第1弾『荒野の千鳥足』、 第2弾『SCUM / スカム』と、日本中の映画ファンを釘づけにした“今まで一度も日本に紹介されてこなかった世界の驚愕の映画を上映する”企画、〈初公開! 世界のどす黒い危険な闇映画〉(
yami-movie.com/)。続いては、第3弾としてピーター・ワトキンス監督作『懲罰大陸★USA』(原題: PUNISHMENT PARK)が8月29日(土)より、そして第4弾は
ニール・ヤング監督・主演、
DEVO出演の『ヒューマン・ハイウェイ(ディレクターズ・カット版)』(原題: HUMAN HIGHWAY)が9月12日(土)より、東京・新宿シネマカリテで上映されます。
『懲罰大陸★USA』は、『The War Game』(1965年)でアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞、日本では『傷だらけのアイドル』(1967年)で知られる、BBC出身のイギリスの映像作家ピーター・ワトキンスの超問題作。70年のケント大学でのベトナム反戦デモ学生射殺事件をきっかけに製作されたというその内容は、――1970年、ベトナム反戦運動の激化を背景に、ニクソン大統領はマッカラン国内治安維持法を発令、アメリカ政府は反政府的・危険分子とみなした者たちを拘束し、カリフォルニアにある「ベアーマウンテン国立お仕置公園」にて人間狩りの標的にして処刑する――という“フェイクドキュメンタリー”スタイルによるもの(一切のコメディ要素なし)。
カンヌ映画祭を経てニューヨークでの公開時、国家による暴力を告発したそのあまりの衝撃的内容により米国メディアは即反応、圧倒的な批判と総攻撃を浴び、これにより劇場は4日間で公開を打切り、以後闇に葬られたとか。本作のテレビ放送を一度検討したハリウッドのプロデューサーは「本作を放送すれば5分で国家権力が乗り込んでくる」と発言、またPBS主催のセミナーに参加した全米のテレビ局の面々は「どんなことがあっても本作をアメリカのテレビで放送出来ることはない。永遠に放送しない」とコメントしており、その言葉通り今まで一度も放送されていないとか。
そして、ニール・ヤングが300万ドルの自己資金を投じ製作した『ヒューマン・ハイウェイ(ディレクターズ・カット版)』。――DEVOのメンバーが働いている廃棄処理場のある街。ボブ・ディラン「風に吹かれて」を歌えないほど放射能で汚染されている中、主人公の自動車修理工が夢の中でネイティヴ・アメリカンと一緒に歌ったり、コンサートを開くも、最後には原発事故で地球が終わってしまう――。ニール・ヤングは本映画をきっかけに、DEVOの
マーク・マザーズボウの助言と影響によりアルバム『RUST NEVER SLEEPS』(1979年)を発表、その中でも永遠に残る代表曲となった「Hey Hey, My My」を本作ではニール・ヤング&DEVOで激烈にパフォーマンスしています。初公開は1982年だが、2014年のトロント映画祭にて突如ディレクターズカット版が登場。今回がめでたく日本初公開となります。
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