“食の安全”を探求するドキュメンタリー映画『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』のジェレミー・セイファート監督がジェン夫人と共に来日を果たし、25日(水)には東京・日比谷文化図書館で行なわれたトーク・イベントに出席しました。
ほぼ女性で埋め尽くされた会場を見わたした監督は、「やはり“食”に関しては女性の方が情熱的。女性は種を育ててくれる存在ですからね……。あ、でも、あそこにヤングマンが1人いた!」と、小さな男の子を見つけると満面の笑顔、観客からは温かい笑いがこぼれました。
3人の子どもの父親でもある監督が食の安全について「家族みんなで考えてみよう!」と発案、遺伝子組み換え食品(GMO)や有機栽培の現状を探求する旅に出る『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』。〈バークシャー国際映画祭〉最優秀ドキュメンタリー作品賞を受賞するなど、観客から熱狂的な支持を受けている本作ですが、「GMOは本当に安全なのかな?」という素朴な疑問もさることながら、7歳(撮影当時6歳)の長男フィンが無類の“種好き”だったことから、このプロジェクトは始まったとか。監督は、「フィンが2歳の時、家に畑を作り、“種はこうして蒔くんだよ”と教えてあげたんだ。しばらくすると、それが芽になり、トマトの実がなって、100個くらいの種ができた。彼は凄く感動していた。命の不思議、大切さに目覚めたんだね」と述懐。
そうして、始まった今回の旅。「食品に関わるさまざまな企業やGMOの研究者、有機栽培を行なっている農家の人たちに話を聞いたが、まだまだわからないことがたくさんある。ただ、映画を観ていただければわかると思うけど、100%オーガニックな食品を食べることはかなり難しい、これだけははっきりしていると思う」(監督)と力説。会場から「もしも、お子さんがファストフードを食べたいって言ったら?」という声が上がっても、「答えはノー!」と笑顔でキッパリ。
ただ、全てを頑なに縛るのも良くないという監督は、「劇中、ハロウィンを楽しむシーンがあるけれど、子供たちがもらってきたお菓子が、もしもよくない製品だったら、さりげなく“そのお菓子とオモチャを交換しない?”って提案するよ。ハロウィンの思い出を大切にしながら、折り合いをつけることも大切」と、持論を展開しました。