「Lucky(The Oldest Grave)」「Rabbit Hole」「Alligator」、そしてアルバム中盤に収録されている「Paprika」などが映画の鍵を握る重要なシーンのサントラと言える一方、ミニマル・ジャズな「Murmurs」、サイケデリック・フォークな「Street Clams」、そして極めて優美でロマンチックな「All That Love In Your Heart」といったインストゥルメンタルの楽曲はそれらの合間のシーンのムードやテーマといったものを切り替えたり、つなげたりする役割を持っています。さらに、あらゆる場面で登場する謎めいたナレーションは、物語に明瞭さと曖昧さを与え、まるで微かに外界から漏れ聴こえるサントラにのせてみずからの深い考えを述べるモノローグのようです。