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由来が気になる! 名前がユニークなアーティストたち【Part.2】

2026/05/01掲載
名前がユニークなアーティストの由来を教えてください。
由来が気になる! 名前がユニークなアーティストたち【Part.2】
 個性的な名前のアーティストに注目した前回の特集では、その意外な由来に驚かされた人も多いのではないでしょうか。しかし、音楽シーンにはまだまだ“名前が気になる”アーティストが数多く存在します。

 そこで今回は、引き続き名前がユニークなアーティストをピックアップ。前回とはまたひと味違ったラインナップの中から、新たな“気になるアーティスト”との出会いを楽しんでみてください。

新しい学校のリーダーズ
 ダンス・パフォーマンス・ユニット“新しい学校のリーダーズ”は、アメリカのヒップホップ・グループ“リーダーズ・オブ・ザ・ニュー・スクール”からインスピレーションを受けています。海外では“ATARASHII GAKKO!”という表記で活動しており、略称は“AG!”。さらにグループ名には、「模範的なヤツばかりが評価されるこの時代、くだらない不寛容社会から、個性と自由ではみ出していく」というグループのコンセプトも込められており、結成当初からセーラー服姿で左腕に風紀委員のような腕章をし、型破りなダンスパフォーマンスで国内外から注目を集め、近年はグローバルな活動も加速。2026年7月にはチェコやドイツのフェスに出演、さらにイギリス・ロンドンでは、結成11周年記念公演を開催します。そして、新曲「Chanka Chanka」が5月8日(金)に配信リリース予定。なお、公式YouTubeチャンネルでは、ライヴ映像が続々公開中です。



三月のパンタシア
 ヴォーカル・みあを中心に、コンポーザーやイラストレーターなど複数のクリエイターが参加するプロジェクト。ユニットのコンセプトは「終わりと始まりの物語を空想する」であり、ユニット名の「三月」は終わりと始まりの季節をイメージし、「パンタシア」はラテン語で「空想」を意味しています。2015年8月より始動し、2016年にシングル「はじまりの速度」でメジャー・デビュー。2018年以降は、ヴォーカル・みあが書き下ろした小説を軸に音楽制作をしています。2026年4月15日には新曲「風、光る。」を配信リリース。本楽曲は、スマートフォン向けゲーム・アプリ『崩壊学園』の11周年タイアップ・テーマ・ソングに起用されています。



時速36km(写真)
 東京・江古田発のロック・バンド。具体的な速度をそのまま冠したユニークなバンド名は、バンド初期メンバーでバンド名を考えているとき、なかなか良い案が出ず、だんだん煮詰まってきて大喜利状態になった際に出たのが「時速36km」とのこと。のちに、時速36kmを秒速に直すと100mを10秒で走ることから、人類の100m走最速くらいの速さであり、“人が走力で出せる最高速度”という意味を後付けしています。2026年4月5日より放送開始となった『ONE PIECE』エルバフ編のエンディング主題歌に抜擢。過去には、原作・尾田栄一郎も今ハマっているものとして時速36kmの「ハロー」という楽曲を挙げており、その2曲が収録された両A面シングル「その未来 / ハロー」が4月24日にリリースされています。



シャ乱Q
 1991年のNHK-BS『ヤングバトル』でグランプリを獲得した、つんく♂(vo)を中心としたポップ / ロック・バンド。近畿大学の学生を中心とした5人で結成され、「シャ乱Q」という名前は、メンバーが所属していたアマチュア・バンドの名前「シャッターズ」(しゅう、まことが所属)「RAM(乱)」(つんく、しゅう、たいせーが所属)「QP(キューピー)」(はたけが所属)を寄せ集めたものとなっています。1990年代のJ-POPシーンを代表する存在として数々のヒット曲を世に送り出し、現在もメンバーそれぞれが多方面で活躍。ユニークなネーミングと確かな実績で長く愛され続けています。



スーパー登山部
 コンポーザーである小田智之(Key)を中心に2023年に結成し、愛知を拠点に活動するスーパー登山部。バンド名の通りメンバー5人が実際に登山をするのも特徴で、各地のライヴハウスだけでなく標高3,000m付近の山荘でライヴを開催したこともあります。元々、登山経験があったのは小田のみでしたが、バンド名が決まったことでメンバー全員が登山を始めることに。バンド史上最も明るくアップ・テンポな煌めきポップス・ソング「ハイライト」が配信中。本楽曲は、スーパー登山部初のタイアップとして、コーセー「メイク キープ ミスト EX +」WEBムービー・ソングに起用されています。登山と音楽活動を並行する、異色の5人組バンドです。



羊文学
 柔らかく詩的な響きを持つ、オルタナティブ・ロック・バンド“羊文学”は、塩塚モエカ(g,vo)が中学3年生の時につけたと明かされており、当時好きだったバンド“S.R.S”(Sleeping Rag Sheep)から「羊」とつけ、「文学」については、“音楽”よりも“文学”のほうがスケールが大きいと感じたこと、そしてシガー・ロスの様な感じを表現したくて考えた中で字面が良かったからと述べています。5thフル・アルバム『D o n’ t L a u g h I t O f f』が、待望のアナログ盤として5月20日(水)にリリースすることが決定。話題のNetflixシリーズ『九条の大罪』で主題歌も務めており、透明感のあるヴォーカルとオルタナティブなサウンドで支持を集め、活動の幅を広げています。



豆柴の大群
 バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』内企画「MONSTER IDOL」にて結成し、クロちゃん安田大サーカス)がプロデュースを担当しているアイドル・グループ。愛らしさとインパクトを兼ね備えたグループ名は、生粋のアイドルオタクであるプロデューサーのクロちゃんが、その経験と独特なセンスを活かして命名。「豆柴」はメンバーのことを指しており、小さくてもエネルギッシュな存在感を発揮すれば「大群」に見えてくるという思い、そしてファンも「大群」の一員であるという考えから、アイドル・グループとしての個性と、ファンとの一体感を名前で表現しています。ユニークな企画とキャラクター性でデビュー前から話題となり、ライヴやリリースを重ねながら独自のポジションを築いてきた豆柴の大群。7月8日(水)に新シングル「裸のマーメード」をリリースすることを発表しており、本楽曲が2026年7月放送のアニメ『ぐらんぶる』Season 3のエンディング・テーマに決定しています。



ヤバイTシャツ屋さん
 フェス常連の大阪発のロック・バンド、通称“ヤバT”。メンバーのこやまたくや(g,vo)が大阪芸術大学時代に自身が所属していたニューフォーククラブの先輩が発した「今度の土曜日、ヤバイTシャツ屋さん行きまぁーす」の言葉の語感が良く、これをバンド名にしてバンドを組みたいと思ったことに由来しています。2017年に「パイナップルせんぱい」というタイトルのシングルをリリースしていますが、実はこの“パイナップルせんぱい”というのが、前述した大学時代の先輩であり、バンド名の名付け親でもあります。5月9日(土)・10日(日)には、三重・志摩スペイン村を2日間貸し切り、〈ヤバイTシャツ屋さん “Tank-top Festival 2026” in 志摩スペイン村〉の開催が決定しているヤバイTシャツ屋さん。過去の志摩スペイン村でのライヴ映像も公式YouTubeチャンネルにて公開されています。



YONA YONA WEEKENDERS
 “ツマミになるグッドミュージック”を奏でる4人組バンド“YONA YONA WEEKENDERS”。バンド名は、メンバー全員が平日は会社員として働き、その傍らで夜な夜な週末にバンド活動をしていたことに由来しています。リラックス感のあるシティ・ポップ / ソウルテイストの楽曲で、日常に寄り添う音楽を発信。大人の余白時間にフィットするサウンドが魅力で、2026年にバンド結成10周年、メジャー・デビュー5周年を迎えます。結成10周年イヤーを飾る新曲「トキオ・ダンジョン」「夜半の月」が配信中です。



リュックと添い寝ごはん
 男女混合4人組バンド“リュックと添い寝ごはん”は、メンバーが高校1年生の結成当時、軽音楽部の夏合宿中に宮澤あかり(ds)の中で“添い寝”という言葉が流行っており、合宿最終日にバスの発車時間までに急いでご飯を食べる必要があった際、リュックを背負いながらご飯を食べていたことがきっかけで、「リュック」「添い寝」「ご飯」という言葉の響きが良いと感じ、他のメンバーに提案し決まったとのこと。特別な意味はなく、単に音の響きや雰囲気を重視したものですが、どこか情景が浮かぶ、日常の何気ない温かさを切り取ったようなネーミングは、親しみやすいメロディと等身大の歌詞で若い世代を中心に人気を集めるバンドとどこかリンクしています。リュックと添い寝ごはんは先日、16mmのフィルムカメラで1発撮りした「風は山から」のミュージック・ビデオを公開しています。



 今回紹介したアーティストたちの名前には、単なる語感の良さやパッと思いついたアイデア、メンバーそれぞれが所属していたバンド名に由来するもの、音楽活動との両立を表現したもの、さらには何気ない一言や当時流行していた言葉から生まれたものまで、実に多彩な背景がありました。

 一見ユニークでインパクトのある名前も、その由来を知ることでぐっと身近に感じられたり、音楽の聴こえ方に新たな奥行きが生まれたりします。アーティストのスタンスや価値観、そして時代の空気までも映し出す表現の一つなのかもしれません。それぞれの名前に込められたストーリーとともに、彼らの音楽の魅力にもぜひ触れてみてください。
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