BEYOOOOONDSが、6月9日に東京・日本武道館で〈BEYOOOOONDS CONCERT 2025 SPRING 〜Take Me Out To The BUDOOOOOKAN!「Treasury Island」〜〉を開催しました。この公演は5月10日からスタートした全国5会場9公演を巡るツアーの千秋楽であり、メンバーの
島倉りかにとっては卒業コンサートとなります。
島倉りかは、2017年に
ハロプロ研修生に加入し、2019年にBEYOOOOONDSのメンバーとしてメジャー・デビュー。グループ活動をしながらこよなく愛する昭和歌謡に関する仕事などもしていましたが、英語を学び視野を広げるために留学すること、その後は昭和歌謡やポップスを歌っていくことを決意し、グループおよび
ハロー!プロジェクトからの卒業を今年1月に発表していました。
現体制では最後となるコンサートを目に焼き付けようと、約1万人のファンで超満員となった日本武道館。サイド席や立ち見のチケットが出るほどの大盛況で、公演の模様はCSテレ朝チャンネル1での生中継、全国66館と台北の映画館でライヴ・ビューイングも行われました。
[ライヴ・レポート] 今回のツアーは“舞踏室”“ダンスホール”を意味するボールルームがテーマとなっており、シャンデリアや馬車などで華やかに飾りつけられたステージもファンの期待を煽る中、小林萌花がひとりで現れる。ピアノで「Take Me Out To The Ball Game」を弾きはじめると、優雅な雰囲気の中でメンバーがステージに揃い、美しく重なるハーモニーが印象的な「Oh!カンターレ」からライブがスタート。
続いて「恋する銀河」を披露すると、「こんにちは!BEYOOOOONDSです!」と全員で挨拶。里吉うたのは「私たちが絶対に楽しませるので、1秒たりとも目を離さずに観てくださったら嬉しいなと思います」と満員の武道館を見ながら改めて意気込み、島倉は「ライブに来てよかったなと思ってもらえるように精一杯頑張りたいなと思います。一人ひとりの方に届くように、しっかり一曲一曲を届けます」とラストライブへの思いを語る。
高瀬くるみが「りかがいる、10人のBEYOOOOONDSでお届けする最後のコンサートでございます。最後まで一緒に楽しんでいきましょう!」と話すと、「英雄〜笑って!ショパン先輩〜」へ。そのまま小林のピアノソロがスタートしたかと思うと、高瀬の語りとともにある恋の物語が始まる。「恋のおスウィング」では、島倉と岡村美波が「眼鏡の男の子」の曲中キャラクターであるお嬢様風のお嬢様に扮し、馬車に乗って登場。島倉が前田こころ演じる眼鏡くんに失恋したかと思いきや、平井美葉が演じる男性との出会いを遂げる。続く「Never Never Know〜コメ派とパン派のラブウォーズ〜」では、米派かパン派かで二人の関係に亀裂が生じ、曲終わりにはパンとともに「最後にパン焼いておきました…さようなら。」と書かれた平井からの置き手紙が入った炊飯器が登場。
さらにグループ内ユニット・雨ノ森 川海の「循環」、CHIKA#TETSUの「二年前の横浜駅西口」、「マイ・ファースト・ピアス」、SeasoningSの「ワタシと踊りなさい!」と、二人の思い出や葛藤が楽曲のストーリーを通して描かれ、音楽とともに寸劇も突き詰めてきたBEYOOOOONDSにしかできない世界観にファンものめり込んでいく。今年3月にリリースされた島倉のソロ曲「泡沫ライラック」では前を向いた心情を、そして「7年バンジージャンプ」の間奏では高瀬の「眼鏡くーん!」のセリフを島倉が横から奪い、ファンも大盛り上がりの中、物語は大団円を迎える。
幕間の映像が終わると、平井と里吉が自ら考えたダンスで会場を熱くし、DJブースでは岡村と清野桃々姫がさらに客席のテンションを上げ、怒涛のパフォーマンスがスタート。繰り返すフレーズが癖になる「Do-Did-Done」から、お奉行様・高瀬と町娘・清野のやり取りがユニークな「恋愛奉行」、「涙のカスタネット」では客席とともにカスタネットで激しくビートを刻む。「フレフレ・エブリデイ」では会場がハッピーな雰囲気で満たされ、「Go Waist」では天井から現れたタオルを手にした江口紗耶の先導のもと、タオルを回しながら会場がひとつになっていく。
熱気に満たされた客席に向けて、西田汐里が「みなさん、楽しんでますかー?」と呼びかけると、割れんばかりの歓声が。そのままファンとともにコール&レスポンスを楽しみ、西田の「BEYOOOOONDSってアツいですかー?」の問いかけから「アツい!」がスタート。清野のトークボックスが印象的な「Hey!ビヨンダ」、ファンキーでパワフルな歌声を堪能できる「虎視タンタ・ターン」にコーラスやフェイクが心地よい「灰toダイヤモンド」を披露し、会場のボルテージは最高潮に。「ニッポンノD・N・A!」の間奏では島倉が「このステージから見える景色、一生忘れません!」と叫び、メンバーの里吉が振り付けを手掛けた「あゝ君に転生」で本編は終了。
アンコールでは島倉のメンバーカラーであるラベンダーのペンライトでいっぱいの客席に「りかちゃん」コールが響き渡る中、ステージにはオフホワイトにラベンダーカラーをあしらったドレスを着た島倉が登場し、手紙を読み始める。
BEYOOOOONDSのメンバーには「人生でこんなにかけがえのない存在に出会うことができてよかった」と伝え、ファンに向けては「みんなと出会って、こんなにあたたかい愛のカタチがあることを知りました。いつも味方でいてくれるみなさんの存在に何度も助けられてきました」と感謝を述べる。さらに「卒業後も歩みをとめず、メンバーたちに誇れる活動をしていきたい」と意気込み、「今後もBEYOOOOONDSの応援をよろしくお願いします!」と話すと、数々の昭和の名曲を生み出してきた筒美京平と橋本淳が手掛けたBuono!の「星の羊たち」を披露。きらめくミラーボールの光の中、楽曲をイメージしたドレスをまとった島倉の姿とそのまっすぐな歌声で、会場は幻想的な雰囲気に包まれていく。
他のメンバーたちもステージに登場すると、ひとりずつ島倉へのメッセージを伝えていく。里吉は「りかがBEYOOOOONDSにもっと大きくなってほしいと言ってくれたから、もっと大きくなります」と決意を伝え、小林は「昭和歌謡バンド、いつかやろうね!」と約束を交わし、平井は「私にとって大切で、尊敬するメンバーであり、憧れであり、変な人でした」と笑わせる。清野は「私にとってヒーローだったし、一番の心の支えでした」と涙を流し、岡村は「りかとアイドルをできて幸せ」とにっこり。
前田は「りかがみんなのことを愛おしそうに見る姿が大好きでした」と、そして高瀬は「りかはなりたいと思った私になるきっかけをいつもくれました」と、島倉とともに過ごした時間を振り返る。ハロプロ研修生からの同期でもある江口は「おばあちゃんになっても仲良しでいようね」と話し、西田は「大きな愛情でみんなのことを支えてくれて、本当にありがとう」と改めて感謝を述べる。笑顔と涙の中、島倉に言い残したことをメンバーと会場みんなで叫ぶことになると、島倉は「わかんない……でもありがとう」と戸惑いながらも笑顔。
そしてこの日はツアー千秋楽ということもあり、高瀬が「これまでのBEYOOOOONDSをギュッと詰め込んだ内容だった」と振り返るが、平日の開催で途中から参加したファンもいたことから「すごいライブだったらやっぱり頭から観てほしかったな〜」と悔しがる。そこに江口の「いつものアレ、オネシャース!」という曲振りで、BEYOOOOONDSの武道館公演では定番となっている「全曲振り返りメドレー」がスタート。炊飯器から島倉の名前にちなんだ“ゆめぴりか”が登場したり、本編では披露していない「青い珊瑚礁」を挟みながら、1曲目からここまでをノンストップで振り返っていく。
続けて、メジャーデビュー曲の「眼鏡の男の子」をお嬢様風のお嬢様をメインとした寸劇とともに披露し、最後は島倉が所属するグループ内ユニット・CHIKA#TETSUにとって初めてのオリジナル曲「都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて」を全員で歌唱。7年前に島倉のグループ加入が発表されたこの日、原点ともいえる楽曲たちを披露し、電車の扉が閉まる音とともに新たな旅へと向かっていった。






