『2001年宇宙の旅』『シャイニング』『時計じかけのオレンジ』など、その革新的な映像で世界中の映画ファンを熱狂させてきた巨匠、
スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)。一般的に彼の“劇場映画デビュー作”とされる『非情の罠』以前に製作、公開された幻の作品『恐怖と欲望』(原題:Fear And Desire)が5月3日(金)より、オーディトリウム渋谷にて公開されます(全国順次公開)。
わずかなキャスト&スタッフ、そして低予算で製作されながら、公開時は批評家などから好評価を得ていたという『恐怖と欲望』。その最大の不運は、監督自身に忌嫌われてしまったこと。“完璧主義者”として知られるキューブリックは本作を“アマチュアの仕事”と、プリントをすべて買占め封印し、幻の作品となる羽目に……。
ですが、2012年3月にニューヨークのリンカーン・センターで行なわれた特集上映では、いちプログラムとして公開され大きな話題に。2013年現在、残されたプリントはわずか一本。ニューヨーク・ロチェスターのコダック・アーカイヴに保管されています。この貴重な機会をお見逃しなく。
※2013年5月3日(金)オーディトリウム渋谷ほか全国順次公開
■『恐怖と欲望』
[STORY]
どこかの国で起こっている戦争。爆撃を受け敵地の森へ墜落した4人の兵士たちがいた。空軍の上官コービー中尉(ケニス・ハープ)、ベテランのマック軍曹(フランク・シルヴェラ)、若い新米のシドニー二等兵(ポール・マザースキー)とフレッチャー(スティーヴ・コルト)二等兵。彼らは森に沿って流れる河を、筏を作り下って脱出することを計画し、その対岸に敵軍のアジトを発見する。マック軍曹は奇襲をかけることを提案するが、コービー中尉に反対される。翌日、河で洗濯中の地元の女性(ヴァージニア・リース)に姿を見られた 4人は彼女をベルトで木に縛り付け拘束する。女性の見張をしていたシドニー二等兵は女性に欲情し犯そうとするが、彼女は彼を振り払って逃げ出す。敵に知らされることを恐れたシドニー二等兵はとっさに腰につけた拳銃を抜き、彼女を射殺してしまうのだった……。
監督・製作・撮影・編集:スタンリー・キューブリック
脚本:ハロルド・サックラー
音楽:ジェラルド・フライド
出演:ケニス・ハープ / フランク・シルヴェラ / ポール・マザースキー / スティーヴ・コルト / ヴァージニア・リース
配給:株式会社アイ・ヴィー・シー
配給協力:コピアポア・フィルム