同じ誕生日のアーティストたちの楽曲をプレイリストにしてしまおうという企画「バースデープレイリスト」の3月18日篇。10組のアーティストからそれぞれ1曲、計10曲を選んでみました。
魅惑的な低音ヴォイスと都会的なメロディで“ムード歌謡”のジャンルを切り拓いた
フランク永井。元来ジャズを得意とするもセールスがふるわなかったため、歌謡曲へ転向すると、1957年の「有楽町そごう」キャンペーンの一環として発表された「有楽町で逢いましょう」が大ヒット。翌年の同名映画ではフランク永井が本人役で出演し、「有楽町で逢いましょう」を歌っています。
青森県出身の
井沢八郎は、中学卒業後に上京し、1963年に「男船」でレコードデビュー。翌年にシングル3作目としてリリースされたのが「あゝ上野駅」です。高度経済成長期に東北・北陸などの中高卒業生が東京へ就職する際に乗車する「集団就職列車」の終着駅となる北の玄関口、上野駅を舞台に、地方から希望と不安を抱えて上京する若者の心情を描いて共感を呼び、井沢の代表曲となりました。JR上野駅の広小路口前には同曲の歌碑があり、一部のホームの発車メロディにも使用されています。ちなみに、女優の工藤夕貴は井沢の娘です。
ロックの殿堂入りを果たし、灼熱のシャウトで“ウィッキド”とも呼ばれたサザンソウルのスター、
ウィルソン・ピケット。ゴスペル・グループを経て、ソウルへ転向し、デトロイトのR&Bグループの
ファルコンズに参加後、1963年にソロ・デビューを果たしました。ヒット曲のなかには「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」「ファンキー・ブロードウェイ」などもありますが、おそらく多くの人が一度は耳にしたことがあると思われるのが“ナ~ナナナナァ~、ナナナ、ナ~ナナナナナナ、ナナナナァ~”のフレーズが印象的な「ダンス天国」(Land of 1000 Dances)でしょう。同曲はピケットのみならず、さまざまなヴァージョンが全米ポップ・チャートにランクインし、
ミラクルズほか多くのカヴァーを生んでいます。
そのほかになじみがある楽曲といえば、国民的バラエティ番組『8時だョ!全員集合』のコーナー「少年少女合唱隊」で始まった「ドリフの早口ことば」のBGMに使われた「ドント・ノック・マイ・ラヴ」(Don't Knock My Love)などがあります。
フォークブーム時代に人気を博したのが、
因幡晃です。1975年の第10回ヤマハポピュラーソングコンテストで最優秀曲賞を受賞し、第6回世界歌謡祭に入賞したのを機にデビューしました。デビュー曲「わかって下さい」は当時60万枚超のヒットを記録。のちにフランス語ヴァージョンも発表されるなど、幅広いジャンルでカヴァーされています。
タレントや女優として活躍した
アイリーン・キャラは、1980年の映画『フェーム』で一躍スポットライトを浴びると、1983年の映画『フラッシュダンス』の主題歌「フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング」(Flashdance... What a Feeling)が全米1位と世界的ヒットとなりました。「フェーム」に続き、同曲で2度目のアカデミー歌曲賞を受賞し、グラミー賞では最優秀女性歌唱賞などに輝いています。日本でもドラマ『スチュワーデス物語』主題歌となった
麻倉未稀「What a feeling ~フラッシュダンス」ほか多くのカヴァーを生み、
安室奈美恵は「WHAT A FEELING」にて同曲をサンプリング / リメイクしています。
受賞時に一悶着あったものの、アフリカ系アメリカ人初のミス・アメリカに輝いたヴァネッサ・ウィリアムス。歌手や女優として成功したスターですが、全米1位となった代表曲が「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」(Save the Best for Last)です。1991年の2ndアルバム『コンフォート・ゾーン』からシングルカットされた同曲は、カナダ、オーストラリア、オランダでも1位を獲得。そのほかの国々でもトップ10にランクインするなど、ワールドヒットとなりました。
アメリカでは学校の卒業式や行事で歌われることも多く、日本ではシオノギ製薬「セデス」のCMソングとしてもおなじみとなりました。
“ミッチョン”の愛称で人気を博し、歌手、女優、タレントと幅広く活躍している
芳本美代子。“石川秀美の妹分”としてアイドル歌手デビューを果たすと、
おニャン子クラブ、
中山美穂、
斉藤由貴らアイドル豊作の85年デビュー組のなかで、
松本隆&
筒美京平コンビが手掛けた「青い靴」「Auroraの少女」がヒット。最高位となったのが、久保田利伸が作曲した「ヴァニティ・ナイト」です。
デ・ラ・ソウル、
ア・トライブ・コールド・クエストらとヒップホップ・アーティスト集団“ネイティブ・タン”を結成し、フィメールラッパーの第一人者として知られるのが、
クィーン・ラティファ。パワフルなラップ・スタイルで広い支持を獲得するほか、R&Bシンガー、女優、プロデューサー、TV番組のホスト、起業家などマルチな才能を発揮しています。ここでは3rdアルバム『
ブラック・レイン』からのシングル「U.N.I.T.Y」を挙げておきましょう。
世界的なセールスを誇るポップロック・バンド、
マルーン5のフロントマンの
アダム・レヴィーンも3月18日生まれ。マルーン5での活躍はもちろんですが、客演も少なくありません。
イン・ヤン・ツインズ「リヴ・アゲイン」(Live Again)、
カニエ・ウェスト「ハード・エム・セイ」(Heard 'Em Say)、
スラッシュ「ゴッテン」(Gotten)などに参加し、
アリシア・キーズとは
ローリング・ストーンズ「ワイルド・ホーセス」(Wild Horses)をカヴァーしています。
ソロ名義では、自身のスクリーンデビューとなった『はじまりのうた』のサウンドトラックに、「ロスト・スターズ」(Lost Stars)や「ア・ハイヤー・プレイス」(A Higher Place)が収められています。
ラストは“カナやん”こと
西野カナ。2008年のメジャー・デビュー以来、特に女性からの共感を得て、ファッションリーダーとしての人気も得ています。『NHK紅白歌合戦』初出場の際に歌った「Best Friend」や劇場版『NARUTO -ナルト- 疾風伝 ザ・ロストタワー』主題歌の「if」、映画『ヒロイン失格』の主題歌で、結婚式の定番曲のひとつにもなっている「トリセツ」、
二宮和也主演ドラマ『フリーター、家を買う。』挿入歌で現時点での最大セールスを記録している「君って」など数々のヒットがありますが、ここでは現時点で自己最高の2位を記録し、“会いたくて 会いたくて 震える”のフレーズも話題を呼んだ「
会いたくて 会いたくて」(写真)を選びましょう。
【バースデープレイリスト〈3月18日〉篇】
フランク永井「有楽町で逢いましょう」
井沢八郎「あゝ上野駅」
ウィルソン・ピケット「ダンス天国」(Land of 1000 Dances)
因幡晃「わかって下さい」
アイリーン・キャラ「フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング」(Flashdance... What a Feeling)
ヴァネッサ・ウィリアムス「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」(Save the Best for Last)
芳本美代子「ヴァニティ・ナイト」
クィーン・ラティファ「U.N.I.T.Y」
アダム・レヴィーン「ロスト・スターズ」(Lost Stars)
西野カナ「会いたくて 会いたくて」