キース・ジャレット(Keith Jarrett)が2016年に行なった最後のヨーロッパ・ツアーから、その最終日にあたる7月12日、伊・ローマ オーディトリウム・パルコ・デッラ・ムジカ公演を収録するライヴ・アルバム『
ローマ』が11月6日(金)に発売されます。アルバムの最後を飾る、スタンダード・ナンバー「イッツ・ア・ロンサム・オールド・タウン」が公開されています。
13日間で5公演を開催したこのツアーで、ジャレットは公演ごとにまったく異なる音楽的風景を描き出しました。『ローマ』でも、その場で音楽を生み出していくジャレットの即興演奏が、独自の展開を見せています。
コンサートは「パート I」から、緊張感に満ちた濃密なクロマティック・ラインとスタッカートによって徐々に勢いを増し、やがて旋律が姿を現していきます。「パート II」ではそのやや陰影のあるムードを受け継ぎながら、より明確な構造を形成。その後はジャレットならではのリリシズムから、予想外の対位法、リズムへの集中的なアプローチへと移り変わり、全体でひとつの壮大な建築物を思わせる音楽を作り上げていきます。
「パート V」では何もないところからスウィングするゴスペルを生み出し、「Part IX」では荒々しいブルースを展開。「パート VI」では大きな弧を描くアルペジオによるハーモニーが広がるなど、ジャレットの音楽語法が次々と現れます。
さらに「パート VII」「パート VIII」では、20世紀前半のソングライティングへの深い敬意を感じさせながら、それを既存曲ではなく、その瞬間に生み出される自身のメロディへと昇華。そして「パート X」で音楽はふたたび原点へと戻っていきます。
アンコールには、ジャレットのソロ・コンサートで長年親しまれてきた「虹の彼方に」と「イッツ・ア・ロンサム・オールド・タウン」を演奏。よく知られている楽曲でありながら、この夜ならではの新鮮な解釈でコンサートを締めくくっています。
このアルバムは、同ツアーから発表された『
ミュンヘン2016』『
ブダペスト・コンサート』『
ボルドー・コンサート』『
ウィーン・コンサート2016』に続く5作目。シリーズの最終章です。
©W. Patrick Hinely/ECM Records