アコースティック・デュオ“
やぎたこ”での活動を経て、2022年4月にソロ活動をスタートしたシンガー・ソングライターの
辻井貴子が、1stソロ・アルバム『
わたしのうた』から約2年半を経て2ndアルバム『
ボクの居場所』を9月1日(金)にリリースします。これに先駆けて、リード曲「日曜日」のミュージック・ビデオが公開されています。
『わたしのうた』では、楽曲、編曲、演奏の全てを自らを手がけ辻井ですが、本作『ボクの居場所』では、プロデュースとアレンジを
佐久間順平に依頼。佐久間順平は、ソロ・シンガーとしてライヴを重ねアルバムを複数発表する一方で、
南こうせつのコンサート・ツアー及びTV番組出演時のサポート・ミュージシャンとして活動を続ける音楽家。編曲家としてテレビ、ラジオ、映画、CMなどでの音楽制作、またギター、バイオリンなど弦楽器に堪能なミュージシャンとして、
高田渡、
さとう宗幸、
小室等、
ヤドランカ、
伊藤多喜雄などのステージ及びスタジオ録音においてサポートを務めてきました。
その佐久間のアレンジを加えたことで、辻󠄀井貴子のこれまでの生成りのアコースティックな音色に、ポップでカラフルな響きと、クラシカルでシックな風合いが重なる仕上がりに。辻󠄀井が幼少の頃から親しんできた音楽の扉が、見事な手腕で開かれ、心にそっと風を通す10の歌物語が並びました。
辻井は、初めて佐久間順平と一緒に演奏した際のことを「唄い慣れているはずの自分の曲が、全く違うものに変身したようで、まさに“カボチャが馬車になった!”と言える、魔法を見ているような驚きでした」と振り返り、同じメロディと言葉が、表現の仕方ひとつで違う風景を描き出すという驚きを形にしたいと思ったのは、本作の出発点だと語っています。そして「思い切り背伸びをして、ひとりで色々な楽器にチャレンジした1枚目のアルバム『わたしのうた』とは、また違う挑戦が詰まったアルバムになった」とコメントを寄せています。
『ボクの居場所』には、MVが公開された、佐久間の柔らかいピアノ伴奏とともに歌われる「日曜日」のほか、オカリナを思わせる笛の音色とストリングスのアンサンブルが静かに広がる中に歌声が響く「ふゆのうた」、アフリカの太鼓の響きが軽やかに織りなす中で歌われる「ぼくは知ってる」、合唱曲として親しまれる「ひざこぞうのうた」などが収録。「ぼくは知ってる」は、“やぎだこ”での相棒であり、2022年に逝去したやなぎの未発表曲、「ひざこぞうのうた」は大江田信とのデュオ“マコトトタカコ”で歌い始めた楽曲となります。
車に山ほどの楽器を積み込んでは日本各地に出向き、ソロ・ライヴを続ける数年を過ごした辻󠄀井貴子。そうした音楽の日々の中で育まれた歌の数々が結実した『ボクの居場所』では、さらに新しい表現に踏み出しています。
本アルバムでも共演する大江田信は、本作について「アルバムを繰り返し聴いているうちに、心をそっとリセットしてくれる言葉があちこちに織り込まれていることに、ふと気づきました」とし、「鳥は成長過程で、古い羽が抜け落ちます。そして生え変わった新たな羽によって、また旅立ちます。これを換羽(かんう)というのだそうです。『ボクの居場所』は、辻井さんの換羽を記したアルバムに違いない、そんなふうにも思います」と語っています。
[辻󠄀井貴子 コメント]初めて順平さんが一緒に演奏してくれた時の衝撃を、今でもハッキリ覚えています。唄い慣れているはずの自分の曲が、全く違うものに変身したようで、まさに「カボチャが馬車になった!」と言える、魔法を見ているような驚きでした。
同じメロディと言葉でも、表現の仕方ひとつでこんなにも違う風景が描き出せるんだ!ということを形にして残したいと思ったのが、今回のアルバムの出発点です。
私が、自分でぼんやり感じたり感動したりしたことの色合いを、なんとか伝えたい一心で生まれた歌たちは、どれも不揃いで、矛盾やつじつまの合わないことがたくさんありました。順平さんは、それらを全部切り揃えるのではなく、ひとつひとつ、どうやって活かすか、あるいは変えるかを検討し、私の中で曖昧になっているところを的確に指摘しつつ、かすれたアウトラインはなぞり直し、尻切れトンボになっている箇所は線を繋いで下絵を完成させる、というような、地道な作業を根気良く続けてくれました。
順平さんならではの色で外へ紡ぎ出される世界は、私が自身で心に描いた風景よりもずっと広かったり、鮮やかだったり、自分でも気付いていなかったような細部に、静かに大切なことが加わっていたりして、発見と感嘆の連続でした。どう唄うのが似合うか、それが私にできるのか、、、?これまでとは違う切り口の試行錯誤は、とても新鮮で面白く、制作が終盤に近づくのが残念に思えるほどでした。
思い切り背伸びをして、ひとりで色々な楽器にチャレンジした1枚目のアルバム『わたしのうた』とは、また違う挑戦が詰まったアルバムになりました。制作時に私が感じた、新しい場所に出会えた時のドキドキやワクワクを、一緒に感じて頂けたら幸いです。
2026年9月1日 辻󠄀井貴子