エルヴィス・コステロ(Elvis Costello)が2020年に発表した最新アルバム『
ヘイ・クロックフェイス』の収録曲を、フランス語圏の人々がアレンジ / リミックスした6曲入りデジタルEP『La Face de Pendule à Coucou』が3月26日にリリースされました。
EPには、すでに発表されている
イギー・ポップがフランス語で歌っている「ノー・フラッグ」と、ポップがコステロのオリジナル・ヴォ―カルと対話する「No Flag(Parlé)」のスポークン・ワード・レンディションを収録。ポップは『ローリング・ストーンズ』誌に「No Flag(Chanté)」と「No Flag(Parlé)」の誕生秘話を次のように語っています。「公式には誰からも頼まれていないんだ。エルヴィスと(コステロの妻の)ダイアナ(・クラール)が“これをフランス語で歌ってみないか”と言っただけだった。それで私は、“フランス語は大変だろうけど、できるさ”と思ったのです」
フランスの女優 / シンガーの
イザベル・アジャーニと
スティーヴ・ナイーヴによる「レヴォリューション #49」では、ナイーヴの「ウナ・コルダ」というピアノのモチーフに合わせてアジャーニが即興でメロディを奏で、彼女の説得力ある朗読と繊細なコントラストを生み出しています。
また『ヘイ・クロックフェイス』に収録されていたヘルシンキで録音した楽曲「ヘティ・オハラ・コンフィデンシャル」は、2つの非常に対照的なヴァージョンを収録。
ひとつ目は、パリを拠点に活動する、フランコ・キューバ人プロデューサー、ニコラ‘ダクー'ダクー・カステルとキンシャサ出身のヴォーカリスト、ファティ・サイ・サヴァネのデュオ、ツェグー(Tshegue)による過激な再構築。コステロは、ツェグーのシングル「Muanapoto」を聴いたとき「とても大きなエネルギーを感じたので、このぬいぐるみのような曲を解体して組み立て直すのも楽しいかもしれないと思った」と語っています。
もうひとつの「ヘティ・オハラ・コンフィデンシャル」は、ミュリエル・テオドリとAJUQの提供により、完全にフランス語圏の歌詞に。この曲では、謎めいた存在感のあるエッタ・ソマティスがAJUQと詩を共有し、英語で短い挿入句を入れています。このヴァージョンのイーモン・シンガーとアーロ・マクファーロウによるミュージック・ビデオも公開されています。