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ニコラス・ペイトン&ブッチャー・ブラウン、マイルスとコルトレーンの名盤を再構築したコラボ・アルバムを発表

ニコラス・ペイトン   2026/05/19 12:31掲載
ニコラス・ペイトン&ブッチャー・ブラウン、マイルスとコルトレーンの名盤を再構築したコラボ・アルバムを発表
 マルチ奏者 / プロデューサー、ニコラス・ペイトン(Nicholas Payton)と、USジャズ~ヒップホップ・シーンで高い評価を集めるリッチモンド発のコレクティブ、ブッチャー・ブラウン(Butcher Brown)がコラボレーション・アルバム『A Supreme Blue』を7月24日(金)に発表します。

 このアルバムは、マイルス・デイヴィスの『Kind of Blue』(1959年)とジョン・コルトレーンの『A Love Supreme』(1965年)というジャズ史に残る2枚の歴史的名盤を独自の視点で再構築したもの。アルバムに収録されるジョン・コルトレーンの「Pursuance」と、マイルス・デイヴィスの「All Blues」のオフィシャル・ライヴ・パフォーマンスが公開されています。

 本作は、マイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンの生誕100周年を記念して制作されました。プロジェクトのきっかけとなったのは、ブッチャー・ブラウンのライヴで起きた偶発的なセッション。ペイトンがステージに飛び入り参加し、ハウス・ミュージックの要素を取り入れたグルーヴの上で、コルトレーン「Acknowledgement」の冒頭フレーズを吹き始めたことで、その場に強い化学反応が生まれ、その夜、ペイトンはドラマーのコーリー・フォンヴィルに「一緒にレコードを作るべきだ」とメッセージを送信しました。

 ペイトンとフォンヴィルの付き合いは2010年まで遡ります。フォンヴィルがBrubeck Instituteに在籍していたとき、ペイトンはアーティスト・イン・レジデンスとして参加しており、スウィングとグルーヴの両方を自在に行き来するフォンヴィルの才能を早くから高く評価していました。

 本作の核となったのは、『Kind of Blue』と『A Love Supreme』に共通するモーダルなアプローチやスピリチュアルな要素、そしてアフリカ由来のリズム感覚でした。ペイトンは、「Acknowledgement」に流れるモザンビーク由来のグルーヴや、エルヴィン・ジョーンズのドラミングに宿るアフリカ音楽的感性に着目。それらをハウス・ミュージックのビート感覚と融合させることで、本作独自のサウンドを生み出しています。

 レコーディングは米・バージニア州リッチモンドのSpacebomb Studiosで、リハーサルを行なわず、最小限の準備のみで進行。楽曲はスタジオの空気感から自然発生的に生まれていきました。

 公開された「Pursuance」はアルバムを象徴する一曲です。R4ND4ZZOがベースラインを弾き始め、そこへメンバーが加わり、ペイトンがそのまま録音をスタート。Tennishuがテナーサックスを吹き、キーボード不在の編成だったことで、想定外のダークなムードを持つ楽曲へと発展しました。

 『A Supreme Blue』はたんなるトリビュート作品ではありません。オリジナル作品への敬意と、ミュージシャンたちの創造性、そして音楽そのものが自由に進化していく可能性を信じた作品です。フォンヴィルは今作について「これは本当に新しい作品だと思う。彼らも、自分たちの音楽が1959年や1965年当時と同じ形で演奏され続けるだけではなく、こうした新しい形で解釈されることを喜んでくれたはず。今は2026年なんだから」と語っています。




Photo by The Sunroom

ニコラス・ペイトン&ブッチャー・ブラウン『A Supreme Blue』
i.concordjazz.com/np_bb_asupremeblue
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