2007年にフランスの出版社から傑作選「Un gentil garcon(やさしい人)」が翻訳出版されると翌年〈第35回アングレーム国際漫画祭〉にて遺産賞にノミネート、続く2009年には「美代子阿佐ヶ谷気分」(写真)が
実写映画化されるなど、その功績に注目の集まる漫画家・安部慎一。今年8月に東京・中央線沿線の会場4ヵ所で合同開催された〈安部慎一展〉の巡回展となる、〈安部慎一展「無頼の面影」「美代子阿佐ヶ谷気分」〉が9月14日(水)から26日(月)まで東京・渋谷 アップリンクで行なわれます。
また巡回展を記念し、9月24日(土)にはイベント〈渋谷アベシン気分〉を開催。ゲストとして、劇画研究家・浅川満寛を総合司会に、編集者でエッセイストの末井 昭、特殊漫画家の
根本 敬、安部慎一の息子で現在はバンド“
HINTO”で活動している安部コウセイと安部光広が登壇し、“編集者が語る”“漫画家が語る”“音楽家(息子たち)が語る”の3部構成で“漫画家・安部慎一”を紐解きます。
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安部慎一(あべしんいち)1950年、福岡生まれ。高校時代に永島慎二の「青春裁判」を読み、マンガ家を目指す。「ガロ」に執筆していたつげ義春や林静一の影響を受け、1970年「やさしい人」でデビュー。阿佐ヶ谷に上京し、後に妻となる恋人・美代子を描いた短編「美代子阿佐ヶ谷気分」が評判になる。80年代に統合失調症を発症、混乱した状態でも作品は描き続け「僕はサラ金の星です!」「美代子田川気分」などを発表。90年代に入り、根本 敬が作った手製コピー本「僕はサラ金の星です!」が中野ブロードウェイのタコシェにて立ち読み用に公開される。雑誌「Quick Japan」の連載「消えたマンガ家」で大泉実成が取材し、再評価の機運が高まる。2007年、フランスのCorneliusから傑作選「Un gentil garcon(やさしい人)」が翻訳出版され、2008年の〈第35回アングレーム国際漫画祭〉遺産賞にノミネート。2009年には、「美代子阿佐ヶ谷気分」が実写映画化、主題歌には息子たちのバンドSPARTA LOCALSの曲が採用された。2016年8月、中央線沿線四箇所合同で〈安部慎一展〉開催。絶版、単行本未収録作品を収録した限定単行本、冊子三冊が刊行される。■
安部慎一展「無頼の面影」「美代子阿佐ヶ谷気分」2016年9月14日(水)〜26日(月)
東京 渋谷 アップリンク
10:00〜22:00
www.uplink.co.jp/gallery/2016/45940■
「渋谷アベシン気分」
編集者、漫画家、音楽家(息子たち)が語る“漫画家・安部慎一”2016年9月24日(土)
東京 渋谷 アップリンク
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 2,000円 / 当日 2,300円(どちらも1drink付)
出演: 浅川満寛(劇画史研究・安部慎一専属編集者) / 末井 昭(編集者、エッセイスト) / 根本 敬(特殊漫画家) / 安部コウセイ(HINTO / 堕落モーションFOLK2) / 安部光広(HINTO)
www.uplink.co.jp/event/2016/45941