ピアニスト、
アンドラーシュ・シフ(András Schiff)のニュー・アルバム『ブラームス:ピアノ小品集』が9月18日からデジタル配信されています。CDは2枚組で11月4日(水)の発売です。
20歳の
ブラームスが1853年に書いた「アルバムブラット(アルバムの一葉)」をはじめ、「8つのピアノ小品」作品76、「7つの幻想曲集」作品116、「3つの間奏曲」作品117、「6つのピアノ小品」作品118、「4つのピアノ小品」作品119を収録。若き日の瑞々しい一篇から、晩年の内省的な傑作群へと、その内面的な軌跡をたどるアルバムとなっています。
シフは若い頃からブラームスの晩年のピアノ小品を愛し、学んできました。しかし、これらの作品に「本当の意味で向き合うには、時を待たなければならない」と感じていたといいます。このアルバムでは、長い演奏人生を経たシフが今、記憶、優しさ、諦念、沈黙を湛えたブラームス晩年の世界に向き合っています。
シフは本作について、「若い頃、私はすでにブラームス晩年のピアノ小品のいくつかを、愛情と情熱をもって学び、弾いていました。しかしその頃から、これらの作品に本当の意味で向き合うには、時を待たなければならないこともわかっていました。それらは老境にある人間の最後の思索であり、あまりにも秋の気配に満ち、あまりにも深い諦念を湛えているのです……」と語っています。
アルバムの冒頭を飾る「アルバムブラット(アルバムの一葉)」は、イギリスの指揮者・音楽学者
クリストファー・ホグウッドが未出版の資料に行き当たり、ホグウッド自身がベーレンライター版として校訂した作品。2012年にはBBCラジオでアンドラーシュ・シフによる演奏が放送され、その美しさが注目されました。シフは今回、この若きブラームスの作品を後年の作品群への“導入”であると同時に、“若き日の芸術家の肖像”として聴いてほしいと語っています。
録音は、2021年3月に独・ボン ベートーヴェン・ハウス ヘルマン・J.アプス記念室内楽ホールで行なわれ、ブラームスが愛用したといわれるドイツの名門ピアノ・メーカー、ブリュートナーの1850年代製ピアノを使用しました。
© Nicolas Brodard / ECM Records