高周波発振器を内蔵し、垂直と水平に伸びたアンテナに手を触れず、近づけたり遠ざけたりして音を出す、世界初の電子楽器「テルミン」。この楽器を1920年に作ったロシアの物理学者レフ・セルゲーエヴィチ・テルミンの誕生日8月28日にちなんで、「テルミンの日」に制定されていました。
この記念日を制定したのは、日本のテルミン奏者の川口淳史。その音色を聴く機会を増やしてテルミンの魅力を広く知ってもらい、テルミンを通じて生活と文化に潤いと発展をもたらすことを目的として記念日を申請しました(過去に日本記念日協会により認定・登録されましたが、現時点で記念日登録は終了した模様)。
実は、日本は“テルミン大国”として知られています。レフ・テルミンの親戚(従兄弟の孫)で、幼少よりレフ・テルミンから直に手ほどきを受け、テルミン演奏の第一人者となった
リディア・カヴィナに師事し、マトリョーシカの中にテルミンを仕込んだ小型のテルミン「マトリョミン」を開発した
竹内正実をはじめ、竹内に師事し、音楽ユニットの
ザ・ぷー(元ザ・プーチンズ)などで活動する街角マチコ、東京テルミンオーケストラを主宰するテルミン奏者の濱田佳奈子、ダブ・バンドの“
あらかじめ決められた恋人たちへ”のメンバーとしても活動するテルミン / パーカッション / 鍵盤ハーモニカ奏者の
クリテツ、神奈川県逗子市にある「テルミンミュージアム」の館長を務めるテルミン奏者の大西ようこなどが活躍しています。
街角マチコは自身のテルミン教室「テルミン大学」を設立し、改名前の佐藤沙恵名義でアルバム『
テルミン大学』を発表。2015年より「全日本テルミンフェス」を企画・主宰しています。同フェスは2015年から2017年まで行なわれた後、2026年3月に9年ぶりに開催。テルミン奏者やテルミン奏者のいるグループに加え、元
andymoriでALのメンバーでもある
小山田壮平、熊崎ふさ子のソロ・ユニットの
フレネシ、フランス結成のヴォーカル・ユニットの
レ・ロマネスクなどテルミン奏者以外のアーティストも参加しました。
テルミン・アーティスト以外でテルミンを使っている作品としては、あらかじめ決められた恋人たちへのアルバム『
CALLING』『
DOCUMENT』や、
小山田圭吾のソロ・プロジェクト、
Corneliusのアルバム『
FANTASMA』収録の「THE MICRO DISNEYCAL WORLD TOUR」(テルミン奏者・
やの雪が参加)、シンガー・ソングライターの
吉澤嘉代子の1stアルバム『
箒星図鑑』(写真)収録の「逃避行少女」、声優アーティストの
上坂すみれの7thシングル「
恋する図形(cubic futurismo)」にカップリングされた「文豪でGO!」などがあります。
また、日本の“テルミンブーム”のきっかけとなった、2001年公開のレフ・テルミンの半生を描いたドキュメンタリー映画『
テルミン』、2010年公開映画『
のだめカンタービレ 最終楽章 後編』、2024年公開のアニメ映画『
きみの色』のほか、NHK大河ドラマ『
鎌倉殿の13人』のコーナー「大河紀行」など、映画やドラマなどでも使われています。