昨日まで
ビル・フリゼールとのトリオで来日公演を行なっていたジャズ・ベースの神様、
ロン・カーター(Ron Carter)が、約50年のキャリアで初となる自己名義のビッグバンド作品
『ロン・カーター・グレイト・ビッグ・バンド』(TOCJ-68092 税込2,800円)を2月23日にリリースします。
これだけの長いキャリアで意外にも初のビッグバンド・アルバムは、これまでメンバーを集めたり、スケジュールを調整したりするのが難しく、自身も売れっ子であることも相まって、なかなか実現しませんでした。ロンのビッグバンド作品への参加機会も少なく、本格的な録音になると
ギル・エヴァンスの
『アウト・オブ・ザ・クール』(60年)以来になるそうです。
本作の録音にあたってロンが目指したサウンドは、“ベースが聴こえて、ピアノ・トリオが聴こえて、それでいてオーケストラ・サウンドでもある、そういうテクスチャー。われわれがピアノ・トリオのような感覚で演奏できるビッグ・バンド・ジャズ”とのこと。それを実現したのはロンの70年代からの盟友であるプロデューサー、ボブ・フリードマンで、選曲・アレンジのアイディアをNYに住むロン(フリードマンはアリゾナ在住)とEメールで何度もやりとりしながら練り上げていったそうです。
楽曲はロンの代表曲から、共演経験のある故
ナット・アダレイ、故
ジェリー・マリガンらの曲などトリビュート的な意味も込められたジャズ・ジャイアンツの名曲を選曲。さまざまな録音をこなしてきたロンの人生を集大成するような、アプローチの多彩さが注入された、渾身の作品に仕上がっています!