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三姉妹の日! “三姉妹”と聞いて思い浮かぶ音楽グループは?

ポインター・シスターズ(THE POINTER SISTERS)   2022/03/04掲載
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姉妹や親戚がメンバーのグループは少なくないと思いますが、たとえば三姉妹のグループがいたりしたら教えてほしいです。
 3月4日は、バウムクーヘンの日、スカーフの日、雑誌の日などの記念日となっていますが、実は“三姉妹の日”でもあります。“さん・しまい(3・4)”の語呂合わせと、ひなまつりや国際女性デーなど3月は女性に関する記念日が多いということから、三姉妹についての調査・研究を行っている三姉妹総合研究所が制定し、日本記念日協会が認定しています(三姉妹の研究所があることにも驚きましたが)。

 そこで、音楽シーンにおける三姉妹グループを少しばかり調査してみました。なお、今回は架空の三姉妹は除き、“リアル”な三姉妹グループを見ていきたいと思います。

 まずは、米カリフォルニア州オークランド出身のコーラス・グループ“ポインター・シスターズ”です。1971年にアニタ、ボニー、ジューンのポインター姉妹3人組として契約し、その後、ルースを加えた姉妹4人組となり、73年に「イエス・ウィ・キャン・キャン」がヒット。ボニーがソロへ転向して3人組になってからも、78年の「ファイアー」が全米2位、80年の「ヒーズ・ソー・シャイ」(邦題「内気なボーイ」)が全米3位、81年の「スロー・ハンド」が全米2位、84年の「ジャンプ」が全米3位とヒット曲を連発。グラミー賞も3度受賞を果たしています。現在はルース、ルースの娘のイッサ、孫のサダコの3人組として活動を継続しています。

 ちなみに、ポインター家の長兄のアーロン・ポインターは、70〜73年の3シーズンにわたってプロ野球チームの西鉄ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)に所属し、内外野をこなすユーティリティプレイヤーとして活躍しました。

 続いては、シカゴ出身のソウル・ヴォーカル・グループの“エモーションズ”です。ジャネット、ワンダ、シーラのハッチンソン三姉妹が幼少からハッチンソン・サンビームというゴスペル・グループを組んで歌い始め、その後にソウル / R&Bへ転向し、68年にエモーションズとして名門スタックスからデビュー。ジャネットが結婚でグループを去り、スタックスが倒産などピンチもありましたが、アース・ウインド&ファイアモーリス・ホワイトとの出会いで好転。77年にホワイトがプロデュースしたディスコ・チューン「ベスト・オブ・マイ・ラヴ」(アルバム『リジョイス』に収録)が全米1位となり、グラミー賞を受賞すると、79年にはアース・ウインド&ファイアにゲスト・ヴォーカルとして参加した「ブギー・ワンダーランド」もヒット。実力派姉妹グループとして長く親しまれ、DJたちが頻繁にプレイするディスコ・チューンを多く遺しています。

 次はヴォーカル・グループではなく、バンドのリアル・シスターズをピックアップ。ロサンゼルス近郊のサンフェルナンドヴァレー出身の“ハイム”は、エスティ、ダニエル、アラナのハイム三姉妹からなるトリオ・バンド。2013年リリースのデビュー・アルバム『デイズ・アー・ゴーン』が全英1位、全米6位を記録し、グラミー賞の最優秀新人賞にノミネートされました。2017年のシングル「ウォント・ユー・バック」は日本を含む複数国のSpotifyバイラルチャートで1位を記録。また、2020年発表の3rdアルバム『ウーマン・イン・ミュージック Part III』は、翌年の第63回グラミー賞の年間最優秀アルバムにノミネートされるなど、メディアからも高い評価を獲得しています。

 日本においては、沖縄県出身のレオナ、クララ、リリカの新里三姉妹からなるコーラス・グループ“EVE”が知られるところでしょうか。1976年にApplesとしてデビューし、78年にEVEと改名。浅田飴のTV-CMソングに起用された87年の「恋はパッション」をはじめとするシングルやアルバム、LEONA, CLARA & LILIKA名義でのカヴァー・アルバムなどをリリースするも、自身としては思いのほかヒットに繋がらなかったのですが、その実力はバックコーラスにて発揮されました。特に80年代以降の歌謡シーンを盛り上げた多くのヒット曲でEVEのコーラスは重宝され、ドラマ『スクール☆ウォーズ』の主題歌としてヒットした麻倉未稀の「ヒーロー」をはじめ、杏里の「CAT'S EYE」や「悲しみがとまらない」、郷ひろみ「2億4千万の瞳」、中森明菜飾りじゃないのよ涙は」「DESIRE -情熱-」、荻野目洋子六本木純情派」など当時のヒット曲のコーラスには不可欠な存在として知られていました。特に筒美京平作品においては、たとえば、河合奈保子エスカレーション」、早見優夏色のナンシー」、田原俊彦「哀愁でいと」、小泉今日子まっ赤な女の子」「ヤマトナデシコ七変化」「なんてったってアイドル」、少年隊ABC」、中山美穂派手!!!」などに参加し、“筒美作品にEVEあり”と言っても過言ではないほど、枚挙にいとまがありません。

 そのほかでは、80〜90年代のシティ・ポップや歌謡曲のエッセンスとダンス・ミュージックをミックスした音楽性を特色とする、愛未(あみ)、眞珠(ましゅ)、愛華(あいか)によるダンス・ヴォーカル・ユニット“三姿舞”や、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、2020年8月に解散となってしまいましたが、莉子(りこ)、咲希(さき)、南桜(なお)の橘三姉妹によるアイドル・ユニット“charm*charm”(ちゃむちゃむ)などが“リアル三姉妹”グループとして挙げられます。

 1年に1度しかない「三姉妹の日」に、上記以外も含めた三姉妹グループの楽曲を聴いてみるのも、週末を楽しむアイディアの一つになるかもしれません。

(写真は、2018年9月リリースのポインター・シスターズのベスト・アルバム『ベスト・オブ・ポインター・シスターズ』)
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