日本のジャズ・ミュージシャンが発表したものの、歴史に埋もれていた名盤を発掘する好評シリーズ“Dig Deep Columbia”に新タイトルが登場。12月5日にすべて初CD化となる8タイトルが発売されました。
発売されたのは、60年代末から70年代前半にかけての、LPが中古盤市場で高騰している人気作ばかりですが、この中でもとくに注目したいのは、
宮間利之とニューハードの
『仁王と鳩』(COCB-54032 税込2,625円)と
『土の音 〜日本伝説の中の詩情〜』(COCB-54033 税込2,625円)。バンド結成から半世紀を超えいまも活躍し続けるビッグバンドがジャズで日本の抒情を描いた2作で、『仁王と鳩』は
キング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』を連想させるインパクトのあるジャケットも印象的な72年の作品。バンドのギタリストでアレンジャーでもある山本幸三郎が全曲を作・編曲しており、ジャズ・ロック的なサウンドの中に“和”を感じさせます。『土の音 〜日本伝説の中の詩情〜』は、『仁王と鳩』で手ごたえを得た彼らがさらに深く日本的なものを求めた一枚。“和楽器を使わない”“エレキ楽器を使わない”ことを制作上のルールに、フリー・ジャズからジャズ・ロックまでを飲み込んだユニークな作品となっています。自身のクァルテットを結成する直前の
土岐英史(as)の参加にも注目です。
1月23日には“Dig Deep Columbia”シリーズに4タイトルが仲間入りの予定。80年代の貴重音源が復刻されます。