ジャズを活動のベースとする
佐藤允彦と、現代音楽を出自とする
高橋悠治。2人のピアニストによる稀有なセッションを収めた作品『
Open Cluster』が12月24日(水)にリリースされます。
本作は、2020年9月5日に東京・渋谷 公園通りクラシックスで行なわれた〈SAVE THE CLASSICS FOR THE NEW ERA Vol. 2〉にて、2人が出演した際、2台ピアノで披露した“完全即興”演奏を収録したもの。事前に何の相談も決めごともなく、路線も目的地もない中、互いが発する「波動」を感じ取り、それによって自己に発生した「波動」を鍵盤に伝えるという「交信」の軌跡が刻み込まれた作品となっています。
これは、タイトルに掲げた天文学用語「Open Cluster」の通り、同時に生まれた音同士がいまだに互いに近い位置にある状態の空間と言え、この奇跡のような演奏を「完全なフリー・インプロヴィゼイションとしては私が経験したもののなかでかなりな水準なのではないだろうか」と佐藤自身が語り、作品化の運びに。1曲のみ、46分という2人の対話に徹した本作に、じっくり耳を傾けて頂きたいところです。
録音・ミックスは佐藤允彦自身が務め、マスタリングは樽岡大志が担当。ジャケット・デザインは渡辺大平が手掛けています。また、2人が出会った60年代から遡って解説する、『アヴァンギャルド・ジャズ4125102031: ヨーロッパ・フリーの軌跡』の著者、横井一江による読み応えのあるライナーノーツも必見です。