辻一郎のソロ・ユニット“
Dissecting Table”が、CDR『Jailed Terrorist』を13枚限定で5月14日(土)にリリース。
辻一郎は1966年生まれ。東京で86年から“Dissecting Table”という名義でノイズ・インダストリアル・ミュージックの制作を開始して、98年に故郷の広島に戻り音楽活動を展開。おもに自主レーベル「UPD organization」とヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきました。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していましたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行なうようになり、現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作しています。
開発したシンセサイザーシステムは、主に、コンピュータ、universal serial bus(USB)接続デバイス、ラインセレクタ、フィルタ及び、ミキサーで構成されています。本作『Jailed Terrorist』で用いたフィルタは、複合型シンセサイザー、白色化フィルタ、バイカッド回路、オールパスフィルタ及び、状態変数フィルタです。複合型シンセサイザーは、主に、ウィーンブリッジ発振器、バイカッド回路、乗算器及び、電圧制御回路で構成されています。白色化フィルタは、入力信号であるpulse width modulation(PWM)信号と疑似ランダム信号を論理演算しています。従来のデジタルシンセサイザーと異なる音色を作るため、アナログフィルタとカスケード接続していたデジタルフィルタを用いませんでした。
本作の4曲目は、USB接続デバイスから出力される5つのPWM信号を5つのスピーカに入力しました。5つのスピーカから再生されるPWM信号をダミーヘッドマイクで録音しました。ヘッドフォンで再生することにより、立体的な音響を楽しむことができます。7曲目は1曲目のライヴ録音です。本シンセサイザーシステムは、32チャンネルスピーカで再生できます。正方形の1辺に8チャンネルスピーカを置いて音像定位の制御を行います。この8チャンネルスピーカを正方形の4辺に配置させることにより、音像定位を左右前後に制御することができます。更に、ラインセレクタでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号とフィルタの接続が変更されるため、フィルタと接続するミキサーの入力信号も変わります。各ミキサーの出力は8チャンネルのため、各ミキサーと接続する8チャンネルスピーカの音色は様々に変化します。曲は、正方形に配置した32チャンネルスピーカの重心にダミーヘッドマイクを置いて録音をしました。ヘッドフォンで再生することにより、このシンセサイザーシステムの音響を楽しむことができます。