優しく淡い色合いのメロディのすき間から、かけがえのない日常の風景が浮かび上がってくる……。多摩美術大学出身の3人から成るバンド、
まん腹が、2ndアルバム『都わすれ』を3月3日(水)にリリース。本作は「旅」をテーマにした、つつましくもエヴァーグリーンの輝きを放つ極上のポップ・アルバムです。また、発売に先駆け、リード曲「はるかな」が1月27日(水)より配信開始、ミュージック・ビデオが公開されています。
2013年に多摩美術大学にてドラムレスの4人組バンドとして結成されたまん腹。季節や街、人などをテーマにしたぬくもりあふれる楽曲や、さまざまなゲストを迎えて節目節目に開催してきた自主企画イベント〈満福御礼〉などでじわじわとサポーターを増やしてきました。2019年3月にメンバーの一人が脱退して3人編成となり、サポート・メンバーを加えたバンド体制になった彼らがリリースするはじめての作品となる2ndアルバム。
「街」をテーマにした2018年の1stアルバム『
ゆうたうん』につづく本作のテーマは、「旅」。日本語を大切にした等身大の歌詞でつづられる「いま置かれた現状から放たれること」をテーマにした楽曲の数々。みずみずしくノスタルジックなメロディを備えたそれらの歌たちが、バンド体制を活かしたより間口の広いアレンジをまとい、さりげなくもしっかりと心に響いてきます。ときにはつらつと、ときにセンチメンタルに、聴く者に優しく寄り添い、あたたかく包み込んでくれる、虚飾が一切ない素顔のポップ・ミュージック。厳しい状況の今こそ、多くの人に耳にしてほしいところです。
[コメント]わぴこちゃんの歌詞は
徒然草の現代版のようで
いやぁ、渋いなぁと感服させられてしまう。
あきらくんは
グッド・メロディの職人具合に磨きがかかっている。
1曲目が3拍子というのもいい。歌詞も、上野の科学館の人類進化のアニメーションを見ているような気分になる内容だ。
そして、それらを楽しく
聴いていられるという事実こそが闇日本5000のグルーヴ・マスターたる所以である。――岡山健二(classicus)まん腹の新しい音楽たちに寄せて
大切な人が近くにいるのにひとりぼっちになってしまうとき。
さようならと言って、背中が見えなくなったあとに始まるひとりきりの帰り道。
出会った頃からまん腹の音楽は、そんな時間たちの主題歌でした。
本当にかけがえのない景色は、他愛もなくて、そばにいる人にさえ笑われてしまうような些細なものなのかもしれません。
でもそれをずっと抱きしめていていいよ。と言ってくれる。
それを忘れそうになってしまった時にも、肩にそっと触れる手のようにまん腹の音楽はありました。
「ドラムが入るんだよ」と教えてくれた時のことをよく覚えています。
正直、凄く変わってしまったらどうしよう?って不安だったけれど、そんなのは野暮でした。
ごめんなさい。思えばドラムレスの頃から、彼女彼らはバンドだったんだ。
新しい編成になって、今までのまん腹の世界がこんなにも自然に色彩と水分と光を増して拡がって、
とてもしなやかにここに成就していることが嬉しくて気持ち良くて堪らなくなりました。
そしてやっぱり、ずっと抱きしめていていいよ。と言ってくれた気がします。
今までを全部連れて今に居てくれる、僕にとってこれからもずっと、ひとりの帰り道を一緒に歩いてくれる音楽です。
ここからまん腹の音楽に出会う人々にとっても、きっとそうだったらいいな。なんて、おこがましくも思ってしまうほどに。――君島大空まん腹の皆さんはお若い。自分と比べたらそれはものすごく。
自分の子供の世代に近いほど。
だけどなぜだろうか、いつもその演奏する姿には年齢に不似合いなほど貫禄を感じてしまう。
曲にも歌詞にも、若さを俯瞰したような立ち位置を感じるのです。
それは若々しくないということではありません。
わぴこさんの声やリズム隊やあきらさんのギターは春の野のようにフレッシュです。
何が言いたいのかというと、まん腹は時代性を丁寧な形で失っているような気がするということです。
個を尖らせる強さではなく、森に集まった子供たちが輪になって遊ぶ陽気さを、大人の作法で獲得したバンドと言えば良いでしょうか。
そして、もう一つはっきり思うことですが、
この人たちの音楽は全然ふわっとしていない。
実はそれは、とても難しいバランスの上で成立しているように思います。
この上なく稀有な、狙っているだけでは絶対に採れない木の実を手にした特別な人たちだと思うのです。
すでに世に残るべき作品ばかりでまいっちゃうけど、
4曲めの「ジャーニー」なんてライブで聴けば絶対楽しいし、3曲めの「道端の花の名前もわからない僕らは」のメロディラインはこれこそまん腹って感じ。(まん腹はわぴこさんの地声と裏声を行き交うところがわりと自分のツボ)ラストのインスト「ホーム」もピアノが美しくて泣いちゃう。
彼らの冒険を、広く沢山の人が一緒に楽しめればいいと、心から願っています。
セカンドアルバム発売、本当におめでとうございます。――yojik(yojikとwanda)1stアルバムからのメンバー脱退(大正琴)を経てアレンジの自由度を異常に広げた新たなポップス編集音楽の名盤誕生。
リズムと鍵盤が活躍する事で増量された普遍性(エバーグリーン感)がとても心地良い。
もう職人的なポップスと言えるのではこれは。
3曲目と7曲目8曲目が特に好きです。
今作を聴いた後に「どんなんだったっけ?」と思って1stを聴きかえすと大正琴の響きに胸をしめつけられる。
2ndが生まれたことで前作が「失われた青春」の名盤として確定された思い。
2ndは「新しい青年期」の音楽として最高だった。
新世界に歓迎された気持ち。こちらこそ作者たちに伝えたい。
ありがとう。おめでとう。――wanda(yojikとwanda)