e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活 - [こちらハイレゾ商會] 第38回 「オーディオ小僧のいい音おかわり」出版記念、第3回株主総会
掲載日:2016年11月08日
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こちらハイレゾ商會
第38回 「オーディオ小僧のいい音おかわり」出版記念、第3回株主総会
絵と文 / 牧野良幸
 先日、ハイレゾ商會の名物(と言っていいだろうか)“株主総会”を開いた。第3回目となる今回は9月に発売された拙書「オーディオ小僧のいい音おかわり」出版記念として、前半は本で取り上げたハイレゾを選んた。後半はここのところ気になったハイレゾを選んだ。
リンダ・ロンシュタット
「ジャスト・ワン・ルック」


『Just One Look:Classic Linda』収録

 最初の曲は“歌姫”リンダ・ロンシュタットのハイレゾだ。これはベスト盤から選曲。79年の『ミス・アメリカ』に収録されていたドリス・トロイのカヴァー曲である。当時、邦楽のレコードばかり聴いていた兄貴が、なぜか洋楽のこのレコードを買ってきた。それをコソっと聴いて発見したのがこの「ジャスト・ワン・ルック」だ。いい曲だなあと思った。ハイレゾで軽快なイントロがより伸びやかに始まる。
岩崎宏美
「キャンパス・ガール」


『ファンタジー[+7]』収録
(1976年)

 次は岩崎宏美の2ndアルバム『ファンタジー』から。シングルではなく、アルバムのみ収録のこの曲を知っている方は間違いなく宏美ファンである(笑)。『ファンタジー』はディスコ調にまとめられた傑作と思うが、そこは歌謡曲、どうしても歌謡曲テイストが入ってしまう。しかしこの曲だけはヴァン・マッコイさながらの洋楽ディスコとなっている。阿久悠と筒美京平による隠れた名作と思う。アルバムでは日本のDJの先駆者、糸居五郎さんの喋りが入っているのが特徴であるが、今回聴いてもらったのはボーナス・トラックのMCなしのヴァージョンである。
もとまろ
「サルビアの花」


「サルビアの花」収録
(1972年)

 懐かしいPOPCONのハイレゾである。e-onkyoではPOPCONのヒット曲が1曲単位で配信されている。好きな曲を購入してアルバムを編むのもいいと思う。この「サルビアの花」は今で言うところのストーカーとも思える男心を歌っている。しかしメロディはいいし、ヴォーカルはいいし、コーラスもいいしで、初めて聴く方は歌詞どころではないと思う。聴けば聴くほどに、極上の曲になっていく。
マーヴィン・ゲイ
「Since I Had You」


『I Want You』収録
(1976年)

 本作には女性のあえき声が入っていると『オーディオ小僧のいい音おかわり』に書いた。でもそれは冗談のようなもので、たいしたあえぎ声ではないからご安心を(それでも家族の前では聴けないだろうが)。あえぎ声がらみでこの曲を選んだが、メロディはいいし編曲もカッコイイ。さすがマーヴィンという曲だ。ほかにもいい曲がたくさん入っていて、個人的には『ホワッツ・ゴーイン・オン』よりも聴いているアルバムだ。
坂本 九
「上を向いて歩こう」


『ハイレゾ x ベスト 坂本九』

 ここで九ちゃんである。小学生の頃は当たり前のように口ずさんでいた「上を向いて歩こう」であるが、最近はこの曲を聴くとジンとくるようになってしまった。お迎えが近いのではないかと思うくらい(笑)。アルバムには「見上げてごらん夜の星を」や「明日があるさ」「涙くんさよなら」など、これまた懐かしい曲が入っている。
キース・ジャレット
「Koln, January 24, 1975, Pt. II C」


『The Koln Concert』収録
(1975年)

 前半最後はキース・ジャレットの『The Koln Concert』。しばらくe-onkyoのランキングで1位を独占したハイレゾである。僕も当時『The Koln Concert』は友人から録音してもらったカセットで聴き込んだ。ECMのレコードということで、奮発してTDKのクローム・カセットSAを使用した。じつのところ『The Koln Concert』はアナログ・レコードもCDも聴いたことがなく、ずっとカセットの印象でここまで来たのであるが、ハイレゾは音がスムーズに伸びていい音になったと思う。
マイケル・ジャクソン
「今夜はドント・ストップ」


『Off the Wall』収録
(1979年)

 ここから後半である。ここのところ気になったハイレゾを選んでみた。今年はマイケル・ジャクソンの『Off the Wall』がハイレゾでリリースされたのがちょっとした事件だった。マイケルのヴォーカルもいいが、クインシー・ジョーンズのサウンドが高音質で聴けるのがいい。人から「いい音のハイレゾは何ですか?」と訊かれるたびに、最近はこのアルバムを挙げることにしている。
バーブラ・ストライサンド
「Being at War with Each Other」


『The Way We Were』収録
(1974年)

 次にかけたのはバーブラ・ストライザンドの1974年作『追憶』である。もちろん大ヒット曲「追憶」を聴きたくて、このハイレゾを聴き始めたのだったが、1曲目でノックアウトされてしまった。それがこの曲である。イントロを聴いただけで“当たり”と思ってしまった。もちろん、このあと始まる、うねるようなバーブラのヴォーカルもいい。
ノラ・ジョーンズ
「トラジェディ」


『Day Brakes』収録
(2016年)

 次は新録音のハイレゾを聴いてもらった。最近は新録音がCDと同時にハイレゾ配信されるケースが多い。ノラ・ジョーンズの新作もハイレゾでリリースされた。この曲はギルバート・オサリヴァンの「アローン・アゲイン」を思わせるワン・フレーズが聴きどころではあるまいか。しかし繰り返し聴くほどに、似ているという思いはほぐれていく。そしてノラ・ジョーンズのオリジナル曲として大好きになるのである。
はっぴいえんど
「春よ来い」


『はっぴいえんど』収録
(1970年)

 ここからは邦楽である。はっぴいえんどの2枚のアルバムがハイレゾ化されてもう2年近くになる。オリジナルが発売された70年代には、日本のロックのレコードは迫力で洋楽に負けると思っていたものであるが、ハイレゾで聴くと“ロックしてる!”と思うこと間違いなし。バッファロー・スプリングフィールドのテイストが伝わりそうである。作詞は松本隆、作曲は大滝詠一である。
松田聖子
「風立ちぬ」


『風立ちぬ』収録
(1981年)

 続いてこれも松本隆と大滝詠一の作品。同じコンビでも「春よ来い」から11年後にはこんなサウンドとなる。ハイレゾではナイアガラ・サウンドが全開だ。前回「“ナイアガラ・サウンド”が怒濤に流れるハイレゾ・プレイリスト」というエッセイを書いたが、じつのところ、そのプレイリストを今回の“株主総会”で聴いてもらうのもいいかと思っていた。まあ、それはやめたわけだけれども、プレイリストはすごいものがあるので、もし興味のある方はやってみてほしい。
シュガー・ベイブ
「DOWN TOWN」


『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition- 〈2015 REMIX〉』
(1975年)

 最後は大滝詠一のナイアガラ・レーベルからの1stレコード。シュガー・ベイブの『SONGS』が今年ハイレゾ配信された。スペックが48kHz / 24bitということで、ハイレゾ・ファンとしては最初不満に思ったが、e-onkyoに掲載されたマスタリング・エンジニアさんのインタビューを読むと、山下達郎本人が「96kHzはきれいだけどロックンロールじゃない」と思ったことで、48kHzになったという。“スペックが高い”ということと“その音楽にふさわしい、いい音”とは違うのだと知った。実際、この音を聴くとガッツがあっていい。
 以上が第3回株主総会のプレイリストである。本当はほかにも聴いてもらいたいハイレゾがあったが断念した。ハイレゾのタイトルは増える一方で、第1回のときタイトル選びに苦労したのが嘘のようである。また第4回株主総会も開けたらと思う。お楽しみに。
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