Lucinda Chua 2023/01/25掲載(Last Update:23/02/15 19:16)
英サウス・ロンドンを拠点とするシンガー・ソングライター / プロデューサー / マルチ奏者の
ルシンダ・チュア(Lucinda Chua)が、名門「4AD」より1stアルバム『YIAN』を3月24日(金)にリリース。同作より新曲「Echo」が日本語歌詞字幕付きのMVとともに公開されています。
滋味豊かで深い癒しを与えてくれる歌声とチェロを駆使した深淵なアンビエント〜ドローン・サウンドで
FKAツイッグスから
ザ・シネマティック・オーケストラまでを魅了する孤高の才能、ルシンダ・チュア。自身でプロデュースとエンジニアリングを手がけた本シングル「Echo」は、センシュアルな反響のハーモニーと繊細なソウル調のピアノが印象的で、彼女独特の親密さと異世界のようなサウンドが堪能できる仕上がりです。
今回公開されたビデオは彼女が中国舞踊を徹底的に学んだ後、映画監督のジェイド・アン・ジャックマンと、ムーブメント・ディレクターのチャンテル・フーと協力して制作されたもの。中国の扇子の舞や中国武道への感動的で革新的なオマージュであり、感情が季節のように移り変わる様子を描く、内省的な旅路となっています。
アルバム・タイトルの『YIAN』は中国語でツバメ(燕)を意味し、彼女の両親が中国人としてのつながりを保つためにチュアにつけた名前「Siew Yian」の一部でもあります。ツバメという渡り鳥のように、自身もバックグラウンドであるイギリス、マレーシア、中国の文化の狭間で生きているチュア。母国語である中国語が話せない彼女にとって、音楽は言葉では言い表せない自分の一面を表現する方法となり、『YIAN』は癒しの手段として浮上したとのこと。ほぼ全曲のプロデュースとエンジニアを自ら手がけ、クリエイティブな表現を完全なまでに具現化した本作は、アルバムというよりも世界観であり、ルシンダが生涯をかけて、自身の経歴やアイデンティティと和解する中で磨きあげられた、自己の存在を学び、明らかにするための姿勢であるといえます。
Photo by Nhu Xuan Hua