和歌山県出身ラッパー・SHUDANが、1st.EP『GREEN CORNER』以来となるソロEP『thanatos tape』を8月26日(水)にリリース。
Melodic Drillを主軸に2020年代初頭の雰囲気を漂わせながらも、現行のトレンドも押さえた異色の本作。
フリートラックでの基本製作スタイルはそのままに、「M01」では、MIKADO「HOMUNCULUS」等への参加が記憶に新しい、同郷のビートメーカーNovaがビートを担当。本人の「作りたいから作る」というモットーを全6トラックで体現した、既存曲未収録の意欲作。
あらゆる物に意味を見出さなければ動けないという自らのフェーズを抜け、目の前の「今」を尊重する彼は、この長い終活を線でなく点で生きる。
掲げ続ける「前向きな諦め」の中に、自身のこれまでとこれから、日常の一瞬を落とし込む、SHUDANの哲学が色濃く刻まれた作品に仕上がった。
避けられない上り下りが自分を自分たらしめるというのなら、そこに意味を付けるも付けまいも自分次第。どうしようもなく落ちたあの日すら、単に飛べなかっただけなのだろう。
文 / 熊耳素子