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映画『ワン・ハンド・クラッピング』公開を記念した和田唱×藤本国彦トーク・イベントのレポートが到着

ポール・マッカートニー   2024/10/02 18:01掲載
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映画『ワン・ハンド・クラッピング』公開を記念した和田唱×藤本国彦トーク・イベントのレポートが到着
 ポール・マッカートニーウイングスが1974年に行なった歴史的レコーディング・セッションの模様を収める、ライヴ・ドキュメンタリー映画『ポール・マッカートニー&ウイングス - ワン・ハンド・クラッピング』。この映画の公開を記念して9月26日に開催された和田唱藤本国彦によるトーク・イベントのレポートが公開されています。

 映画は10月4日(金)に全国拡大公開がスタート。10月6日(日)には萩原健太と藤本国彦によるトーク・イベントが東京・TOHOシネマズ 日本橋(ドルビーアトモス・スクリーン)で開催されます。

[トーク・イベント オフィシャル・レポート @TOHO シネマズ 日比谷]
 9月26日(木)、『ポール・マッカートニー&ウイングス – ワン・ハンド・クラッピング』の初劇場公開を記念し、和田唱さんと藤本国彦さんによる上映後トークイベントが開催されました。

 ミュージシャンの視点からビートルズの魅力を掘り下げ、特にポール・マッカートニーの大ファンとしても知られる和田唱さん(TRICERATOPS)、ビートルズ研究家として多くの書籍を執筆され、本作の字幕監修も務められた藤本国彦さん。本編上映後、満席の会場からの大きな拍手に迎えられてお二人が登壇。改めて客席に目をやりながら、「平日の夜にもかかわらず、満員完売ということですごいですね」(藤本国彦さん)、「この景色を見てワクワクしますね。嬉しくなってしまいました。ようこそ」(和田唱さん)と話されたお二人。和やかなムードに包まれる中、対談がスタートしました。

 “ちょうど50年経つので、それだけでも公開の意味がありますね”(藤本さん)という本作、当時のポール・マッカートニー&ウイングスに関して、「この時のポールは32歳、ビートルズが解散して4年、油が乗っていますよね。改めて音楽と一体化しているな、って思いました」と和田さん。藤本さんからは「バンドで言うと『バンド・オン・ザ・ラン』(1973年)のナイジェリア・ラゴスでのレコーディング前にメンバーが二人抜けて、ポール、リンダ、デニー・レインの3人で録音して戻ってきて、ジミー・マカロック(G)が参加して音を足してリリースした後、大成功したんですよね。この作品は、ジェフ・ブリトン(D)も一緒にナッシュビルで「ジュニアズ・ファーム」をレコーディングして戻ってきた所です。ポールとしてはまた5人のバンドに戻れて、ツアーも含め、さあこれからやろうという時期でもありますね」と収録当時の背景解説がありました。

 6月にリリースされたアルバムと共に、非公式バージョンが最も出回った作品という逸話が公にされている本作、藤本さんももちろん、20代の頃知り合いからVHSをプレゼントされ“ハマってしまってよく観ていたし、ピアノの弾き語りシーンが特に好きだった”という和田さん。藤本さんから「ポールのピアノに関してはいかがですか?」と問われると「やっぱり最高ですね。自由自在というか。決してテクニカルなことをやっているわけではないんですけれど、うまいんですよね。それに、最後のギター弾き語りもそうですけれど、ピアノだけで弾き語るポールがこんなに長く観られる作品も他にないですよね」とやり取り。貴重なシーンに関して藤本さんから「ピアノ弾き語りは確かに『ゲット・バック』で少しあるくらいですね。曲も、10代の頃ポールが作った〜映画の中でキャバレーソングと話していましたけれど〜ペギー・リーに贈った〈Let's Love〉とか、〈Take It Away〉のB面に入っていた〈I'll Give You A Ring〉、シナトラにプレゼントしようとして断られたという〈Suicide〉などレア目の曲でしたね」と曲に関して言及があると、「僕、コピーしていたんですよ」と和田さんがそれぞれの曲のフレーズを歌い、「こんなに素敵な未発表曲があるポールっていうのもすごいですよね」と話され、会場が湧く場面も。

 途中、和田さんから「一言で言って映像はシュールですよね。なぜならば1974年という時代だから。映像の質感、カメラアングルも含めてロードムービー的というか、ポールを観たいのになんでカメラが動かないんだって思うくらい。すごく70年代らしいなと思いました」との考察や、高校時代に雑誌『Olive』に取材された際、「憧れのミュージシャンは?という質問に“ウイングスの時のポール・マッカートニー”と答えていることをよく覚えているんです。当時オアシスが出てきた位のタイミングにそう言っていて。ずっと好きだったんですよね」という秘話が披露される一幕もありました。

 終盤に、藤本さんから「ビートルズが60年代のバンドだとすると、ウイングスは70年代のバンド。ウイングスの“オーヴァー・アメリカ”(1976年)は、ビートルズのシェイ・スタジアムのようなもので、それぞれ半ばの65年、75年頃が頂点と、同じ様な道を歩んでいるんですよね。その中でこの作品は(その頂点を迎える)直前のポールのエネルギー、熱意が一番出ている頃ですよね。1回じゃ足りないので、また観に来ようと思っています」と話されたのに続き、和田さんからは、「これを期にウイングスに改めてハマりたい気分になりましたね。最近『レッド・ローズ・スピードウェイ』を聞き直して、個人的評価がぐっと上がっている。そういうのが楽しいんですよね」とのお話があると、「そうですね。『バック・トゥ・ジ・エッグ』までいいアルバムを出していますのでね」(藤本さん)「ぜひ、皆さん、ウイングスを。他の映像も映画館で皆さんといっしょに観られる日が来たらいいな、と思っています」(和田さん)と話され対談は終了に。

 最後の写真撮影では、「皆さん一緒に撮りましょうよ!」という和田さんの呼びかけで、客席とお二人、全員でウイングスのハンドサインをしての記念撮影も行われ、和気あいあいとしたイベントは終了となりました。



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カルチャヴィル
www.culture-ville.jp/onehandclapping
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