2026年8月10日(月)。ファイナルとなる東京・日本武道館公演へ向かい、全国47都道府県を巡る〈T-BOLAN LAST LIVE TOUR 2025-2026 終章 SING THE BEST HIT JOURNEY 47〉。その旅の途中、誰も予想しなかった出来事が起きました。4月24日の和歌山公演、そして翌25日の奈良公演。
T-BOLAN史上初となるライヴ中止。理由は、ヴォーカル・
森友嵐士の体調不良によるドクターストップでした。メジャー・デビュー以来、一度もライヴを止めなかった男。それでも今回は、立ち上がることすら難しい状況でした。森友はSNSでこう綴っていました。「最後までステージに立つ方法を探した。でも、ドクターストップだった。本当に悔しい。」。その言葉からは、“歌えない苦しみ”と、“ファンに会えない痛み”が滲んでいました。
そして迎えた5月5日。高知県立県民文化ホール「オレンジホール」。暗転。1曲目のイントロが鳴り響いた瞬間、森友嵐士が叫びました。「イクゼ!!」そして続けざまに放たれた、「会いたかったぜーー!!」。その瞬間、会場は割れんばかりの歓声に包まれました。止まっていた時間が、再び動き出しました。まるでその一声が、T-BOLANの再始動を告げる“狼煙”だったかのよう。
艶と哀愁をまとった唯一無二のハスキー・ヴォイス。1曲目からアクセル全開で放たれる歌声が、高知の夜を震わせていきます。そして何より印象的だったのは、森友の“笑顔”。ギターの
五味孝氏と向き合った瞬間に生まれる、言葉を超えた空気。その背中を静かに見つめるベースの上野博文。ステージに立てる喜び。再び音を鳴らせる幸せ。そのすべてが、ライヴ全体から溢れていました。
「みんなの言葉に救われた。」MCでは、森友が深々と頭を下げました。「和歌山、奈良。本当に心配をかけてゴメン。」そして、少し言葉を詰まらせながら続けました。「本当にギリギリまで、ステージに立つ方法を探してた。でも、立てなかった。悔しかった。だけど、SNSに届いたみんなの言葉に、本当に支えられた。めちゃくちゃ力をもらった。今日はその感謝を、歌で返したい。」会場からは大きな拍手。そして森友は力強く宣言しました。「今夜は、“Re: START”の夜です。またこうして、みんなと同じ時間を生きられること。その全部を、身体全部で表現したい。だから高知!最高の夜にしような!!」その言葉に呼応するように、会場の熱量はさらに加速していきました。
この日のステージは、単なる復帰公演ではありませんでした。不調を乗り越え、仲間に支えられ、ファンに支えられながら、再び立ち上がった一人のロック・ヴォーカリストの“生き様”そのもの。「歌うこと」「ステージに立つこと」「誰かに想いを届けること」、その意味を、観客一人ひとりが改めて感じた夜だったに違いないでしょう。そして、“約束の旅”は、武道館へ向かいます。
ライヴ終盤のMCで、森友は仲間たちへの想いも語りました。「青木、五味、上野。そして人時、TOSHI、こじやん、唯子姉さん。このステージに立っていないスタッフやクルーも含めて、みんなでこのツアーを作ってる。そして、今日ここに来てくれた“みんな”。ここまで一緒に歩いてくれて、本当にありがとう。」止まりかけたツアー。ですが、その歯車は再び力強く回り始めました。高知で深まったファンとの絆。その想いを胸に、T-BOLANは再び走り出します。奈良へ。和歌山へ。そして、8月10日に日本武道館へ。“約束の旅”は、ここからさらに熱を帯びていきます。
「HOLD ON MY BEAT」――。T-BOLANは、止まらない。