同じ誕生日のシンガーの楽曲をプレイリストにしてみようという企画「バースデープレイリスト」。1月19日篇には多くの有名・人気シンガーが集まりました。今回は、1月19日に誕生日を迎えるシンガーの楽曲のうち、10曲をセレクトしてみました。
まずは、シカゴ・ブルースを代表するピアニストかつシンガーの
ヘンリー・グレイ。
ハウリン・ウルフや
マディ・ウォーターズから
ローリング・ストーンズまで数多くのアーティストと共演し、2010年代以降も自身のバンド、ヘンリー・グレイ・アンド・ザ・キャッツでツアーを展開。2017年には当時の年齢を冠したアルバム『92』を発表しました。ヘンリー・グレイは代表曲「ラッキー、ラッキー・マン」(I'm A Lucky Lucky Man)を挙げておきます。
“ボサ・ノヴァの女神”こと
ナラ・レオンは、ブラジルの軍事独裁政権下ではプロテストソングを歌い、「私はボサ・ノヴァの女神なんかじゃない」と発したことも話題となりました。一時、仏・パリへ亡命した際にアルバム『美しきボサノヴァのミューズ』を発表。80年代以降は、歌謡曲やサンバ、キューバの音楽を取り上げながら、ブラジル国内で再びボサ・ノヴァに光を充てる一助となりました。47歳と若くしてこの世を去ったレオンからは「想いあふれて」(Chega de Saudade)を選曲。
27歳で急死し、いわゆる“27クラブのメンバー”とされている、60年代を代表する女性ロック・シンガーの
ジャニス・ジョプリン。生々しく刺激的な歌唱で強烈なインパクトを残し、多くのアーティストに影響を及ぼしました。ブルージィにカヴァーした「サマータイム」も印象的でしたが、邦題に自身の名前が入った代表曲「ジャニスの祈り」(Move Over)をセレクト。
カントリーの第一人者のひとりとされているのが、
ドリー・パートン。米・ビルボードのカントリー・チャート1位が25曲を数えるほか、アルバム40枚以上がトップ10入り。シングル110曲がチャート入りを果たし、グラミー賞も8回受賞するなど、名実ともにカントリー界のレジェンドの地位を築いています。ちなみに、“エンダーァァァ”のフレーズでおなじみの
ホイットニー・ヒューストンによる映画『ボディガード』の主題歌「オールウェイズ・ラヴ・ユー」の原曲は、パートンが手掛けて歌っています。ヒット曲が数多にあり、選曲も難しいですが、自身も出演し、アカデミー賞を受賞した映画『9時から5時まで』の主題歌「ナイン・トゥ・ファイヴ」(9 to 5)を挙げておきます。
甘いマスクとシックないで立ちで人気を博した
ロバート・パーマー。
デュラン・デュランの
ジョン・テイラーと
アンディ・テイラーらによるユニット、
パワー・ステーションに参加したことも話題となりました。デビュー以来、ヨーロッパでは高い支持を獲得していましたが、パワー・ステーション参加後はアメリカでも存在感を確実なものとしました。そのパーマーといえば、やはり全米1位となり、初のグラミー賞を獲得した「恋におぼれて」(Addicted To Love)でしょう。無表情の女性モデルによるバンドをバックに歌うミュージック・ビデオも話題を集め、パロディやオマージュが数多く作られました。
R&B / ソウル界からはイギリス・ロンドン出身の
キャロン・ウィーラー。ブリティッシュ・レゲエ・グループの
ブラウン・シュガーやアフロディジアックでの活動や、
フィル・コリンズ、
デヴィッド・ボウイらのコーラスを務めた後、80年代末にジャジー・B擁する
ソウル・II・ソウルに参加。「キープ・オン・ムーヴィン」「バック・トゥ・ライフ」というグラウンドビートの名曲でリード・ヴォーカルを担当しました。その後、ソロへ移行。ここではそのソロの代表曲「リヴィン・イン・ザ・ライト」(Livin' in the Light)をセレクト。
2018年に26歳の若さでこの世を去った、ラッパーの
マック・ミラー。2011年のアルバム『ブルー・スライド・パーク』はインディ・レーベルからのデビュー・アルバム全米1位を記録。
アリアナ・グランデ「ザ・ウェイ」に客演したことでポップ・シーンにも名を広め、生前に発表したアルバムは軒並みトップ5入り。死後に発表された2020年の6thアルバム『サークルズ』、2025年の『バルーナーリズム』もともに全米3位を記録しています。ミラーからは「グッド・ニュース」(Good News)を選曲。
さて、邦楽シーンでも1月19日生まれの著名シンガーが数多くいます。いまや語るまでもなく日本を代表するシンガー・ソングライターとして君臨している“ユーミン”こと
松任谷由実。荒井由実時代の楽曲も含め、今なお多くのカヴァーやTVやCMなどで使われるなど、ユーミンを聴かない日はないといえるほど多くの名曲を生み出しました。ギネス世界記録認定もされた10年代1位獲得数6回を誇るユーミンですから、1曲を選ぶのは酷としかいいようがありませんが、現時点で自身最大のヒット曲「真夏の夜の夢」にしておきましょう。
1998年末に颯爽と現れ、15歳で日本の音楽シーンに衝撃を与えたのが“ヒッキー”こと
宇多田ヒカル。椅子に“座るのか座らないのか”もネタになったミュージック・ビデオも印象的な「Automatic」やいまでも多くのアーティストに影響を与え、海外アーティストが来日時に歌唱することも少なくない「First Love」をはじめ、記録でも記憶でも数々の名曲を創り上げてきました。こちらもユーミン同様に選曲は困難ですが、食器を洗う姿ととらえたミュージック・ビデオも話題となった自身の名を冠した「光」をセレクトしてみましょう。
プロのバレエダンサーを目指したという美しく繊細な体躯からオルタナティヴなサウンドと刺激的な詞世界を繰り出す
Cocco。その才能は音楽にとどまらず、映画や舞台などの役者、エッセイ、小説、絵本などの作家ほか、さまざまなシーンで発揮されています。
くるりの
岸田繁との“
こっこちゃんとしげるくん”や、岸田らとともに結成した“
SINGER SONGER”などグループでは、ソロとは異なる表情を見せています。楽曲ごとに印象が変わるCoccoですが、セールスもアーティストのカヴァーも多い、代表曲の一つ「強く儚い者たち」を挙げておきます。
そのほか、1月19日には、“学園祭の女王”“ロックの女王”と称され、日本の女性ロック・シーンのパイオニアの一人として人気の
白井貴子、当時はニューミュージックの分派的なジャンルとしてのシティ・ポップの文脈で語られ、都会的な作風で知られる
西司、アニメ『うる星やつら』の主題歌「殿方ごめん遊ばせ」「Good Luck 〜永遠より愛をこめて」などを歌唱していた“チャーミーボイス”の
南翔子、
岡村靖幸プロデュースの「愛の才能」でメジャー・デビューし、「1/2」「DNA」などのヒットを放った
川本真琴、
モーニング娘。、
タンポポ、
美勇伝、
DEF.DIVAなど多くのグループやユニットで活躍した
石川梨華などがバースデーを迎えています。
[バースデープレイリスト〜1月19日篇]
ヘンリー・グレイ「ラッキー、ラッキー・マン」
ナラ・レオン「想いあふれて」
ジャニス・ジョプリン「ジャニスの祈り」
ドリー・パートン「ナイン・トゥ・ファイヴ」
ロバート・パーマー「恋におぼれて」
キャロン・ウィーラー「リヴィン・イン・ザ・ライト」
マック・ミラー「グッド・ニュース」
松任谷由実「真夏の夜の夢」
宇多田ヒカル「光」
Cocco「強く儚い者たち」
(写真は、2018年6月リリースの宇多田ヒカルのアルバム『
初恋』)