね。自分たちが心から好きなのは、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのようなメッセージ性を強く持ったバンドが多いしさ。ただ、享楽的なダンス・ミュージックと、メッセージ性の強い歌詞を結びつけるのは難しいんじゃないかと思って今まで敬遠してたんだよね」
リアム 「メッセージ性が強くなっただけでなく、今回は曲の書き方も変わったよ。メロディがあって、コーラスがあって、コード進行があって、というような、より伝統的な曲の作り方をしている。それもこのエモーショナルな作風に影響していると思うな」
――それは興味深いですね。“メッセージ性”とは、たとえばどんなことを訴えたいと思いますか?
オリ 「誰かにコントロールされていると感じたとき、何かに抑え付けられているとき、“NO!”を叫んで立ち上がってもいんだ、っていうふうに、オーディエンスの背中を押してあげる歌詞が多くなった。“自分が正しいと思うことを貫き通すためには、ときには抗う必要もあるし、そうする権利は誰にだってある”ということを伝えたいと思っているよ。最近はイギリスも暮らしにくくなってきて、貧富の差も深刻なほど激しくなってきている。人々の声を政府がきちんと吸い上げないのも問題だよね」
――メンバー同士、普段からそういうディスカッションはしているのですか?
リアム 「リハーサルのときなど、Twitterなどを流し読みしてて、何か引っかかるトピックがあるとそれについてディスカッションすることは多いよ。ソーシャルメディアが発達したことによって、これまで知りえなかった情報を多くの人とシェアできるようになった。そのおかげでメンバーと話す話題も増えたね(笑)」
photo: ©Yosuke Torii
――新メンバーであるオリやブルーノに、今後期待することは?
ダン 「その人が本来持っている資質を、そのままバンドで活かせるのが理想だよね。幸いオリともブルーノとも、そういう関係性を築けてる。長いことこのバンドに対して、パズルのピースが欠けているように感じていたのが、2人の加入によってようやく(パズルが)完成した気分だよ。これからも、とくにこちらから期待していることは何もないな。やりたいことを、やりたいようにやってほしい」
オリ 「長い歴史を持ったバンドなのに、そんなこと関係なく僕らをすぐチームとして受け入れてくれたのは、本当にありがたいことだと思ってる。ずっとバンドのフロントマンになりたいと思ってたから、最高の形で夢が叶ったことを、とても誇らしく感じているんだ」
――では最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
リアム 「デビュー当時からずっとサポートしてくれた日本には、いい思い出がたくさんある。6年もインターバルがあって、ひょっとしたらファンもいなくなってしまったんじゃないかって不安だったけど(笑)、変わらず僕らを迎えてくれて、とても嬉しいよ」
ダン 「たとえほかの国の公演をすべてキャンセルしたとしても、日本では演奏したいって本気で思っているよ(笑)!」
取材・文 / 黒田隆憲(2016年4月)
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