1月28日には、アメリカのヒップホップ・シーンを代表するアーティストが何人か生まれています。そのなかから、
ラキム、
リック・ロス、
J.コールの3名について、簡単に経歴をたどってみましょう。
ラキムは、1968年にウイリアム・マイケル・グリフィン・ジュニアとしてニューヨーク州ワイアンダンチで誕生。“R&Bの女王”と謳われた
ルース・ブラウンの甥にあたり、アーティスト名はイスラム教団体に入会した際に名乗ったラキム・アラーに由来しています。
1986年にDJ / ラッパーのエリック・Bと
エリック・B&ラキムを結成。ラキムの詩を語りかけるようなリリシストと呼ぶにふさわしいスタイルは、後のヒップホップ・アーティストにも大きな影響を及ぼし、ヒップホップの歴史のなかで最も影響をもたらしたラッパーと評する人も少なくありません。
エリックB&ラキムは1993年から袂を分かつこととなりますが、2016年に23年ぶりに再結成を発表。翌年7月にニューヨークのアポロシアターでデュオとして再結成ライヴを行ないました。ソロとしては、デュオ解散後の1997年にデビュー・アルバム『
ジ・エイティーンス・レター』をリリース。全米4位、全米R&Bチャート1位のヒット作となりました。2009年の3作目『
ザ・セヴンス・シール』以降はしばらくアルバム・リリースがありませんでしたが、2024年に約15年ぶりのアルバム『
G.O.Ds ネットワーク-REB7RTH』(写真)を発表。2025年に『The Re-Up』をリリースしています。
リック・ロスは、1976年にウィリアム・レオナルド・ロバーツ2世としてミシシッピで生まれ、フロリダ州マイアミで育ちました。180センチ超、体重150キロともいわれる大きな身体に分厚いあご髭とサングラス姿という、いかつい風貌もインパクト大です。
〈デフ・ジャム〉傘下のメジャー・レーベル〈スリップ・ン・スライド〉と契約を結び、2006年に発表したデビュー・アルバム『ポート・オブ・マイアミ』がいきなり全米1位に輝くと、2008年の『トゥリラ』、2009年の『ディーパー・ザン・ラップ』まで3作連続全米1位に。4作目の『テフロン・ドン』こそトップの座を逃しましたが(それでも全米2位)、2012年の『ゴッド・フォーギヴズ、アイ・ドント』、2014年の『マスターマインド』で再び連続全米1位に返り咲いています。
“ブーミング”ともいわれる爆発的なヴォーカル・スタイルと巨漢により、名実ともにヒップホップ・シーンの重鎮として名を馳せてきたリック・ロスですが、洋梨で大幅な減量に成功し、洋梨生産農家から感謝されたという逸話も。2021年の『リチャー・ザン・アイ・エヴァー・ビーン』まで11枚のアルバムを発表。2026年にはアルバム・リリースが予定されています。
最後に紹介するJ.コールは、1985年にジャーメイン・ラマー・コールとして当時の西ドイツ・フランクフルトで誕生しますが、8ヵ月後にノースキャロライナ州ファイエットビルへ移ります。10代からラップや音楽制作を始め、高校卒業後にニューヨークのセント・ジョンズ大学で学び、ラッパーやソングライター、プロデューサーとして精力的に活動しました。
2009年に
ジェイ・Zの〈ロック・ネイション〉と契約。
ケンドリック・ラマーを手掛けるほか、
カニエ・ウェスト(イェ)楽曲への客演や
ドクター・ドレ、
DJプレミアらから期待されていたJ.コールは、2011年のデビュー・アルバム『
コール・ワールド:ザ・サイドライン・ストーリー』が全米初登場1位のビッグヒットとなると、一躍トップランナーとして名を広めました。
以降も2013年の2作目『
ボーン・シナ―』から2021年の6作目『ジ・オフシーズン』まで、デビュー作から連続6作全米1位の快挙をなし遂げ、その勢いはとどまることを知りません。2026年2月には7作目の『ザ・フォールオフ』のリリースも予定されており、連続全米1位記録を7に伸ばすのか、その動向も注目されています。