トム・ミッシュから直接ラブコールを受け、東京とソウルでのオープニング・アクトを成功させたり、日本人で初めてイギリスの名門Decca Recordsからシングルをリリースする等、日本人音楽家としての存在を確立し世界のローファイ・ファンからも注目を集めている
Kan Sanoが、キャリア・スタートとなった
1stアルバムのリマスター版『Fantastic Farewell(2021 Remastered)』を12月22日(水)にサブスク解禁。
同作品は、未収録曲2曲に加え、「Dream In (TiMT Remix)」を収録。日本はもちろんアジア圏で人気のある新進気鋭のアーティストTiMTがローファイ・リミックスで参加した楽曲は、チルなシーンにマッチし、東京90'sを感じる1曲へと変貌しています。
[コメント]10年前に作った1stアルバムを再びデジタルリリースすることにしました。
過去の作品を聴かれるのはただただ恥ずかしい限りですが、Kan Sanoのはじまりの記録として、当時の時代の空気を味わえる記録として、これからもサブスクで聴けるように残しておきたいと思いました。
僕にとってはもう古い音楽ですがそれはこの10年間ずっと音楽を作り続けてきた証でもあり、随分遠くまで来たのだなあと現在地との距離を改めて感じています。
今作を制作していた2010年〜2011年の1年間は人生でもっとも辛い時期でした。
リリースの前月には3.11がありました。
リリース直後に企画したライブのお客さんはたった1人でした。
デビューアルバムという言葉からイメージされる華やかさとは無縁のデビューでした。
「それまでの自分と決別して、新しいステージに進みたい。」
そんな意味を込めた「Fantastic Farewell」でした。
当時自分が抱えていた希望、不安、不満、そして音楽への情熱がここには純粋な形で今も生々しく残っています。後にも先にもこんなに追い詰められたアルバムはもう二度と作れないと思います。
リリース当時にSoundCloudとBandcampで発表した二曲も追加収録し、新たにTiMTさんのリミックスも収録しました。
当時今作を聴いてくれていた彼に時を経てリミックスしてもらえて本当に嬉しいです。
結果的になかなかのボリューム感になりました。たっぷりとお楽しみください!!
僕はさらに次に向かうことにします。――Kan Sano1stアルバム「Fantastic Farewell」10年の時を経て、リイシューおめでとうございます。
10年前、本作品はもちろんのこと、origami PRODUCTIONSが手掛けるCDを買い漁り、ライブに足繁く通っていた日々を思い出します。
その中でも特にこの作品からは、 凄まじい密度の音粒と自由自在にグリッドの境界を行き来するビートにとてつもない衝撃を受け、それに触発されて私も音楽を作り始めました。
間違いなく私を音楽作家の道へと導いてくれた作品であり、そんな作品に10年後、REMIXという形で参加させて頂けるとは思ってもおらず、とても光栄に思います。人生、本当に何があるか分かりません。
ここまで狂気と美しさを孕んだビートミュージックは世界見渡してもないと思います。ビートミュージック史に残る名盤、改めて沢山の方々に聴いて頂きたいです。――TiMT