Ryuichi Sakamoto &
Alva Notoによるニュー・アルバム『
12 Conversations』が9月18日(金)にリリースされています。
『12 Conversations』は、坂本龍一とAlva Notoによる、20年以上にわたる創造的な対話の延長線上に生まれた作品。2002年の『
Vrioon』から始まった両者のコラボレーションは、『
Insen』『
Revep』『
Utp_with Ensemble Modern』『
Summvs』へと続くV.I.R.U.S.シリーズをはじめ、
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品『
レヴェナント』の音楽、Philip Johnsonによる建築「Glass House」での即興演奏を収めた『Glass』、シドニー・オペラハウスでのライヴ・パフォーマンスを記録した『Two』など、20年以上にわたって展開されてきました。
坂本龍一のピアノと、
Carsten Nicolai=Alva Notoによる緻密で繊細なエレクトロニクス。異なるアプローチを持つ2人は、互いの音に耳を澄まし、応答し、変化させながら、独自の音響世界を築き上げてきました。
『12 Conversations』に収められたのは、坂本龍一の最後のソロ・アルバム『
12』が生まれたのと同じ創作時期にあたる、2022年11月から12月にかけて行われた2人の音楽的なやり取りです。
これらの録音は当初、独立した作品として発表することを意図したものではありませんでした。しかし『12』の完成後、坂本龍一とNicolaiは、この音楽的なやり取りをひとつの作品として発表することを決めました。
そこに記録されているのは、完成された音楽を再解釈するというよりも、互いの音を受け取り、注意深く耳を傾け、新たな音を加えながら、音楽そのものが広がり、変化し、進化していく創造のプロセスです。
20年以上にわたり築かれてきた2人の関係性の中で、その変容はときに大胆に、しかしどこまでも繊細に行われています。その根底にあるのは、互いへの深い信頼と、未知の可能性に対して開かれた実験精神です。
タイトルに冠された「Conversations=対話」という言葉が示すように、本作は過去の記録を保存するためだけの作品ではありません。肉体を超えて続いていく芸術的な対話の継続として構想された『12 Conversations』には、2人の音楽的な出会いをアーカイブの中だけに留めることなく、未来へと存在させ続けたいという坂本龍一の意思が受け継がれています。
坂本龍一が遺した音と、そこから生まれる新たな響き。20年以上にわたって共有されてきたインスピレーションと好奇心が、新たなかたちへと変容しながら現在、そして未来へと接続していきます。
流動的で、探究的で、未来を見据えた全16トラックを収録。マスタリングは2026年、ベルリンのCalyx MasteringにてBo Kondrenが担当。「Conversation 7」には前田エマの声が使用され、テキストにはライナー・マリア・リルケの「始原音」が引用されています。
『12 Conversations』は、坂本龍一とAlva Notoによる創造的な関係性が、いまもなお変化し、未来へと続いていくことを示す作品となっています。
あわせて、本作の世界観を映像で表現したミュージック・ビデオも公開されています。
Photo by NikolausBrade