初期
ムーンライダーズの金字塔とも言えるアルバム『カメラ=万年筆』が、メンバー監修による2011年最新リマスター盤、30年ぶりに蔵出しされた24chアナログ・マルチ・テープをデジタル化し、気鋭のミュージシャン総勢16組が参加したリミックス盤2枚組
『カメラ=万年筆 スペシャル・エディション』として生まれ変わり、4月27日にリリースされます!
1980年にリリースされた『カメラ=万年筆』は、ヌーベル・バーグの思想に多大な影響を与えた論文「カメラ=万年筆」の思想を音楽で実践したコンセプト・アルバム。今回は、最新のリマスター盤と、30年振りに蔵出しされたマルチ・テープを
ケラ&ザ・シンセサイザーズ、
山本精一、
アーバンギャルド、
曽我部恵一ら総勢16組のアーティストが参加したリミックス盤の2枚組に、メンバーの鈴木慶一インタビューが入ったスペシャル・パッケージに。
今作にリミックス盤を付属させたことについて鈴木慶一は「もともとオリジナル・アルバム自体が壊して再構築するという性質のものだから、それをさらに他人に委ね、壊して再構築していただきたいなという発想になった」と語っています。リマスター盤とリミックス盤、2つの“カメ万”を聴き比べてみるのも面白そう!
<リミキサーとして参加した各アーティストからのコメント>
●「幕間」
中学生の時分兄のレコード棚から”こっそり”ムーンライダーズを聴いていた。
変な対抗意識でぼくは洋楽しか聴いていなかった。
兄の持っているものは日本の音楽でもかっこよかったのだ。だから気になってこっそり聴いていた。
そしてたくさん影響を受けた。
幕間。元の音源はマルチで作られてなかったので2mixの一部をサンプリングしてリミックスというよりはリメイク、リアレンジになった。
楽しかった。
(権藤知彦)
●「狂ったバカンス」
アンドロイドが電気羊の夢を見るなら、或いは、潜水服が蝶の夢を見るなら、鈴木慶一がディストピアの夢を見ることだってあるだろう。
三十年前に閉じ込められた肉声を切り貼りし、ボーカロイドよろしく機械化する試み。
『渚にて』の21世紀リメイク版主題歌として、或いは、遥か昔、昭和86年に撮影された、狂ったバカンスをモノクロに、喪に服すための、 過去と未来の恋愛。真っ赤な薔薇はもういらないのだ。
(松永天馬 / アーバンギャルド)
●「24時間の情事」
ムーンライダーズのメンバー全員がそう思ってるかはわかりませんが、「カメ万」は超グレートなアルバムです。
声を大にして言いたいものの、それもなんかわざとらしいのでむしろ囁きます。
「素晴らしい。」
そんな素晴らしい作品のリミックスに参加させてもらって、こりゃもう光栄もいいとこです。
命掛けで歌い、命掛けで掃除機をオンオフしました。
(KERA / ケラ&ザ・シンセサイザーズ)
●「アルファビル」
originalの方のremasterの方をを担当したが、とにかく録り音もMIXも素晴らしい。bravo!田中信一。演奏も新鮮+斬新。歌の感じはオリジナルになるべく忠実にやった。とても音楽的だったので。
一方Remixはそこから離れなくは!と判断しAlphavilleに関してはジェンジェン違うものに化けさせた。難しかったが楽しく出来、満足している。
(白井良明)
●「水の中のナイフ」
今回のリミックスで頂いたマルチトラックのデータは1980年、ちょうど私が生まれた年の録音。
そこには、当時の過激な熱を帯びた音が詰まっていました。そのマルチテープと同じ年の自分が、いま当時の熱と同じだけの熱を持って向かうことが、いちばんのリスペクトだと思い、粗く勢いのある音を、愛を込めて残そうと思いました。誘っていただいて、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
(葛西敏彦)
●「無防備都市」
リミックスのご依頼を受けた時はすごく嬉しかったです。
『無防備都市』は創作の原点と言えるくらい好きな曲だったので、
新解釈もどれだけ僕がムーンライダーズの影響直下かがわかる内容にしました。
僕にとって彼らは永遠の憧れであり、永遠のライバルなのです。
(永井聖一)
●「欲望」
今回こういう機会なので、歌詞を何十回と聴いたのですが、慶一さんの歌詞は本当に背徳的で不謹慎極まりない、と思いました。
(曽我部恵一)