葉加瀬太郎   2011/07/08掲載
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 今年でついに10周年を迎える<情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA 11>。オーガナイザーの葉加瀬太郎を旗振り役に、ジャンルを超えたミュージシャンたちが登場する魅力的なイベントなわけだが、今回はレギュラー出演者たちが集い、このフェスの素晴らしさと意義、未来を語りあう。




葉加瀬太郎(以下・葉加瀬) 「いや〜、もう10年なんですね。これもひとえに賛同してくれたミュージシャンの人たち、そしてファンの方々のおかげですよ。ぼくは、このイベントを表参道と御堂筋で1週間ぶっ続けの音楽祭にする夢があるので、次の10年へ向けまだまだ頑張っていきますよ」
――佐藤竹善さんは2年目の2003年から、鈴木雅之さんと押尾コータローさんは2004年から、藤井フミヤさんは2006年からの参加ですね。
葉加瀬 「竹善と押尾は呼んでないのに来るんだよね〜。半年ぐらい前にラインナップを決めるんだけど、二人は当り前のように入っている(笑)」
佐藤竹善(以下、佐藤) 「うん。正式にオファーをもらったことないよ(笑)」
鈴木雅之(以下、鈴木) 「で、竹善は早めに出番を終えて、あとはバックステージで呑んでいる(笑)」
葉加瀬 「ぼくはずっとステージに出ているけど、みなさんは出番が30分ぐらいだから消化不良だと思うんです。余力があるから、まあよく呑むこと……」
佐藤 「気分良くバックステージで過ごすのがメインみたいな(笑)」
藤井フミヤ(以下、藤井) 「でもホント、ミュージシャン同士も和気あいあいとしていて良い感じだよね。あんまりこういうフェスってないんじゃない?」
佐藤 「めったにないよね」
押尾コータロー(以下、押尾) 「ええ。普通は発表会みたいになっちゃって、ミュージシャン同士が繋がることってあんまりないし」
鈴木 「お祭り騒ぎっていうか、みんなで写真撮りあったりさ。それもこれもやっぱホスト役の太郎がいいんじゃない? ムード―メーカーだからね」
押尾 「太郎ちゃんのおかげだよ」
鈴木 「太郎が道標みたいなもんでね」
葉加瀬 「いやいや、ぼくはたいしたことはしてませんよ。ただ、ぼくも他のフェスに何度か出演したんですけど、自分の出番が終わると“お疲れさま〜”って感じじゃないですか。けどぼくがやるなら、プレイして、聴いて、そしてバックステージでも楽しんでもらえる感じにしたかった。みんな音楽に対するリスペクトはすごいし、そこで知り合った者同士が刺激を受けて新しいモノが生まれたりしたら素晴らしいじゃないですか」
――そんな中で生まれたのがゴスペラッツですね。
鈴木 「あれは身内的にもサプライズだったんだよね。ゴスペラーズの村上(てつや)と酒井(雄二)がコーラスで参加したいってことから始まったんだけど、前日にリハーサルを終えて一人でいたら、ふと頭の中に“ゴスペラッツ”って言葉が浮かんだんだよね。おっ、これは音楽の神様のギフトだと思ってさ。そんで当日、村上と酒井にステージに上がる前に“おまえら今日、顔塗る?”って聞いたのよ。“いいんですかっ!?”って彼らは驚くわけだけど、お墨付きだからね。で、ステージにあがって“こんばんは、ゴスペラッツです”って言ったら、また二人とも驚いてたよ(笑)」
藤井 「へえ〜、そんなことがあったんだ」
鈴木 「楽屋でも楽しませたいって太郎の思いと似ていて、やっぱりフェスっていうのはお祭りなんだからサプライズがなきゃね。まあでも、このステージがなかったら生まれてなかったユニットだよ」
藤井 「じつはオレも誘われたんですよね」
鈴木 「うん。フミヤが入る場合は、チェッカーズもからめて“ゴスペラッカーズ”にしようって(笑)」
葉加瀬 「ハハハ、何ですかそれは。けど最初マーチンさん(鈴木)がこのステージに出てくれるとは思ってなかったですよ」
佐藤 「マーチンさんが出たあたりから音楽の幅がスゴい広がったような気がするね」
葉加瀬 「最初はどう接していいか分からずちょっと困ったんですよ」
佐藤 「オレに聞いてたもんね。マーチンさんって恐いのって(笑)」
鈴木 「コメントに困るよ(苦笑)。ただオレは太郎のバイオリンでソロデビュー曲の<ガラス越しに消えた夏>を歌うのが夢で、それを実現するためにステージに立ったんだよね。太郎のバイオリンは一緒に歌ってくれているのが分かるし、すごく背中を押してくれるんだよ。それが毎年、楽しみでさ」
葉加瀬 「こちらこそ感謝ですよ。色々なコラボレーションが生まれるのもこのイベントの魅力だし、押尾なんかも去年初めてバンドスタイルでやったんだよね」
押尾 「マーチンさんとかフミヤさんを見ていて、ぼくも色々絡めたらなって思いましたもん」
葉加瀬 「バンドで押尾が聴けるのも、ここだけですよ」
押尾 「情熱大陸ならではですね」
佐藤 「楽しそうにやっているもんね。去年ステージで“今日このイベントに出られてとっても嬉しいです”って言ってたけど、おまえ毎年出てるじゃん(笑)」




――今回は10周年を記念して曲を制作したという話ですが。
葉加瀬 「フミヤさんが作詞で、ぼくが作曲なんですけど、最後にみんなで大バラードを歌いたいなって。初期の頃は最後に何曲か歌っていたんですけど、最近は出演者が多いので時間の制約上やってなかったんです。けど今年は10周年だし何かやろうと。詞に関してフミヤさんにお任せしていたんですけど、今年は震災があって、我々の気持ちを伝えるような詞をフミヤさんは書いてくれました。熱い思いをその一曲に込めたいと思います」
――では最後に意気込みと抱負を。
佐藤 「観ている方も、やっている方も元気になれるライヴします。それがきっと色々な場所に届くと思うので」
押尾 「ミュージシャンとオーディエンスが一体になれる素晴らしいイベントですし、太郎ちゃんの理想に繋がるようなステージに今年はしたいですね」
藤井 「夏の風物詩であるこのイベントは、会場全部が一緒になって空に向かって歌っているような感じなんですよね。楽しさを天に捧げるような風情もあって、笑顔がたくさん残るようなステージにしたいです」
鈴木 「日本が今つらい状況にあって、このイベントはその名の通り情熱のある人々が一つになれる場所。10年後もこのイベントが続けいれば、オレは64歳になっているから、そのときは情熱のステージでラヴソングを歌っていたらカッコイイし、それを目標にしたいね」
葉加瀬 「“よし、10年やってきて美味い酒呑むぞ〜”じゃなくて、今年はこのイベントに対する愛と意志を当日再確認して、気持ちの中でしっかりリセットしたいと思います。これから20周年、30周年、ぼくの夢に描く音楽祭にどこまで手が届くかわからないけど、そこに向かってリスタートのできるお祭りにしたいと思います」
取材・文/石塚 隆(2011年6月)
場所提供:JINROKU
【特番放送決定!】
■『情熱大陸SPECIAL LIVE パーフェクトガイド』

放送日:7月9日(土)12:00〜12:30
放送局:TOKYO MX(東京地区ローカル)

【10周年記念CDが7月27日に発売決定!】
■V.A.『情熱大陸LIVE BEST』

(BVCL-231 税込3,059円)
これまで行なわれた9回のパフォーマンスから、選りすぐりのものと奇跡的なコラボレーションをフィーチャーしたベスト・ライヴCD!
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