『アワーミュージック』(2004年、日本公開は2005年)以来、実に6年ぶりとなる
ジャン=リュック・ゴダール監督の長編劇映画『ゴダール・ソシアリスム』が12月18日(土)より、日比谷・TOHOシネマズシャンテにて公開されます(全国順次公開)。
ゴダールの最後の映画……との噂につつまれカンヌ映画祭に登場、冒頭での海の凄まじい映像の一瞬から、全編を疾走する映像美、サウンド、みなぎる詩の活力で、観衆を圧倒した本作は、3楽章から構成される“シンフォニー構成”に。
第1楽章は、地中海を周遊するゴールデン・ウェブ号を舞台に、スペイン内戦でなくなった黄金をめぐるミステリーを軸に、速いテンポで複数のストーリーラインを展開する「こんな事ども」。第2楽章は、フランスの片田舎を舞台に、とある一家と動物たちが主役に緩やかなテンポでおくる「どこへ行く、ヨーロッパ」。そして第3楽章は、第1楽章でゴールデン・ウェブ号がたどっていた航路、人類の歴史を築いた6つの場を訪問する「われら人類」となっています。
出演者は、
パティ・スミス(本人として出演)以外に、日本で名が知られる人はほとんどいないものの、第2楽章で母親を演じるのはオリンピック銅メダリストの元テニス選手、現在は作家として活躍するカトリーヌ・タンヴィエ、第3楽章の最後まで全編の軸として登場するゴルトベルクの孫娘アリッサ役は、『勝手にしやがれ』のプロデューサー、ボールガールの孫娘アガタ・クーチュール(初出演)と、強烈なゴダール色をまとった美女の顔ぶれにも注目です。
現代ヨーロッパを映像美と詩の極地で描くゴダール最高傑作『ゴダール・ソシアリスム』、ぜひ劇場でご覧ください。
なお現在、TOHOシネマズシャンテでは、『ゴダール・ソシアリスム』公開を記念した上映イベント<ゴダール映画祭2010>を開催中。上映作品については特設サイト(
http://www.bowjapan.com/godard2010/index.html)をご覧ください。