細野晴臣が、6月28日に東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催された、
高橋幸宏が創設し、生前自らキュレーションを手がけていた〈WORLD HAPPINESS 2026 ~I’m HOME~〉に出演。高橋幸宏の逝去から3年という節目を迎えた2026年6月、9年ぶりの開催となった本イベントでパフォーマンスを披露しました。
2025年のロンドン公演やパリでのDJイベント、国内ツアーの即完売など、現在も国内外で精力的な活動を続ける細野晴臣。2024年にはデビュー55周年プロジェクトを始動し、立教大学での企画展やポップアップストア、デジタルミュージアムを開催。さらに、アルバム『
TROPICAL DANDY』50周年記念再発盤を全世界でリリースし、それに合わせたポップアップを東京、パリ、ロンドン、アムステルダムで実施しました。2023年にはデビュー・アルバム『
HOSONO HOUSE』の50周年記念再発LP盤を発売し、累計1万枚を超えるセールスを記録するなど、国内外で大きな注目を浴び続けています。
ステージでは、2026年9月11日(金)発売の新作アルバム『
Yours Sincerely』に収録される新曲「Note of Mothership」を登場SEとして全世界初披露。楽曲が会場に響き渡る中、細野晴臣はステージに姿を現すと、国立代々木競技場第一体育館を埋め尽くした観客を前に全5曲を披露し、会場全体を温かな一体感で包みこみました。今回、そんなライヴの模様を収めたレポートも公開されています。
[ライヴ・レポート] 数日続いた雨も上がり、東京・国立代々木競技場 第一体育館は満員の観客と熱気に包まれていた。2008年に東京・夢の島公園陸上競技場で誕生し、10年間にわたって東京の夏を彩り続けてきた「WORLD HAPPINESS」。9年ぶりの開催となった今回は、日本の音楽シーンを革新し続けてきた高橋幸宏が築き上げた信頼とネットワークのもと、追悼を超え、未来へと音楽と幸福を受け継ぐ新たな“進化したワーハピ”として開催された。会場には世代を超えた色とりどりの観客が集い、音楽という共通言語のもと一つとなる、このフェスならではの光景が広がっていた。
時刻は19時を少し過ぎた頃。“We’re Mothers”というコーラスが温かく響き渡ると、時代を超越するような、新しくもどこか懐かしい登場SEが流れ始める。ゆっくりとステージに姿を現したのは細野晴臣。その楽曲は、待望のニューアルバム『Yours Sincerely』に収録される新曲「Note of Mothership」であり、この日が世界初披露となった。穏やかで包み込むようなサウンドが場内を満たすと、大きな拍手が沸き起こる。「いらっしゃい」と穏やかに語りかける細野晴臣の一言だけで、会場は早くも温かな一体感に包まれた。
続いて、異世界へと誘うかのような「AIWOIWAIAWOU」が鳴り響くと、観客は一気にリズミカルなグルーヴへと引き込まれる。その勢いのまま「Hong Kong Blues」へ。軽快に跳ねるマリンバとリズムセクションが心地よく絡み合い、フロア全体を大きく揺らしていく。時間も場所も忘れ、それぞれが自由に音楽へ身を委ねるような、細野晴臣ならではの有機的なサウンドスケープが広がった。
楽曲を終えると、「YMOの時、自分を助けてくれたのは幸宏だった。」と、高橋幸宏への深い愛情と感謝を滲ませる一言を残し、そのまま「PLEOCENE」を披露。青い照明と神秘的なサウンドが幻想的な空間を描き出し、一つひとつの音が呼応し合いながら、より大きな響きとなって場内を包み込んでいく。
ここで一息つくようにMCを挟むと、「高野くん」と親しみを込めて高野寛をステージへ迎え入れる。披露されたのは、高橋幸宏と細野晴臣がYMO以来初めて結成した伝説的ユニット・SKETCH SHOWの「Supreme Secret」。跳ねるカッティングギターと心地よいうねりを描くサウンドの中、会場には高橋幸宏への想いと、その音楽がこれからも受け継がれていくことを確かめ合うような、温かくハートフルな空気が満ちていった。
そしてラストを飾ったのは、国内外を問わず細野晴臣の代表曲として愛され続ける「Sports Men」。軽快なカントリー調のサウンドに乗せて爽やかに駆け抜けると、世代を超えた観客が笑顔で体を揺らし、愛に満ちた大きな盛り上がりの中でステージは幕を閉じた。
本公演を皮切りに、2026年9月11日(金)にはニューアルバム『Yours Sincerely』のリリース、さらにUSツアーの開催も控える細野晴臣。新たな作品とライブで描かれる音楽の旅路から、ますます目が離せない。
Photo by Masahiro HandaPhoto by Masahiro Handa