エルボー 2003/06/12掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
英国というのはいつも曇っているのが当然で、だからなのか、どことなく陰を帯びた作風のミュージシャンが多いのはブリティッシュ・ロック・ファンには納得できるはず。だからこそ、そこに表した音だけじゃなく、より深みを感じさせるミュージシャンや作品が多いのでしょう。
それを改めて実感させてくれたのが、
『アスリープ・イン・ザ・バッグ』(写真)でデビューするや、大いに評価を受けてゴールド・ディスクまで獲得した
エルボー。レディオヘッドやコールドプレイなど、音色が「直接的すぎない」バンドとよく比較されるように、奥底にポスト・ロック的な音のアプローチがしっくりと沁み込んできます。それでいて独自な世界観を持っていて、特に中核であるヴォーカリストのGuyには(声色こそ違うものの)デヴィッド・シルヴィアン的なものさえ感じられます。歌い方が「泣き泣き」なところとか・・・・・・
そんな期待を背負った彼らの、2ndアルバムが発表されます。
『キャスト・オブ・サウザンズ』(V2CP-154)と題された本作は、エルボー・テイストを存分に発揮しつつも、ビートルズを髣髴とさせるポップなアレンジを展開しているのだとか。世界の各フェスティヴァルにも出演が決まっており、その「サウンド・スケイプ」にはいっそう期待が高まっております。経験を積んだバンドによって描かれる、風景画的なたたずまいを見せる楽曲群がどう進化しているのか。楽しみです。
アップ・テンポばかりでウンザリしているあなたにもお勧めな本作は、8/13に\2,520(税込)で発売予定。日本盤はボーナス・トラック収録予定なので、そちらもお楽しみに!
エルボーといい、ザ・コーラルにザ・ジーヴァズといい、デビュー作が優秀で2ndに期待がかかっているバンドが英国には多くおりますね。やはり英国シーンはいつまでも眠りそうにない。