12月8日は、フィンランドを代表する作曲家 / ヴァイオリニストのジャン・シベリウスが生まれた日ということで、それを祝して「フィンランド音楽の日」に制定され、“シベリウスデー”とも呼ばれています。
シベリウスは、1865年12月8日にフィンランドのハメーンリンナに誕生。当時帝政ロシアの圧政に苦しめられていたフィンランド大公国は、フィンランドとしてのアイデンティティを取り戻す独立運動を起こしていました。厳しい検閲に耐え抜く新聞社を称える「新聞の日」に、6幕からなる歴史劇を上演。その最終幕に「フィンランドは目覚める」を作曲したシベリウスですが、その後同曲を編曲・改訂し、曲名を「フィンランディア」として発表。すると、フィンランドへの愛国心を高める力強い楽曲は、帝政ロシアに演奏を禁止されるほどフィンランド国民の心が熱く燃える曲なり、アレンジを替えたり歌詞がついて歌われるなど、世界中に広まる楽曲となりました。
そのほか「カレリア組曲」「悲しきワルツ」「クレルヴォ交響曲」「トゥオネラの白鳥」など交響曲を中心に多くの楽曲を手掛け、後期ロマン派から近代にかけて活躍した、フィンランドの最も偉大な作曲家として知られています。
サンタクロース、サウナ、モルックなどで有名な森と湖の国“スオミ”ですが、ヘヴィメタル・バンドが数多く存在する“ヘヴィメタ大国”としても知られています。1998年よりヘルシンキで開催されている北欧最大のヘヴィメタル・フェスティバル〈トゥスカ〉(Tuska)は、毎年参加者が増加し3万人以上を動員するなど、世界のメタルファンが熱狂するイベントとなっています。
また、ギターの弾き真似演技を競う“エア・ギター”の本場としても有名。1996年よりフィンランドのオウルのフェスにて「エア・ギター世界選手権」が行なわれており、2006年と2007年に
ダイノジおおち、2014年、2018年、2023年に
名倉七海が、それぞれ日本代表として優勝を果たしています。
フィンランドの人気アーティストとしては、80年代から活躍する
ストラトヴァリウスや、
メタリカのカヴァーを機にデビューし、
布袋寅泰や
VAMPSとも共演したアポカリュプティカをはじめ、
アモルフィス、ウインターサン、
エンシフェルムといったメタル系バンドのほか、
マイケル・モンローがヴォーカルを務める
ハノイ・ロックス、ア・カペラ・シーンのカリスマ的存在として世界各地でコンサートを行なっている男女6人組ア・カペラ・グループの
ラヤトン、ギターのスラップ奏法や
マイケル・ジャクソンのカヴァーなどで注目を浴びている、フィンランドの伝統楽器カンテレをポップスやロックなど現代的なサウンドと融合させたしたイーダ・エリナなどが挙げられます。
最も有名な楽曲のひとつといえるのが、「サンドストーム」ではないでしょうか。同曲はフィンランドのDJ / プロデューサーのダルード(写真)がデビュー・アルバム『ビフォア・ザ・ストーム』からリード・シングルとして発表したインストゥルメンタル曲で、当初は1999年にレコードで発表。その後、2000年に入ってから世界の多くの国で再リリースされ、スポーツ番組や映像のBGM、インターネットの“ミーム”として使われています。全英3位、ノルウェー、カナダで1位など世界のチャートで上位にランクインし、アーティストや曲名を知らずとも、耳にしたことがあるのではないでしょうか。