ショーロ・クラブでの活動をはじめ、ソロでの活動や他アーティストのプロデュースでも高く評価されるマルチ・ミュージシャンの
沢田穣治が2020年に立ち上げたレーベル「Unknown Silence」より、沢田穣治&
サイモン・フィッシャー・ターナー&森崇『
correspondence ─ 往復書簡』と沢田穣治『
Conta Banda』が1月26日(水)にリリースされます。
『correspondence ─ 往復書簡』は、約20年前に沢田穣治とサイモン・フィッシャー・ターナーがあるダンスパフォーマンスのためにお互いの録音データを郵送し合いながら作り上げた音楽を、エンジニアの森崇がリミックス / コラージュを施し新たな作品として2021年に完成させたもの。時代考証を拒むかのようなフィールドレコーディング音源が多用され、時間の停滞や空白、そして対話と距離の関係をも内包するこのエレクトロアコースティック作品群が、パンデミック以降の日常を生きる私たちの耳に暖かく、心地よく響くのは何故でしょうか。
本作のリリースに先駆けるかたちで、2021年末にはレーベルの拠点である京都の映画館を舞台に写真展が企画され、その会期中にはダンサーや映像作家たちを巻き込んでのライヴ・イベントが開催されるなど、かつて沢田とターナーの間でのみ続けられていた音の往復書簡は、再開されるや否やあらゆる表現が交わるプロジェクトへと変容し始めているとのこと。宛先を増やし続けているこの“往復書簡”。是非、自由な気持ちで体感してみて欲しいところです。
また、2012年作『NoNukesJazzOrchestra』に続く、沢田の10年越しのソロ・アルバム『Conta Banda』では、まさに “SAWADA JAZZ”とでも言うべきサウンドが展開。沢田と長く付き合いのある
池長一美の知り尽くしたドラム、美しく鋭い
望月慎一郎のピアノ、如何様にも変幻するギター
馬場孝喜、ベルベットのような音色を奏でるコントラバス沢田穣治。さらに、カルテットとしてレコーディングを予定していた所、急遽参加が決まった、ブラジルから帰国したばかりのフルート
城戸夕果が加わり、心地の良い布に包まれて見る、夢の続きの様な作品集に仕上げました。“この夢”は醒めることなく、聴く人の心を癒し続けます。「沢田穣治」再始動を告げる本作に注目です。