シンガー・ソングライターとして活動し、“小説を音楽にするユニット”
YOASOBIのヴォーカルikuraとしても活躍する
幾田りらが、5月より神戸・横浜・ソウルの3ヵ所6公演で開催する3年ぶりのソロ・ツアー〈幾田りら LIVE TOUR 2026 “Laugh”〉。そのファイナル公演が、5月24日(日)ソウル・オリンピック公園 オリンピックホール公演にて開催されました。
本ツアーは、昨年12月にリリースされたアルバム『
Laugh』を記念したツアーとなっています。昨年リリースの楽曲「恋風」が自身最速でストリーミング累計1億回再生を突破。ソロとして初めて日本レコード大賞優秀作品賞を受賞し、第76回NHK紅白歌合戦にも出場など躍進するなか、満を持して2ndアルバム『Laugh』をリリース。音楽活動以外にも、声優やブランドアンバサダーでの起用など、幅広く活動を続けている彼女の今の姿を感じられる公演となっています。
さらに、今回のツアーでは、自身初となる海外ワンマン公演をソウルにて開催。チケットは発売後に即完し、追加公演が決定。スペシャルゲストには、国民的ヒップホップアーティストであるZICOと、キャッチーなサウンドで「NEMONEMO」などTikTokで大流行を起こしているYENAが登場。日本からは、
上白石萌歌、
詩羽が登場し、コラボ曲「Singalong!!!」を披露するなど、盛り上がりを見せました。5月23、24日に開催された、ソウル公演のライヴ・レポートをお届けします。
[ライヴ・レポート] 2026年5月24日(日)、シンガーソングライター・幾田りらの約3年ぶりとなるライブツアー「幾田りら LIVE TOUR 2026 “Laugh”」のファイナル公演がソウル・オリンピック公園 オリンピックホールにて開催された。
本ツアーは、2025年12月にリリースされた2ndアルバム『Laugh』を携え、神戸・横浜・ソウルの3都市にて全6公演を開催するもの。アーティストとしての現在地と、この3年間の歩みを凝縮したステージとなっている。
今回のソウル公演は、幾田として初の海外ワンマン公演。現地で待ち侘びていたファンにとっても待望のライブ開催となり、チケットは発売後即完売、追加公演が決定するほどの勢いを見せた。
開演時刻の18時。ステージ中央には、幾田が重ねてきた歳月を象徴するような巨大な円形LEDが浮かび、幻想的な光景が広がる。バンドとストリングスによる生演奏が静かに立ち上がると、会場の視線は自然とステージ中央へと引き寄せられていく。
やがて「ゆらゆらり はらはらり」という印象的なフレーズが響き渡るとともに、幾田りらが登場。ツアーの幕開けを飾ったのは、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第2期第1クールのオープニングテーマ「百花繚乱」。ダンサーを従えた軽やかなダンスで、一気に観客を楽曲の世界観へと引き込んだ。
2曲目は、韓国ドラマ『明日はきっと』のOSTにも起用された「Cafe Latte」のJapanese Version。軽やかなメロディと幾田の歌声に、観客も自然と身体を揺らす。続く「Latata」は、最新アルバム『Laugh』に新曲として収録されたヤマザキ「ランチパック」のTVCMソング。思わずクラップしたくなる曲調で、会場のボルテージもさらに高まっていく。
こうしてダンスナンバー3曲で幕を開けたソウル公演。自身初の海外ワンマン公演への喜びが溢れるMCでは、韓国語での挨拶やコール&レスポンスも飛び出し、さらに会場を盛り上げていく。
“ラフに”、“リラックスして”、“穏やかな気持ちで”、“自由に楽しんで”、今回のツアー『Laugh』のタイトルにも込められた思いをのせて、心地よい雰囲気でライブは進んでいく。
「ロマンスの約束」「パズル」「スパークル」と、ABEMA『今日、好きになりました。』書き下ろしのラブソングが続き、会場にも柔らかな空気が漂う。
「日本語でゆっくりする事を“ごゆるり”と言うんですが、ここからは皆さんごゆるりと楽しんでもらえたら嬉しいです」というMCと共に、アニメ「リラックマ」の主題歌「stay with me」が流れ始め、アコースティックセッションへ。自由度の高いアンサンブルの中では、バンドメンバーによるソロプレイも繰り広げられ、短期間のツアーの中で着実に深まっていったグルーブを感じさせた。
続いて、ピアノとの二人きりの編成で届けられたのは「レンズ」。写真を撮ることが好きだという幾田が、“大切な瞬間は写真に収めるように切り取って記憶に残しておきたくなる”、そんな想いを歌った1曲だ。ステージに運び込まれたアコースティックギターを抱え、シンガーソングライターとして活動を始めた頃の原点でもある、ギター一本での弾き語りがスタート。歌ったのは、学生時代の思い出が詰まった「吉祥寺」。吉祥寺での路上ライブから始まった幾田の活動が、今夜こうして海を渡り、ソウルのファンの元へ届いていると思うと感慨深い。幕間で流れた、幾田の音楽活動のヒストリーをまとめた映像からも、彼女がどれほどの思いを抱えてこのステージに立っているかを、ファンは感じ取ったのではないだろうか。
ライブも中盤に差し掛かり、ステージセンターで照らされた幾田は、アルバム『Laugh』収録曲「タイムマシン」をピアノ弾き語りで届ける。美しいコーラスワークで始まった「Sign」と、今この瞬間にしか生まれないような儚さをまとった2曲が続き、観客は息を呑みながらステージを見つめていた。
さらに「P.S.」「蒲公英」では、ガラリと表情の異なる楽曲を立て続けに届け、幾田りらというアーティストの音楽的な幅広さを印象付けた。
そしてDay1には、楽曲「DUET」でのコラボがTikTokなどSNSを中心にグローバルで話題を呼んだZICOがスペシャルゲストとして登場。ZICOのソロステージではヒット曲「Any Song」「Artist」が繰り出され、ステージを大胆に使ったダイナミックなパフォーマンスで会場を沸かせた。
幾田も加わり、いよいよファン待望の「DUET」へ。今夜限りのスペシャルアレンジで届けられたパフォーマンスでは、印象的な“わっしょい”“저 끝까지”のコールが響き渡り、会場は大きな一体感に包まれた。
Day2には、キャッチーなサウンドが印象的なYENAが登場。ソロステージでは、ダンサーを従え、TikTokを中心に大流行を起こしている「Catch Catch」やデビュー曲「SMILEY」にて、圧巻のパフォーマンスを披露。以前、YOASOBI「アイドル」のカバーが話題も呼んでいた彼女との待望の共演を果たし、「NEMONEMO」を歌唱とダンスで届けた。
さらにYENAに続いて、サプライズゲストで上白石萌歌、詩羽が登場。映画『パリピ孔明 THE MOVIE』エンディングテーマとして書き下ろした「Sing along!!!」をライブ初パフォーマンスし、大きな盛り上がりを見せた。
スペシャルゲストを迎えた熱気あふれるステージを終え、続いて届けられたのは、自身の数あるコラボ楽曲・カバー曲の中から厳選された1曲、松田聖子のカバー「SWEET MEMORIES」。松本隆の作詞活動50周年記念トリビュートアルバム『風街に連れてって!』に収録されたこのカバーは、幾田の伸びやかな歌声が存分に活かされたアレンジとなっており、その歌声に導かれるように、会場ではファンが自主的にスマートフォンのライトを灯し、幻想的な景色が広がった。
和やかな空気感のまま、自身最速でストリーミング1億回再生を突破した「恋風」へ。ライブも後半に差し掛かると、「Actor」「Answer」と、シンガーソングライター幾田りら、そしてYOASOBIのikuraとして、二軸で活動を続ける彼女だからこその葛藤や想いが込められた楽曲が続いていく。
今日に向けて韓国語で手紙を書いてきたという幾田からは、ライブへ足を運んでくれたことへの感謝、そして様々なことがある日々を共に歩んでいきたいというエールが綴られていた。
その思いも込めて続いた楽曲は、全ての人々へのエールを込めた「Voyage」「JUMP」。幾田と観客の歌声で完成していく応援歌と共に、会場のボルテージも最高潮へと達していく。
やまない“Lilas”コールを受けて再びステージへ現れた幾田が、ギターをかき鳴らし歌ったのは、音楽への愛と感謝、そして夢を歌った「DREAMER」。“終われないんだ 今はまだ I'm a dreamer”――その言葉と共にライブは幕を閉じた。まだまだ続いていく彼女の旅路を、これからも楽しみにしていたい。




Photo by Siyoung Song