かつてRCAに多くの録音を残し、近年は教育に専念していたものの、今年2月にオクタヴィア・レコードからリリースされた『J.S.バッハ：半音階的幻想曲とフーガ、イタリア協奏曲、パルティータ第6番』で“再デビュー”を果たし、大きな話題を呼んだピアニスト、セルゲイ・エデルマン(Sergei Edelmann)。

　6月にリリースされた『シューマン： 幻想曲、アラベスク、交響的練習曲』に続いて、早くも3枚目のアルバム『ショパン：バラード全集、舟歌、幻想曲、幻想ポロネーズ』(OVCT-00058　税込3,000円)が9月18日にリリースされます。

　大型実力派ピアニストによる重量級のショパン・アルバム。エデルマンは容赦ない怒涛の演奏を繰り広げ、さらに頂点を極めると言っても過言ではない、真の完成度に到達しています。前出のバッハ、シューマンのアルバムでも同様だった、聴く者を捕えて離さない独特の魅力はそのままに、今回はさらに、熟年にさしかかった音楽家としてのさらなる包容力によって、ショパンの大曲群をさらに大きく創り上げているのです。

　ショパンのもっとも有名な曲を集めた魅力的な選曲。2010年のショパン・イヤーに向けて、ぜひ聴いていただきたい一枚です。