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『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』スペシャル会見 古谷徹「15歳のアムロを演じるのはこれが最後かも」

古谷徹   2022/03/10 13:55掲載
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『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』スペシャル会見 古谷徹「15歳のアムロを演じるのはこれが最後かも」
 1979年に放送された日本ロボットアニメの金字塔にして、ガンダムの原点『機動戦士ガンダム』の第15話「ククルス・ドアンの島」を題材にした映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が、6月3日(金)より全国ロードショー。特別な記念日である3月9日“ザクの日”に、「ドアンザク」のヴィジュアルとククルス・ドアン役のキャストが発表され大きな反響を呼ぶ中、ザクの日を記念してスペシャル会見が実施されました。

 登壇者は、43年ぶりに15歳のアムロを再び劇場版で演じ、新たなドラマが詰まった本作での活躍を期待させるアムロ・レイ役の古谷徹。ジオンの脱走兵として戦争孤児の子供たちと孤島に暮らし、本作ではドアン専用ザクを操ったガンダムとの決闘シーンが必見のククルス・ドアン役の武内駿輔。さらに、TVシリーズ『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイン・アニメーションディレクターであり、累計発行部数1,000万部を超えるヒット作『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』を手掛け、満を持して再び本作で監督を務める安彦良和監督。この3人で、ザクの日にふさわしい発表と共に、さまざまな話を展開しました。

 冒頭の挨拶で、古谷が「40年ぶりにアムロを演じられてこんなに嬉しいことはない!」とアムロの名セリフを披露し会場を沸かせてイベントがスタート。

 初めに、ファンの間で神回と言われた『機動戦士ガンダム』第15話が映画化することを聞いた際の感想を、古谷「驚きました。たった30分の話をどうやって2時間近くの映画にするんだろうと気になっていました。放送当時、ファンの方の間で話題になった素敵なストーリーの回だったので、現代の技術を駆使して、映画としてよりクオリティの良い作品になるんだなとワクワクしました」と期待に胸を膨らませている様子。

 また、そもそもなぜ今回ククルス・ドアンの島を映画化したのかという質問に対して、安彦監督は「自分に聞きたいくらいです(笑)」と冗談まじりに答え、「説明すると長くなるんですが、簡潔に伝えると“偶然と必然が絶妙に絡み合って、映画化しよう”ということになりました。サンライズの新旧2人の社長さんがたまたま一緒の場にいるところで直接申し出て、その場でお受けいただきました。制作は順調で、こないだダビングを終わらせたので、もうすぐ完成です」と続けました。

 ここで、本日1つ目の発表。スクリーンには2枚のヴィジュアルが投影されました。まずはホワイトベースクルーが一堂に勢揃いし、まさに帰還を想起させるヴィジュアルについて。古谷「懐かしいですね。手を上げているところとかTVシリーズのOPでも出てきますしね…ひと目で安彦さんのキャラクターだなって感じます」と感慨深い様子でコメント。

 安彦監督は「総作画監督の田村篤さんが心を込めて描いてくれました。古谷さんのアムロの声はTHE ORIGINでいただいているんですけど、無名の少年だったんです。今回は、リニューアルいただいた声優さん方にもふんだんにお声をいただいて、まさに帰ってきた、ということです」とホワイトベース隊の声優が変わったことに触れつつホワイトベース隊の帰還に対する喜びを吐露。

 武内は「昔ながらのデザインではあるけれど、令和で改めて見てみてもやっぱり良いなと思える、魅力的なキャラクターたちの全てが詰まっているようなビジュアルだなというふうに思います」と安彦監督ならではの魅力を語りました。この、40年ぶりの再会を描いた素敵なヴィジュアルは、3月11日(金)より全国の公開劇場で特別バナーとして順次掲出予定。

 続いて一方の、本作で一際、際立つ異形のザクとガンダムが対峙しているヴィジュアルを見て、武内は「あえてザクが前に来ているのが、メッセージ性を感じます。ドアンザク独自のデザインや変更点がよく見えるようなヴィジュアルで、昔から変わらない、でも変わっているんだなと感じました。背景の作り込みも、より世界観を楽しめると思います」とコメント。続いて、古谷は「雷鳴が激しい戦いを象徴していますね。これを見ているだけで、ドアン強いじゃんて思ってしまいます」とザクの存在感に圧倒されていました。

 そして3月9日、ザクの日の朝に発表された、出演発表から反響がもの凄いが、本作でファンの思い出深いククルス・ドアン役を演じるにあたり、武内は「劇場版ならではのドアンなので、今までのイメージを崩さないのは大前提として、僕としてのドアンを演じさせていただきました」と自身のこだわりを語り、「オファーをいただいた際、主演の一人とお伺いしたので、ガンダムに乗れるかと思っていたら、まさかのザクだったので驚きました。逆にザク乗りという肩書きを語れるのはなかなか無い機会なので嬉しかったです」と喜びを綴ります。

 また、安彦監督は、今作への想入れについて聞かれると「限りなくオリジナルを作っている気がしました。前回はTHE ORIGINのコミックの映像化だったんですが、新作を作っている気がしなく、というのもORIGINは自信があったので、そのまま映像化しました。なので、今回は新作を作っているようで、非常に新鮮で心地いい体験ができました」と、手応えを語り、実際に声が入った映像を見た監督は、「(制作状況としては)僕の役目はほぼ終わりましたので、今はスタッフが血眼になって仕上げています。武内さんの声が良く、みんなで聞き惚れてました。古谷さんは、さらにお若くなられて…絵的にはアムロはウブな少年なんですが、非常にハマってました」と語り、それに対し古谷は「安彦監督がアムロの動きとか表情、一挙手一投足をすごく丁寧に描いてくださっているので、すごく役に入りやすかったです」と互いに称賛し、本作への期待を高めました。

 ここで、ザクザク情報を解禁してきたが最後の発表になり、特報映像が流れました。この特報を初めて見たという古谷は「10回くらい見たいです」と圧巻のクオリティに感激の様子。武内は「鳥肌がたちました!基本的にメカはCGなんですけど、1カットだけ手描きのガンダムがいるという、CGと手描きがどっちもあることによって生まれる感動ですよね」と大絶賛。このコメントを聞いた安彦監督は「武内さん、よくわかったね。最初からメカをCGにお願いしたんですけど、今武内さんがおっしゃたように、手描きもある。総作画監督の田村さんが書いてくださったんですが、スタッフの愛が随所に現れています」とコメントし、本作の敏腕スタッフ陣の努力の賜物ということが感じられます。

 さらに武内は「表情が見える映像がというか、やはりMSの定義を改めて感じました。人間の感情がぶつかり合っているのを感じ取っていただけるんじゃないかと思います」、古谷は「言いたくないけど、(ザクが)かっこいいですよね。すごい迫力です。MSの動きが超リアル。重量感というか、それは今までのガンダム作品で見たことないくらい動くんですよね。そこは見どころだと思います」と語りました。

 安彦監督は「リアルについては、キャッチコピーのように、大地に立つが好きなんです。ガンダムはそもそも宇宙ものなので戦闘シーンも宇宙が多いイメージですが、それとは違うものをイメージして作りました。懐かしく感じておりまして、それは期待していただいていいかなと思います。足が地についたドラマです。いろいろな意味で。そこを楽しんでいただけたらと思います」と語り、古谷は「ジリジリとゆっくり対峙して、間合いを見切るとスパッと。この辺の緩急がかっこいいんですよ」と続け、安彦監督は「色々なスタッフの努力の賜物だと思います。CGさんの仕事は面白かったです。CGさんは意外と遊んでくれているなと。デフォルメとか凄いんです。柔軟に仕事をするなと思いました。柔軟な動きはアニメーターの手描きが…と思ってましたが、そんなこともなかったですね。凄いです」と語りました。

 ここで、ツイッターでファンから募集したQ&Aのコーナーへ。「実年齢と差があるキャラクターを演じる上でのやりにくさややりやすさはありましたか」という質問に古谷は「やりにくさはない、忘れることは全くないですから。作画でもアムロを生き生きと描いてくださっていたので、自然に15歳のアムロに戻れました」と回答。武内は「実年齢との差をどう埋めていくか…ですが、ファーストガンダム当時に描かれていた大人のイメージのまま、現代版にブラッシュアップしようとしました。当時よりも青さが洗練されていて、職人魂を感じるアムロがいたので、掛け合いの苦労というより、他のキャストの方々に作っていただいた雰囲気を壊さないよう、前向きな気持ちで取り組みました。僕も同じように長い年月をかけてこうなりたいなと思いました。プレッシャーに打ち負けるのは、作品に失礼だなと、プロとしての自覚を持って挑みました」と役作りに対する想いを熱く語りました。

 そしてここで、残念ながら終了の時間に。最後の挨拶では、古谷は「40年ぶりにRX-78-02ガンダム、未熟で純粋なアムロ・レイがスクリーンに帰ってきます。僕が劇場で15歳のアムロを演じるのはこれが最後になるのかもしれません。この映画でイキイキと動いているアムロ、僕の声を皆さんの中にとどめておいていただきたいです。ファーストを見ていた人は、ああ!と思うポイントが随所に散りばめられているので楽しめると思います。皆さんに劇場でご覧いただいてこのククルス・ドアンが何を訴えかけているのか考えてほしいです。ありがとうございました」と、メッセージ。

 武内は「ガンダムの予備知識が全くなくても楽しめると思います。気軽な気持ちでスクリーンに足を運んでいただけると幸いです」と、ガンダムを知らない人も楽しめるとアピール。

 安彦監督は「古谷さんが最後かもしれないのと、同じように僕にとってのガンダムは最初の『機動戦士ガンダム』しかないんです。思い残すことはないので、ガンダムを映像で作るのはこれで最後だろうと思います。一つ嬉しかったことがあります。今回古谷さんにトップバッターでアフレコをやっていただきました。収録後に古谷さんから『家で練習してて泣きました』と言われて、一言で自信がつきました。期待していただいて良いかと思います」と、公開を待つファンへのメッセージを送り、イベントは終了しました。

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©創通・サンライズ

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』
2022年6月3日(金)より全国ロードショー
g-doan.net
配給: 松竹ODS事業室
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