米シカゴを拠点とする3人組バンド、ライフガード（Lifeguard）が、デビュー・アルバム『Ripped and Torn』を〈Matador Records〉より6月6日（金）にリリースすることを発表。あわせて、先行シングル「It Will Get Worse」をミュージック・ビデオとともに公開しています。

　初期パンクの衝動を彷彿とさせる「It Will Get Worse」は、最初の10秒でリスナーの心を鷲掴みにするナンバー。心地よい疾走感と淡く漂う気怠さを軽やかに行き来する彼らのスキルが遺憾無く発揮されており、若さから滲み出る美しく青い歌声には、誰もが胸を打たれるであろう素晴らしい内容に仕上がっています。

　若きトリオのライフガードは、アッシャー・ケース（b, g, vo）、アイザック・ローウェンスタイン（ds, syn）、カイ・スレーター（g, vo）で構成され、中学・高校生の頃からともに音楽活動へ青春を献げてきました。ノイジーで即興的、不可解ながらも心に響く彼らの音楽は、パンク、ダブ、パワー・ポップ、実験的なサウンドを含めたジャンルを吸収して、爆発的な創造性でまとめ上げたもの。前衛的DIYアーティストたちのコラージュ的で脱構築的なサウンドを取り込む一方、60年代半ば第一世代のガレージ・バンドが“ロック”という音楽を文字どおり真に受けて、全力で信じていた、あの“絶対的な誠実さ”をも持ち合わせています。

　ペイヴメントやヨ・ラ・テンゴをはじめ、2024年のフジロックフェスティバルで衝撃的なパフォーマンスを披露した元ソニック・ユースのキム・ゴードン、さらには初来日ツアーを9月にを控えているホースガールなど、レーベル創設以降、常にUSインディー・シーンを牽引し続けている名門〈Matador Records〉からリリースされる本作『Ripped and Torn』は、2023年に2つのEPをまとめた『Crowd Can Talk / Dressed in Trenches』のリリースを経たデビュー・アルバム。プロデュースは、ロサンゼルスのノイズロック・デュオ、ノー・エイジのランディ・ランドールが手掛け、彼らのエネルギッシュな若さと息が詰まるほどの混沌を見事に切り取っています。

　どちらも“引き裂かれた”事を意味する言葉を並べた、アルバム・タイトル『Ripped and Torn』は、彼らが鳴らす、メロディックなポスト・パンクと怒涛の速度感で押し寄せるハードコアを融合させた破壊的なアプローチにも通じます。本作で掻き鳴らされる有刺鉄線のようなサウンドは、リスナーの記憶の深層に突き刺さり、心を躍らせ、音楽にもう一度“信じる力”を与えてくれるかもしれません。

　アルバムは、CD、LP、デジタル / ストリーミング配信で世界同時リリース。国内流通仕様盤CDには解説書が封入されます。




Photo by Grace Bader Conrad