MAISONdesの最新曲「ダブル・プッシュ・オフ。 feat. 水槽, A4。」にヴォーカルで参加し注目を浴びるシンガー&トラックメイカー / 歌い手 / ボカロPの水槽が、12月20日(水)に新曲「POLYHEDRON」を配信リリース。あわせてミュージック・ビデオが公開されています。
ポップス、ロック、ヒップホップなどを独自のスタイルに昇華し、自身で作詞、作曲、編曲を手掛けシンガー・トラックメイカー / 歌い手・ボカロPとして活動しているアーティストの水槽。的確にリズムを捉えつつも、さまざまに表情を変える歌声とラップは、情感にあふれ数多くのリスナーを魅了しています。2020年にYouTubeに投稿したSENENTHLINKS「p.h.」のカヴァーがバイラルヒットとなり総再生数は3,000万回を突破。2ndコンセプト・アルバム『事後叙景』の累計ストリーミング数は1,000万回を突破、さらに11月に配信されたMAISONdes の最新曲「ダブル・プッシュ・オフ。 feat. 水槽, A4。」にはヴォーカルで参加し、SNSを中心に話題を呼んでいます。
このたびリリースされた新曲「POLYHEDRON」は、2010年代前半のSoundCloudハイパーポップ×オルタナティブロックをベースにラップ、ポエトリー、ドロップを組み込んだもの。水槽自身の原点であるエレクトロ・サウンドとギターロックをブレイクビーツで融和させ、次々に移り変わるビートとドラスティックな緩急のコントラストが特徴的な楽曲です。歌唱は無機質なようでいて叙情的、歌詞は彩度が高く生々しい、アンバランスで奇妙なものに。ギターアレンジは
ヒトリエよりメイン・ソングライター&フロントマンのシノダが務め、退廃的で近未来を感じさせるテクニカルかつドラマティックな音作りが、サイバーパンクやアジアンカオスをカルチャー的源流に持つ水槽の楽曲との化学反応を起こしています。
水槽は、同曲について「自分を騙しながら、自らで結んだ多面体に縋っている人間に対して、虚構は優しくて冷たい。そうやって生きるしかなかった瞬間のコラージュのような曲です」とコメントしています。
また、「POLYHEDRON」のMVとアートワークは、2070年の架空の日本・東京が舞台。被虐児がネグレクトによりVR空間で理想の双子の姉を作り出し、繰り広げられるストーリーと世界観を反映した内容となっています。
[POLYHEDRON / OVERVIEW]2070年日本東京、被虐児。教育はシステム化されているが、戸籍を持たない貧困家庭は養育システムにログインできない。ネグレクトは数値化されており、都の児相(アンドロイド)がたまに巡回に来る。指数はストレス値などから複合的に算出され、指定数値を上回った場合は子どもを家族から保護することが法的に義務付けられている。
男児(名前なし)はVR空間で理想の双子の姉を作り出し、両親からの愛情不足を埋め合わせて暮らしているため見かけ上の精神異常が見とめられず放置されている。両親から「明日の始発で出ていけ」と怒鳴られ、姉の「わたしがいるから大丈夫、二人で生きていこう」という言葉を信じて家出をする。彼女の発言はすべて彼の自意識から掬い出された彼自身の無意識なので、彼一人の頭脳以上の発想は出てこない。名前も生きる手段も姉も持たない少年は、池袋北口の「個室」でただ一つ売れるものを売って大人になり、姉を実在させるための研究に執心するようになる。家を出るまで名前がなかった彼だが、少年専用の風俗で支配人から「鹿のように細いから Deer、ディアでいい」と名付けられる。[POLYHEDRON / STORY]きみがいてくれたら。
彼女は僕のお姉ちゃんです。僕たちは双子でよく似ていますが性格はちがいます。僕よりも背が低いけど、僕よりも身体が丈夫で、僕よりも歌がうまいです。とてもきれいな声です。自分で前髪を切ったら失敗したらしいです。
ちょっと生まれるのが早かっただけなのにたまにえらそうにします。おもちゃも全部先に遊んで、僕は後回しになります。それでもよかった。それがよかった。
僕はよわいのでよく熱を出します。お姉ちゃんはくすりを持ってきたり、大丈夫?と言って、隣にいてくれます。でもゲームでは手加減してくれません。いろんなものを壊すとおとなみたいに怒ります。でもぜったい叩かない。お姉ちゃんはおとなじゃないから。
間違えたら間違えたぶんだけ痛い思いをするけど、つらくても僕の味方がいるので、なんとかやっています。大きい声も出さないし、痛くしないし、僕の話をきいてくれる。お姉ちゃんはおとなじゃないから。きみがいてくれたらよかったのに。