アンナ・バターズ(b)、ジェレマイア・チウ(syn)、ジョシュ・ジョンソン(sax)、ブッカー・スタードラム(ds)、グレゴリー・ユールマン(g)からなる米・ロサンゼルス拠点のクインテット“SML”が、ニュー・アルバム『Spontaneous Music Live』を6月26日(金)に世界同時リリース。収録曲「Roundabouts」が先行配信されています。
本作は、編集されていない即興演奏による長尺の2曲で構成。2025年12月にロサンゼルスの会場Zebulonで行なわれたバンドの3夜にわたるレジデンシー公演中にライヴ録音されたもので、2ndアルバム『HOW YOU BEEN』のリリースからわずか数週間後のセッションとなります。録音とミックスは、ジェフ・パーカー・ETAカルテットの美しいライヴ記録でも知られるエンジニアの“魔術師”ブライス・ゴンザレスによって、ステレオ・アナログテープにライヴで収録されました。
SMLは、2ndアルバム『HOW YOU BEEN』と2024年のデビュー作『SMALL MEDIUM LARGE』を通じて、緻密に構築されたサウンドで評価を確立してきました。いずれも大幅にエディットされ、ポストプロダクションが施されているこれらの作品は、メディアとしての“編集”そのものが前面に出ており、最も美味しい断片を選び抜き、編集して作品が構築されています。
しかし、素材はすべてライヴ録音であり、長く、荒々しいグルーヴを持ってうねりながら展開する即興演奏を元にしています。さらに重要なのは、バンドのこれまでのすべての公演が、その精神に基づいた完全な即興で行なわれているという点。ライヴは即興で、作品はそれらを編集したものという二重性は、SMLの思想的な近親者とも言えるカンの『Live in Paris 1973』における長大で奔放な演奏と、同年のよりコンパクトな『Future Days』、またはマイルス・デイヴィスの『Dark Magus』におけるスピード感あるファンクの混沌と、『On The Corner』や『Big Fun』に見られる徹底的に解体された構築性にも通じます。
『Spontaneous Music Live』は、こうしたキュレーション的な視点を取り払い、編集プロセスの幕を引き剥がすもの。ロサンゼルスという土地において、その瞬間に存在し、集合的に即興演奏を行なうバンドのサイケデリックなリアリズムが露わになっており、完全にその場にいる状態で、発見の瞬間を掘り出していく音楽が楽しめる作品となっています。