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玉置浩二、〈故郷楽団〜Chocolate cosmos〉ツアーファイナルのオンエアに先がけライヴ・レポート公開

玉置浩二   2021/12/28 17:46掲載
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玉置浩二、〈故郷楽団〜Chocolate cosmos〉ツアーファイナルのオンエアに先がけライヴ・レポート公開
 さまざまなアーティストに提供した楽曲をみずから歌った、6年ぶりのアルバム『Chocolate cosmos』を2020年12月に発表した玉置浩二が、2021年9月から11月まで行なったコンサート・ツアー〈故郷楽団〜Chocolate cosmos〉。このツアー・ファイナルにあたる11月22日東京国際フォーラム ホールA公演の模様を収めた番組『玉置浩二 Concert Tour 2021 故郷楽団〜Chocolate cosmos』が、2022年1月2日(日)20:30から「WOWOWライブ」と「WOWOWオンデマンド」でオンエアされます。

 同公演のオフィシャル・ライヴ・レポートが公開されています。

[オフィシャル・ライヴ・レポート]
 近年、様々なスタイルで精力的にライブ活動を重ねてきた玉置浩二。交響楽団とのシンフォニックコンサート、小編成のバンド「故郷楽団」と展開する全国ホールツアー、そして年末のクリスマスディナーショー。四季を通じて、日本中に歌を届ける彼の姿があった。

 しかし、2020年。人類を襲ったCOVID-19の猛威の中、玉置はコンサート活動を断念。彼は無念を心に秘めて、6年振りとなるニューアルバムを完成させた。タイトルは『Chocolate cosmos』。「恋の思い出、恋の終わり」を意味する花言葉だった。

 明けて2021年、玉置はコンサート活動を再開。9月からは「故郷楽団〜Chocolate cosmos」と題したツアーで各地を訪れた。圧巻の歌声は、全国で新たな感動を呼び起こした。そして、11月22日。東京国際フォーラム・ホールAでファイナル公演が開催された。

 定刻を過ぎ、バンドメンバーがステージに集う。キーボードとチェロ、バイオリンが切ない音色を奏でる。インストゥルメンタル楽曲「あこがれ」だ。コロナ禍での空白期間を経て再開されたステージ、冒頭から郷愁が呼び起こされる。心の防波堤が静かにノックされるかのように、胸の中の大事な何かがそっと揺さぶられる。パーカッションが木魂し、ギターが刻まれる。故郷楽団による音楽のあつらえの中、黒いマスクを着用した玉置浩二がステージに現れる。マスクを外し、歌い出したのは「ママとカントリービール」。亡くした母への想いを、祈るように歌う。ギターを抱え歌ったのは「花咲く土手に」と「青い“なす”畑」。町で暮らす生活、家族、懐かしい記憶。ゆっくりと、聴衆は心の故郷へ還っていく。

 続く「I LOVE YOU」では、描かれた無垢なふたつの心と共に亡き尾崎豊への追憶も抱き締めるように歌う。ビートたけしに提供した「嘲笑」は、地上を照らす星空をモチーフに永遠を描いた至極の名曲。小さくブローする口笛が心をそっとなぞる。再びギターを手に歌った「aibo」では、平凡な日常の中にある確かなものが歌われる。そして、第一部のラストは中島美嘉に提供した「花束」。唯一無二の存在へ捧げる気持ちを花束に込めた純度の高いラブソング。切なさはやがて優しさへと移り行く。心の機微までも伝わる、とても繊細なステージだった。

 休憩時間を経て、第二部が始まる。故郷楽団が「Winter Leaf〜君はもういない」を奏でる中、玉置が舞台中央へと戻る。「終わらない夏」、そして「コール」。1993年に発表したアルバム『あこがれ』収録のスケールの大きなバラードたちだ。魂をすべて注ぐかのような絶唱、ホール全体が荘厳で崇高な空気に包まれる。 

 続く「サーチライト」は2013年発表の楽曲。ひとりひとりの“君”に向かって手を伸べ、声の限り歌う。振り絞るようなスキャットから溢れ出た想い。それは心の防波堤を超えて、誰もの心を満たしていった。

 そして、愚直に生きる者へのアンセムともいえる「MR.LONELY」「JUNK LAND」では、仲間たちへ熱いエールを叫ぶ。悴んだ心が解れ、やがて火が焚かれていく。大団円は、会場中が心の大合唱を重ねた「田園」。生きていくんだ、というシンプルで力強いメッセージ。歌うことで紡いできた“絆”という名の年輪がさらに太くなっていた。

 ステージと客席が生への賛歌を分かち合い、誰もが澄み渡る笑顔となった。万雷の拍手の中で感謝の言葉とメンバー紹介を綴った後、呟くように歌い出されたのは「メロディー」。大切な何かに身を委ねるような観衆の姿が印象的だった。コンサートを締めくくったのは、「しあわせのランプ」だった。今ある生命(いのち)を再びぬくもりで包み込む。慈しむような彼の歌声と笑顔が心に残った。

 荒れ地と化した時代、心の隙間を吹き荒れる嵐を誰も独りでは止めることが出来ない。かつて希望の鐘が奏でたように、玉置浩二の歌は大切なものが何かを教えてくれる。格別な余韻の中、帰路に向かう人々が万感の想いで抱いていたもの。それは歌に込めて贈られた、かけがえのない愛だった――。

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