『Detour』において、スキャッグスは自身のもっとも重要な楽器を存分に披露しています。「これまでの音楽家としての自分を振り返ると、私の主な楽器は声だと考えざるを得ない」とスキャッグスは語っています。その声はさらにニュアンスと深みを増しており、アルバムの冒頭を飾るアラン・トゥーサンの「It's Raining」の優しいトーンから、時代を超えながらも現代的な趣を感じさせる「The Very Thought of You」の穏やかなヴァージョンまで、その進化は明らか。このプロジェクトでは、ピアニストのセス・アサーノウの提案でボズが69年にリリースした2ndアルバム『Boz Scaggs』に収録されている人気曲「I'll Be Long Gone」の再録にも取り組んでいます。「この曲のリクエストは本当に多いんだ。セスが素晴らしいアレンジを組み立ててくれて……結果的に、このアルバムで私たちが手掛けた他の曲と完璧に調和したんだ」と説明しています。